【レポート】Web担当者Forumミーティング 2017 Spring

見込み客が自社サイトへ続々やってくる!? リソースが限られた中小企業のMA導入・活用術

サイト訪問ユーザーをスコアリングし、高得点順に営業する方法とは?
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中小企業や小さい組織においては、マーケティングオートメーション(MA)の導入や運用、費用対効果に不安があるものだ。だが、実際にMAを導入して売上を2倍にした企業がある。既存サイトでMAをどのように活用しているのか。MA導入のヒントになりそうだ。

年額10万円Zoho MAで商談3倍、受注増した『人見知り営業』とは? 中小企業でのマーケティングオートメーション成功事例のご紹介」というなかなかセンセーショナルなタイトルの講演が「Web担当者Forum ミーティング 2017 春」で行われた。法人向け業務サポート製品「Zoho」のへビーユーザーであるジーニアスウェブの小園氏と、ゾーホージャパンの松本氏が登壇。ユーザーとベンダーの両方の立場からMA導入・活用術を詳細に解説した。

株式会社ジーニアスウェブ 代表取締役 小園 浩之氏(左)とゾーホージャパン株式会社 Zoho事業部 マネージャー 松本 暁義氏(右)

実際には約7万円? 契約したZohoサービスの内訳

小園氏は2006年にジーニアスウェブを起業して代表取締役に就任。同社はおもにWebサイトの制作を手がけている。

では、講演タイトルの「人見知り」とはどんな意味か? これは小園氏自身のこと。せっかくの海外旅行先で人に会いたくないからYouTubeを4時間見続けるなど、人見知りエピソードは事欠かないという。また、営業成績の不振で務めていた会社をかつて解雇された過去すらあると赤裸々に語った。

しかし代表取締役である以上、営業をしないわけにはいかない。中小企業ゆえにリソースも限られている。そこでZohoのMA製品を活用するに至ったという。

Zohoを開発するのはインドを本拠とするZOHO Corporation。日本国内ではゾーホージャパン株式会社が販売を担当する。製品としてのZohoはおもに中小企業を対象としており、業務効率化に役立つ各種サービスを提供している。

小園氏は、Zoho製品のなかから、次の3つを契約したという。

  • 顧客管理ツール「Zoho CRM」のプロフェッショナルプラン 年額2万8800円(1ユーザー)
  • Webトラッキングツール「Zoho セールスIQ」のベーシックプラン 年額3万2000円
  • メール配信ツール「Zoho キャンペーン」の登録者数0~500人プラン 年額7200円

3つ合わせても実際の出費は10万円を大きく下回る6万8000円(税込でも7万3440円)。他のMA製品と比較してZohoのコストパフォーマンスが高かったことも、選んだ理由のひとつだという。

既存サイトでZohoをどう使う? 導入ヒントあれこれ

小園氏が、Zohoで利用しているのは、次の図にある5つの機能。これらを自社サイトへさまざまなかたちで連携させている。小園氏は実際にとった手順を具体的に紹介した。

1. 見込客獲得

ジーニアスウェブの公式サイトでは、Zoho導入前から「お客様インタビュー」を掲載していたが、閲覧数が多い人気コンテンツだった。そこで、このインタビューを一部公開にとどめ、つづきは「登録してくれた方にPDFで提供します」という方式にした。小園氏は「新しい資料を作るだけの時間もなかったので、単に寸止めにしただけ」と内情を明かすが、結果として登録が集まり、見込み客の名簿を作ることができた。現在は対象コンテンツを「お客様インタビュー」以外にも広げている。

この登録用フォームの作成にはZoho CRMの機能を使った。あわせて、どんなジャンルの資料をダウンロードしたかを判別できるようしておき、潜在ニーズを把握できるようにした。これで氏名・メールアドレス・会社名などから構成される“見込み客名簿”ができあがった

2. メール配信で商談化

つづいて、名簿のユーザーに対してメールを配信していく。この際、カスタマージャーニーの作成にはとくにこだわらなかった。マーケティング業界ではしきりに取り上げられる概念だが、小園氏の場合は前提となるデータがまだまだ薄く、策定にも時間がかかると考え、「単に月1~2回程度メールマガジンを配信してみて、後から考えよう」と結論づけた。

このメールマガジン配信にはZoho キャンペーンを使う。このツールでは送ったメールの開封率も判別できるようになっている。小園氏は次のように話す。

以前は開封率がわからないタイプのツールを使っていたが、開封率がわかると「がんばろう」という気になる

小園氏にとって、開封率はモチベーションの維持にも役立っているという。ちなみに実際のメールの開封率は20%後半~30%前半が多いとのこと。

なお、メールマガジンの送信にあたっては、

  • メルマガ
  • 既存客
  • セミナー(の応募者)
  • 事例集(をダウンロードした人)

などに名簿を分けておく。メールマガジンの中身こそ変えないが、名簿別に出し分けることによって、どのリンクがどのカテゴリーのユーザーに人気だったか(クリック率が高かったか)がわかりやすくなる。

メールマガジンは件名(タイトル)がその開封率を左右すると言われて久しいが、小園氏もZoho キャンペーンのレポートを見て再確認したという。一方で、スマートフォン上でメールを開いているユーザーが想定以上に多いなどの気付きもあった。

3. 「今すぐ」なのか「そのうち」なのか。「ニーズ」がどこにあるか。それを判別し、営業する

名簿とメールマガジンの組み合わせにより、顧客のニーズが浮き彫りになった。しかし営業人員が限られる以上、どこから営業をかけるかは難しい問題でもある。

その対処として、ジーニアスウェブではZoho セールスIQを使い、サイト訪問ユーザーを個人単位で記録した。ページ閲覧数や問い合わせフォーム利用状況に応じてスコアリングして、得点の高い順に、営業をしていこうという考え方だ。

小園氏本人が概要をおおまかに判別できればいいので、配点基準はそれほど複雑にしていない。なお経験上、スコアが低いながらも「今すぐ対応してほしい」という客からはそもそも問い合わせがくる可能性が高いため、あえて行動を起こさないこともあるという。

営業をかけるにあたっては、その客がどんなニーズを抱えているかも重要だ。ここではページの閲覧履歴・滞在時間データが活きる。問い合わせフォーム利用したユーザーが2人いるとして、次のことを追跡できる。

  • そのフォームのページの滞在時間がどちらが長いか
  • 別のページを何種類くらい見たか
  • どんなタイトルの記事を読んだか

結果、ニーズが類推できるというわけだ。

当然、閲覧ページが多くてフォーム滞在時間が長い(時間をかけて入力内容を遂行していると考えられる)場合、そのユーザーが有望客となる可能性は高い。逆に閲覧ページ数が少なくてフォーム滞在時間が短い場合は、フォームで入力内容をコピー&ペーストしていると推察される。

恐らくは相見積もりのために、他のサイトでも似たようなことをしているのだろう。この客に対しては営業の優先度を低くした。ただ、メールマガジンなどは送っているので、何かあればアクションを起こしてくれるだろう(小園氏)

MAで売上2倍!?

Zoho導入を振り返って、小園氏は「売上と社員数がそれぞれ倍になった」と語る。顧客数自体は減少しているものの、これは一部サービスの値上げを行ったため。それ以上に売上が増加、つまり客単価が上昇したという。

ジーニアスウェブではZohoのその他の製品も活用しており、データベース構築の「Zoho クリエーター」を使った業務工数工数の管理アプリを制作。また、ショッピングカート構築ツールの「magento」と連携し、自社サイトで販売した製品の売上情報をZohoへ流し込んでいる。

小園氏は次のようにアドバイスする。

MAといっても、まだ半信半疑の人は多いだろう。ただ年間でも10万円以下なのは大きな魅力だと思う。トレーニングも兼ねて挑戦してみるのがいいのではないか

小園氏につづいて、ゾーホージャパンの松本氏も登壇した。松本氏自身も「人見知り」とのことだが、まず営業の前提として「相手のことがわかっていると話しかけやすい」と説明。具体的には相手の「属性」「興味」の理解が重要で、このうち「興味」についてはWebのアクセス履歴だけで相当な部分が類推できる。

一方で「属性」はアクセス履歴だけでは断定できない。そこでZohoでは、IPアドレスから訪問者の企業情報や所在地を認識できるサービス「どこどこJP」との連携機能を開発中。これによって「属性」も判別可能になるため、ユーザー認識の精度が高まるとしている。たとえば「従業員300名以上のIT企業から訪問があったらマーケティング担当者にメールで通知する」「東京の不動産業からの訪問にはWeb上でチャットを起動する」ことなども可能という。

松本氏は次のように語り、セッションを締めくくった。

こういった機能は人見知りの人だけでなく、誰にとっても便利。営業に向いていない人をアシストできれば営業効率もアップする。中小企業、新規事業部門などさまざまな場所で効果を発揮するのではないか

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