衣袋教授の新・Googleアナリティクス入門講座

GAの複雑なフロー系レポートなんて使わなくていい! ページ経路から課題を発見する2つの方法[第42回]

「経路を見るならフロー系レポート」と解説しているサイトや書籍はたくさんある。しかし「入口からの遷移」と「ナビゲーション サマリー」の2つを使う方がおすすめだ。

今回はどのような順番でページが見られたかという「経路」からWebサイトの課題を発見する方法を解説する。経路分析というと、多くのサイトや書籍で何ステップにもわたる閲覧ページ順のチャートを表示してくれる「フロー系レポート」が紹介されているが、ここではフロー系レポートは使用しない。

Googleアナリティクスには、[行動]>[行動フロー]レポート(図1)に代表される経路分析向けのレポートがいくつか用意されている。

  • [行動]>[行動フロー]レポート
  • [集客]>[ソーシャル]>[ユーザーフロー]レポート
  • [行動]>[イベント]>[イベントフロー]レポート
  • [コンバージョン]>[目標]>[ゴールフロー]レポート
図1:[行動]>[行動フロー]レポート
図1:[行動]>[行動フロー]レポート

これらはデータがユニークに視覚化されているので、見ていて楽しかったり面白かったりするレポートの代表格だと思う。しかし、だからといって施策の改善につながる分析の役に立てられるかというと、それはあまり関係ない。実は筆者はこれらのレポートはほとんど活用しない

筆者がそうする理由は、これら「フロー系」レポートは勝手にページがグルーピングされていたり、上位5経路しか表示されなかったりといったレポートの仕様にかかわる理由もある。しかし、何よりさまざまなページを行きつ戻りつして無限に枝分かれする閲覧経路で、たとえるなら毛細血管の中で詰まっている箇所を言い当てるような能力が筆者にはないからだ。

ここでは、ユーザーの行動をページ経路から分析するにあたって、そうした複雑なフロー系レポートを使うのではなく、シンプルに「ページが見られた順番を分析する」方法を2つ紹介する。

この記事で学べること:
  • ユーザーがページを見た順番からサイトの課題を発見する
  • ランディングページとその次のページを「入口からの遷移」で見る
  • 重要なページの前後を「ナビゲーション サマリー」で見る

ランディングページとその次に見たページを見る

では、どのレポートを見れば「ページ閲覧順」のデータから「課題の発見」につなげていけるのだろうか? 何ステップにもわたる閲覧ページの順番をつなげて見るのは難しいので、シンプルにデータを見ることが重要だ。

第36回の集客分析の回では、「参照元」と「ランディングページ」の組み合わせで見る方法を紹介した。この組み合わせを少しずらして見るのがおすすめだ。どういうことなのか、説明していこう。

「入口からの遷移」タブで次に表示したページを見る

まず[行動]>[サイト コンテンツ]>[ランディング ページ]レポート(図2赤枠部分)で、「入口からの遷移」タブ(図2青枠部分)を選択する。このレポートではランディングページと次のページ閲覧の組み合わせを確認できる。

図2:[行動]>[サイト コンテンツ]>[ランディング ページ]レポート
図2:[行動]>[サイト コンテンツ]>[ランディング ページ]レポート

[入口からの遷移]タブに切り替えると、デフォルトでは図3のようにトップページ( / )がランディングページに選択されている(図3赤枠部分)。ここはプルダウンメニューになっているので他のページを自由に選べる。ランディングページとして量の多い「トップページ」や、前回解説した「直帰率で加重並べ替えをして上位に挙がってきたページ」などを選択すればよいだろう。

図3:[行動]>[サイト コンテンツ]>[ランディング ページ]レポート
図3:[行動]>[サイト コンテンツ]>[ランディング ページ]レポート

ランディングページを選択すると、その次に見たページのリストがその下にリストで表示される(図3青枠部分)。

TOP10以外のページを見たいときは検索機能で絞り込む

リストはセッション数でトップ10しか表示されず一覧性が悪いのが少々残念だが、検索機能(図3緑枠部分)を使えばトップ10以外のページも表示することができる。

たとえば検索ボックスに「writer」と入力して(図4赤枠部分)「Enter」キーを押すと、該当の「ランディングページの次に見たページ」が、検索語と部分一致したページに絞り込まれて表示される(図4青枠部分)。見たいページがある場合はこの機能を使って絞り込もう。

図4:検索してページを絞り込む
図4:検索してページを絞り込む

モチベーションの違いでセグメントを分けて比較する

モチベーションが異なるユーザーの行動は異なるはずだ。ユーザーのタイプを分けて比較したり、絞り込んだりして見ていくために、図4のレポートに、さらにセグメントをかける。代表的なセグメントとしては、次のようなものがある。

  • 新規ユーザーとリピーター
  • パソコンユーザーとスマートフォンユーザー
  • コンバージョンしたユーザーとコンバージョンしなかったユーザー

このような対立軸で利用行動を分けて見るのがよい。なおセグメント機能の使い方は、第30回で解説しているので参考にしてほしい。

図3のレポートの状態に新規ユーザーとリピーターの2つのセグメントを適用したレポートが図5だ。新規ユーザーとリピーターの2つのセグメントで、次のページを閲覧する行動に大きな違いがあることがわかる(図5赤枠部分)。

図5:新規ユーザーとリピーターの2つのセグメントを掛けた
図5:新規ユーザーとリピーターの2つのセグメントを掛けた

ここに表示されているページは、行動が異なるどちらのユーザーにとっても使いやすいトップページになっているだろうか? たとえば次のような発見はないだろうか。

新規ユーザーがよく行く2ページ目へのリンクがファーストビューに見当たらない。それが高い直帰率の理由かもしれない。ファーストビュー内にリンクを設置してみたらどうだろうか?

重要なページの前後の動きを見る「ナビゲーションサマリー」

前述したのはランディングページと次のページ閲覧の組み合わせを見る方法だった。しかし、ランディングページになりにくい役割のページもあるだろう。そうしたページでも同じような分析をすることができないだろうか。

実は特定のページを選択して、その前後の動きを見ることのできるレポートがある。次はそのレポートを紹介しよう。

「ナビゲーション サマリー」タブで前後のページを確認する

[行動]>[サイト コンテンツ]>[すべてのページ]レポート(図6赤枠部分)で、「ナビゲーション サマリー」タブ(図6青枠部分)選択しよう。このレポートでは、任意のページの前後のページ閲覧の組み合わせを確認できる。

図6:[行動]>[サイト コンテンツ]>[すべてのページ]レポート
図6:[行動]>[サイト コンテンツ]>[すべてのページ]レポート

こちらのレポートでも、デフォルトでは基点となるページにトップページ( / )が選択されている(図7赤枠部分)。ここもプルダウンメニューになっているので他のページを自由に選べる。

図7:[行動]>[サイト コンテンツ]>[すべてのページ]レポート
図7:[行動]>[サイト コンテンツ]>[すべてのページ]レポート

「どこを通過したのか」が重要な意味を持つページを見る

Webサイトのタイプによって重要なページはさまざまだと思うが、たとえばeコマースサイトであれば、「どこを通過したのか」が重要な意味を持つページがないだろうか? それらが起点として選択するページの候補になる。次のようなページが考えられるだろう。

  • 企画/特集ページ
  • 商品一覧ページ
  • 商品トップページ
  • 商品詳細ページ
  • カート投入後のページ
  • ログイン後のページ

そして、選択したページの前後に見たページのリストが下の部分に表示される(図7青枠部分)。左側が「選択したページの前にいたページ」で、右側が「選択したページの後にいたページ」という組み合わせで見ることができる。

前後のページがない場合、つまり選択したページがランディングページになった場合と離脱ページになった割合については、表の上部に概要が表示される(図7緑枠部分)。

「ナビゲーション サマリー」は、「ランディング ページ」レポートの「入口からの遷移」と違って、トップ10しか表示されないということもない。上部にある「表示する行数」のプルダウン(図7黒枠部分)を使えば、最大500行を一望できるので不自由することはないだろう。また前後のページの検索機能(図7茶枠部分)もあるので、ピンポイントで特定のページへの前後の移動がどのくらいだったのかを絞り込んで調べることもできる。

セグメントをかけて行動の差から課題を発見する

このレポートでもやはりセグメントをかけて、「購入経験者と非購入経験者」など利用行動を分けて見ることで、問題点の発見や課題解決のヒントがないかを探っていこう。たとえば、次のようなヒントを得られないだろうか。

特集ページは「リピーターがよく使い」「意外なページのリンクから来て」「すぐ商品詳細ページへ移動する」のが太い動線だということが確認できた。実際の特集ページは、前後のページを含めて、その流れを妨げる作りになっていないか?

なお、この「ナビゲーション サマリー」でもランディングページとその次のページを分析することは可能だが、多くの情報が含まれるため手間が必要になる。ランディングページとその次のページの分析、任意のページの分析はそれぞれ別のものとしてレポートを使い分けることをおすすめする。

  • ランディングページとその次のページの分析: 「ランディング ページ」レポートの「入口からの遷移」タブ
  • 任意のページの分析: 「すべてのページ」レポートの「ナビゲーション サマリー」タブ

ヒートマップツールなどとの併用も検討しよう

以上が、ランディング ページの次の閲覧ページと任意のページの前後の動きを上手に活用する話だ。しかし、特定のページに焦点を当ててユーザーのページ利用方法の深い理解をするには、やはりその分析目的に特化したヒートマップツールに分があるだろう。

図8:ヒートマップツールはクリックエリアや熟読エリアなどを分析できる(画像は「ユーザーインサイト」を利用したヒートマップ)
図8:ヒートマップツールはクリックエリアや熟読エリアなどを分析できる(画像は「ユーザーインサイト」を利用したヒートマップ)

Googleアナリティクス以外のツールについて詳しい紹介はしないが、ヒートマップツールを使うと次のような情報をわかりやすく視覚化できる。クリックできない箇所がクリックされていたり、熟読していると思われる箇所を発見できたりするので、具体的なページの改修に役立てられる。

  • ページのどの部分がクリックされたか
  • スクロールはどの程度までされたのか
  • 滞在時間の長かった箇所はどの辺りか
  • よく見ていた部分(マウスが置かれていた位置)はどこか

Googleアナリティクスにも過去「ページ解析」という似たようなレポートが存在していたが、正式なレポートから最近消滅してしまった。ページ間の移動や経路を本格的に分析したいのであれば、ヒートマップツールとあわせて活用することをおすすめしたい。

◇◇◇

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