企業ホームページ運営の心得

SNS時代に求められるリアクション型のWeb担当者

自ら積極的に情報発信することだけが、コミュニケーションの手段ではありません
Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の502

ホームページはもう不要?

Anikei/Thinkstock

Facebookが米国NASDAQ市場に上場した2012年、「これからはホームページやメールアドレスが不要になる。なぜなら、すべてFacebookに集約されるからだ」といった言説が拡散されました。

新しいサービスへの過大な期待は、Web界隈の通例で特筆すべきことではありませんが、今もホームページは健在し、今日もビジネスシーンでは電子メールが飛び交っています。

一方、ホームページのリニューアルの依頼に対して、それを断った上でFacebookの利用をオススメする事例が増えています。まず問うのがこの質問。

ホームページって必要ですか?

今の時代、企業のホームページはあって当然と思うでしょう。しかし、ぶっちゃけていえば、Webのビジネス利用を目的にしながら、ホームページを持て余している中小企業はたくさんあります

ある洋品店の実例

行商から商売を始めて、一代で自社ビルを建てたとある洋品店に若手のWeb担当者がいました。当初、二代目予定として店を手伝っていた長男がWeb担当者を名乗ります。

長男は、大学時代の友人知人のつてを頼りに、某Web系一流企業のエンジニアに「内職」として自社ホームページを作らせます。相応の費用はかかりましたが、「内職」の分だけディスカウントできたと胸を張り、「店長日記」と名づけた外部ブログも開始します。

およそ半年もせず、ブログの更新が1か月間隔になります。さらに半年ほど放置され、年1回の更新もおぼつかなくなったころ、長男はWeb担当者を「辞任」して店を離れます。四六時中、親と一緒の職場に嫌気がさしたこともありますが、Webが商売にまったく結びつかなかったことも理由です。

ビジネスとはなにか

数年後、就職して家を離れていた長女が結婚を機に実家近くへと引っ越し、家業を手伝うようになりました。物心ついたときからあった家業が、父の代だけで終わることの寂しさと、なにより「ネットを使えば商売を大きくできるかも」という、兄と同じ野望を秘めてのことです。そして、ツテを頼って私のところにリニューアル依頼の話がやってきました。

そこで先の「ホームページは必要か」という質問をぶつけます。それは「ビジネスとはなんぞや」「Web担当者の職務とは」という根本からの質問です。

本質はWebじゃない

日本語における「ビジネス」とは、商売や取引の総称といっていいでしょう。基本的には売りたい人と買いたい人、すなわち「人と人」の間で行われます。路面店なら来店、カタログ通販ならカタログと電話やFAX、ネット通販ならホームページという「場」を介しているだけに過ぎません。つまり、ホームページありきという発想は本末転倒なのです。

そしてこちらも根本的な話になりますが、一般論としてのWeb担当者の職務とは、自社の情報を発信し、知名度や売り上げのアップを目指すものといったところでしょうか。昨今は業務範囲が広がっていますが、これを一般企業の非Web業務に振り分ければ、「広報」や「広告」、または「営業」となります。

どれもゼロをイチにするような発想力と創造性が求められ、性格や嗜好による向き不向きも激しいものです。つまり、Web担当とは誰にでもできる業務ではないのです。

ある日、突然、未経験の誰かがWeb担当者となり大成功したというサクセスストーリーは嘘ではありませんが、それは「Webは誰でもできる」ことの証明にはなりません。「広報や広告、そして営業のセンスや経験をあわせ持ちながら、Webだけが未経験だった人」のサクセスストーリーです。ビジネスの素人ではありません。

目指す先は出川哲朗

「出川哲朗?」と聞いて、連載10年を超える本稿が、本サイトの根底を揺るがすかのようですが、そうではありません。SNSとスマホの普及で可能となった「新時代のWeb担当者」があると考えるのです。

長女は長男や社長より、Web担当者に向いており、大化けする可能性があると睨んでいます。しかし、広報・広告・営業に加え、SNSでさえ友だちのインスタを閲覧するぐらいしか経験していない「未経験者」でした。さらに家業についてもほぼ素人。そんな彼女にいきなり、従来型のWeb担当者を期待するのは無理と考えたのです。

そこでまずは「出川哲朗を目指して」とのアドバイスを送り「Facebook」に取り組むことを勧めます。今ブレイク中のタレント出川哲朗さんの持ち味は、状況へ反応する「リアクション」。新しいWeb担当者像をここに見つけます。

リアクション型Web担当者

従来のWeb担当者には積極的な情報発信が求められました。漫才なら「ツッコミ役」であり、バラエティ番組における進行役の「MC」のイメージです。対して、新時代のWeb担当者は「リアクション芸人」。

具体的には、FacebookなどのSNSにおいて、友だちやお客の投稿をチェックし、「いいね!」や「コメント」を寄せるリアクションに徹するのです。また、有名無名を問わず、誰かの発言へのリアクションである「コメント」や「シェア」なら、自ら情報発信する手間と心理的負荷が不要です。

SNSとスマホの普及によって、文字通り誰もが情報発信する時代となったことで、「いいね!」を待っているユーザーは少なくありません。彼らは「いいね!」した相手をチェックする傾向があり「接点」が生まれやすくなっています。

「接点」とは「露出」でもあり、広報や広告と似た効果が期待できます。リアルにおける「飛び込み営業」にも通じます。洋品店の長女には、既存のホームページに「Facebookの掲載枠」を用意して、情報が反映されるようにすればいいとアドバイスします。

ホームページがまったくビジネスに活かされていないなら「芸風」を変えてみることをオススメします。ちなみに知り合いの紹介ということもあり、相談料すら受け取らなかったことは弊社の専務にはいまでも秘密です。

今回のポイント

Webは場に過ぎない

リアクション型Web担当者もあり

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