企業ホームページ運営の心得

10年コラムを書き続けられた理由、自分ファーストで身につける継続力

コンテンツは続けなければ成果がわからず、改善もできません
Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の512

プロフェッショナルが持っている力

Rawpixel Ltd/Thinkstock

本連載のカラータイマーがゼロになるまであとわずか。とはいえ、実感が湧かないのは、他の連載の締め切りにも追われ、心の余裕がないからだけではなく、本連載の執筆がない、これからの1週間をすっかり忘れてしまっているからです。

自己啓発とかポエティックな表現ではなく、強制的に生活の一部に組み込む術を続けてきた結果です。

何をやっても長続きしない。こんな悩みをもっているWeb担当者もいるかもしれませんが、安心してください。とっても簡単な方法で「継続力」は身につきます。

会社員を経て独立し、さまざまなジャンル、階層の人を見てきて、私が身につけなければならないと痛感したのが継続力です。独立当初の私にこの機能はなく、直感力と反射神経だけで生きていました。しかし、付け焼き刃が永遠に通じるほど社会は甘くはありません。

そして、プロフェッショナルな人ほど継続力を持っていることに気づき、継続力を求めて試行錯誤して、ある方法にたどり着きました。それは「当たり前」。10年の週刊連載を続けた私が身につけた拍子抜けするほど簡単な方法です。

ニワトリと卵の議論

あらかじめ断っておきますが、「継続することより、中身が重要だ」との指摘はその通り。しかし、そもそも継続できなければ、質を高める機会も失ってしまいます

これは鶏が先か卵が先かの議論に似ていますが、学生時代に反省文しか書いたことのない私が、新聞社発行の論壇誌に連載を持ち、なにより本サイトで10年もの間、末席に居座り続けることができたのは、身につけた継続力があってこそ。

もちろん、読者の皆様のご厚情と、編集部のフォローがあってのことですが、継続とは武道における「量稽古」のようなもの。これが執筆に限ったことでないのは、言うまでもないでしょう。

簡単だけど難しいコト

どうすれば継続できるのか、拍子抜けするほど簡単な方法を紹介します。それは「時間の確保」です。

  • ブログの執筆は毎週水曜日の14時から15時
  • ツイッターなら毎朝9時から15分間

などと予定に組み込み、時間を確保します。とても簡単で当たり前のことですが、長続きしない人は、その時間を確保していません。

ブログが普及する以前から、Webサイトは定期的な更新が重要だと言われてきました。その昔、「日記型掲示板」による手軽な更新が喧伝されたころ、その実装を自慢するサイトオーナーに日記更新のタイミングを尋ねたことがあります。

彼は「ネタが浮かんだときに、ぱぱっと書く」と胸を張りました。裏返せば、ネタが浮かぶまで作業に取りかからないということ。更新されない「廃墟物件(サイト)」になるまでの時間はわずかでした。

ルーティンの大切さ

時間の確保にもコツがあります。できるだけ同じ曜日、同じ時間で確保することです。これは本連載の執筆を生活の一部に取り込んだ方法、すなわち「習慣化=ルーティン」という奥義です。

人間は、できるだけ同じルーティンで過ごしたいと願う生き物です。ルーティンの変化はストレスになるため、曜日、時間を揃えて自分自身に日常だと錯覚させ「習慣」にしてしまうのです。

習慣化は周囲への波及効果も期待できます。決まった曜日、いつもの時間に同じ作業を繰り返すことで、上司や同僚が行動を容認し、ときには尊重してくれるようになることがあります。

これは変化を嫌う人間の習性の裏返しでもあり、ルーティンにすることで周囲の人々がそれを平時と上書きしてしまうのです。

本稿は毎週水曜日の午後に執筆しており、それを知っているお客のなかには、水曜日の午後は電話どころかメールすら遠慮してくれる人がいます。

自分ファーストの意味

予定が入るかもしれない。毎週、同じ時間は難しい。

そんな声もあるでしょう。しかし、時間を確保すること、すなわちスケジュールを立てるときの極意は「エゴイスト」になることです。傲慢に自分の都合を優先する、すなわち「自分ファースト」で時間を確保していきます。未確定の予定は無視して結構です。「予定(仮)」にあわせる必要はありません。

継続力の乏しい人は、周囲の状況に合わせる傾向が強く、言い換えれば「振り回される人」だということ。望んでいるのではないかと疑うほどです。

確かに未来には不確定要素が多く、決めかねることが多いのも事実ですが、周囲という外的要因に自己決定権を委ねる姿と自分ファーストは正反対の考えです。未来を決めるのは誰かではなく、自分が決めると宣言するのです。

時間を決めたらやるしかない

予定は未定との軽口もあるように、別の予定が割り込みそうになることは多々あること。そのときは必ず、別の日時にならないかを交渉します。あくまで「自分ファースト」とエゴを通すのです。

少々、余談に流れますが、ビジネスのTipsを紹介しておきます。打ち合わせなどの日時の取り決めは、何度かやり取りをするなり、いくつかの候補をあげてから決めるといった、「交渉」を経た方が、信頼関係を構築しやすい傾向があります。

相手の人間性にもよりますが、言われるがままリクエストに応える相手を軽く見る人がいるからです。これも「自分ファースト」をすすめる理由の1つです。

時間を確保したなら、やる(書く)しかない。そうして続けるうちに、いつの間にか継続力が身につき、10年間書き続けてきました。

次回はいよいよファイナル。まだ、ネタを考えていません。継続力は身につきましたが、計画性はまだまだのようです。

今回のポイント

なにより時間を確保し

自分本位でルーティン化する

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