【レポート】Web担当者Forumミーティング 2017 Spring

AI/機械学習+MAで最適なコンテンツを届けるための「5つのステップ」とは?

ディープラーニングを活用して顧客行動・顧客嗜好を予測する
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性別・年代といった属性だけで顧客をセグメントすることが難しくなっており、過去の顧客行動から「次の行動」を予測し、最適なアプローチを行う必要がある。そこで「データ分析」を次のマーケティングアクションにつなげるために、AIや機械学習のアルゴリズムに注目が集まっている。

山田 賢治氏
株式会社アクティブコア
代表取締役社長
山田 賢治氏

アクティブコアの山田氏は「Web担当者Forumミーティング 2017 春」に登壇し、「顧客行動に合わせて最適なチャネルで最適なコンテンツをAI/機械学習+マーケティングオートメーションで届ける」と題して、機械学習の概要や、マーケティングオートメーション(MA)事例、成功のポイントなどを解説した。

機械学習をマーケティングに活用する取り組みが進んでいる

企業は、データから顧客をより深く知り、顧客一人ひとりに最適な体験を届けることが求められている。マーケティングにおけるデータ分析のツールとして、AIや機械学習に注目が集まるが、山田氏は機械学習を「確率・統計モデルに基づく、パターン認識」であると定義した。

すなわち、機械学習とは「与えられたデータのパターンを認識、学習することで未知のデータを分類・予測すること」だ。代表的な機械学習のアルゴリズムには「回帰」「相関」「ニューラルネットワーク」などが挙げられる。

機械学習の学習モデルは、大きくわけて次の3つに分類できると山田氏は解説した。

  • 教師あり学習

    事前に与えられた入出力データを学習して、新しい出力データを予測する学習モデル

    たとえば、CVデータや購入データなどを入出力データとして与え、広告配信におけるCVクリックを予測するといった利用シーンが考えられます

  • 教師なし学習

    入力データのみが与えられ、出力データは決まっていない学習モデル

    この学習モデルは、何らかの規則性や判断基準を抽出するのに有利で、たとえば、Webの行動履歴データから、類似した指向性を持つユーザーをセグメンテーションする際などに効果的です

  • 強化学習

    教師データは与えられないが、その代わり「報酬」を与えて学習させるモデル

    たとえば、CVデータの代わりに、バナークリック、メルマガクリックなど、ヒントとなるデータを与えてレコメンド施策を評価させるといったシーンで用いられることがあります

マーケティングに機械学習を活用するケースは、すでに増えてきている。たとえば、次のようなこともすでに可能になってきている。

  • 回帰分析を使い、ポイント利用者数から売上を予測
  • 重回帰分析を用い、インフォマーシャルやテレビCM、ネット、リアルイベントなど、各媒体への広告効果を評価
  • テレビCMの「売上貢献度」を評価

また、クラスタ分析を用い、「70代のメルマガヘビーユーザー」など、サイト閲覧行動から閲覧者を分類、セグメンテーションすることも可能になってきた。

さらに、ニューラルネットワークを用い、「サイト訪問履歴があるか?」「キャンペーン記事の閲覧履歴があるか?」「メルマガ流入があるか?」など、複数の項目から、あるサイト訪問者がCVするかどうかを分析することができる。

いわゆるマーケティングオートメーション(MA)におけるリードスコアリングのようなプロセスを、機械学習によりさらに精度を高めていくことが可能になってきています

しかし、これらの機械学習は、「正解と誤差から学習モデルを自動更新、チューニングする必要がある」と山田氏は語る。

機械が正しく学習するために、適切な学習データを用意しなければなりません。しかし、機械には、何が適切なデータかがわかりませんし、特徴量設計(データの重みづけ)ができません。こうしたデータの整備、設計は人間が決めて、与える必要があるのです

こうした課題を解決したのが、ディープラーニング(深層学習)だ。特徴抽出がアルゴリズムに組み込まれており、説明変数や特徴量を人が判断して決める必要がなく、データから自動的に特徴量を抽出できるのが特長だ。

顧客行動履歴などの「データ」から、顧客一人ひとりに最適なチャネルでアプローチ

山田氏は、「データ」と「分析モデルとしての機械学習」を組み合わせた具体的な適用例を紹介した。

まず、プライベートDMPでデータを蓄積していくことで、属性、行動履歴など「個」に紐付いた精度の高いデータを整備する。

そして、蓄積されたデータから、顧客嗜好を機械学習させる。

さらに、機械が予測した「購入予測アイテム」と、実際に顧客が「購入(CV)したアイテム」(正解データ)との誤差を比較し、学習の精度を高めていくのだ。

ディープラーニングは学習データと正解データを比較、学習回数が増えると正解率がどんどん高まっていく特徴があるため、購入履歴や利用頻度、性別やWeb行動履歴を機械学習させることで、購入(CV)しそうな顧客を自動抽出できるようになり、最適なアプローチが可能になります

また、優良顧客の分析から、まだ自社内に来ていない「類似顧客」を推定、獲得することもできる。

プライベートDMPのデータを教師データとして、CVしそうな顧客を推定、そのCookieデータを広告配信システムと連携させ、新しい顧客獲得につなげたり、見込み客、離脱した顧客にアプローチしたりできます

また、「どれくらいの顧客獲得単価か」という従来の指標ではなく、「より優良顧客を多く獲得した広告・チャネルは何か」という顧客生涯価値(LTV)をベースに広告効果を評価、出稿先を最適化する取り組みにも活用できる。

山田氏は、最近のBtoCビジネスの傾向として、「メルマガ、LINE、オンライン・オフラインの広告からLTVを分析する企業が増えてきた」と述べる。たとえば、化粧品であれば、「ハリと潤い」「使用前後」「肌効果」「主成分」などの広告の訴求内容ごとに、LTVが一番高かった広告クリエイティブはどれかを分析し、その広告に予算を多く配分するといった活用例が考えられる。

マーケティングオートメーション(MA)で最適なコンテンツを届けるための「5つのステップ」

こうした点を踏まえ、山田氏は、MAで最適なコンテンツを届けるための「5つのステップ」を紹介した。

ポイント1 属性でパーソナライズする

まずは、属性によるパーソナライズだ。MAを活用したステップメールは、誰に対しても同じ内容をオファーしがちだ。そこで、「27歳以下」「28歳~35歳」などのように、属性に応じて件名やコンテンツ内容を変更する。これだけで開封率を高めることが可能だ。

ポイント2 顧客をセグメント化して異なるコンテンツをオファー

たとえば、「成分で訴求したバナー」に反応したお客様と、「効能で訴求したバナー」に反応したお客様とで、フォローメールの文面を変えることも有効だ。

ポイント3 顧客イベントにもとづいてオファー

「かご落ち」(カートに商品を入れたが、購入に至らなかった)した顧客に対するリマインドは、通常は1度だけというケースが多い。

ここを、さらにひと押しすることが有効だと山田氏は述べる。3日後にカート投入商品をリマインドしたり、カート投入商品と相関する商品をレコメンドしたり、あまりしつこくしすぎない「一押し」には効果があると山田氏は説明する。

また、BtoB領域では、展示会やセミナーと紐付けて、サイト訪問者にアウトバウンドでアポ取りをすることや、最終Web訪問後、半年経過した「塩漬け」状態の顧客に、長期フォローメールを送る、あるいは、カタログをダウンロードした顧客に対し、商材に応じたコラムをおすすめするコンテンツマーケティングにより、メールの開封率アップを狙う施策などが考えられる。

実際に、ある人材紹介サービス会社では、会員登録後の顧客に「ウェルカムメール」や「転職ノウハウ」に関するメール、「転職成功者インタビュー」を紹介するメール、「自己分析に関するコンテンツ」のメールのようにステップメールを送ることで、会員登録後の応募率が23%向上したという。

ポイント4 属性、嗜好、行動にもとづいてアプローチ

ECサイトなどでは、単純な日数を基準にしたフォローメールではなく、お客様の行動、イベントに合わせたステップメールを使う。たとえば次のようなものだ。

  • 商品発送から5日後
  • 閲覧後、購入されなかったお客様にアイテムリマインド
  • 最終商品購入日から90日間経過したお客様へパーソナルレコメンド

こうしたステップメールは、従来のステップメールに比べ、高いフォロー効果(CV率)を示している。

ポイント5 機械学習・ディープラーニングを活用して顧客嗜好を予測してレコメンドをパーソナライズ

5つ目のポイントは、プライベートDMPに蓄積したデータ(属性、購入日や価格帯等)から、ディープラーニングにより購入(CV)に相関の高い特徴量を自動で抽出。Webやメールのレコメンドに反映することだ。

山田氏によると、ある人材サービス企業では、勤務地、保有資格、勤務形態などから、特徴を抽出。レコメンドメールをパーソナライズしたところ、これまでのメール配信と比較して約1.5倍の応募数があったという。

また、ある旅行サイトでは、旅行先の方面、価格帯など、顧客の嗜好を学習してレコメンドに反映したところ、CV率が約20%向上した。

さらに、メール配信のタイミングを機械学習により最適化、顧客のタイミングに合わせることで開封率を高めた例もある。

午前中、午後から夕方、夜など、開封率、閲覧状況、CVによって、配信結果を学習し、次回配信をさらに最適化していく取り組みです。顧客の生活リズムや生活パターンにメール配信を合わせると、開封率が高まることが確認されています

このほかにも、A/Bテストの効率化に機械学習を応用する事例もある。

配信数全体の20%に対してA/Bテストを行い、効果の高いメールを統計モデルから自動判別、残り80%のメールには、効果の高いメールを配信します

これにより、「テスト」「検証」「改善」「実行」というA/BテストのPDCAサイクルが、「テスト+検証+実行」と1サイクルに圧縮でき、「結果として、より多くのサイクルが回せるようになる」効果が得られるのだ。

そして、山田氏がここまで紹介してきた「マーケティングのポイント」を実現するツールが、アクティブコアの「marketing cloud」だ。自社開発、クラウド上で提供されるマーケティングプラットフォームで、「プライベートDMP」「分析」「レコメンド」「マーケティングオートメーション」をオールインワンでパッケージしている。

ツールよりも重要なこと

最後に、山田氏は、ツール導入と併せて「運用のPDCAが大事になる」と強調した。

アクティブコアでは、導入前コンサルティングや、シナリオ作成、評価・改善、導入後メンテナンスなど、単にMAツールの提供だけでなく、お客様に寄り添ったマーケティング支援を行います。データ活用マーケティングに課題、関心のある企業は、ぜひご相談ください

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