衣袋教授の新・Googleアナリティクス入門講座

GAで複数の期間をグラフ表示して分析する「王道」パターンを身に付ける[第29回]

GAでは、異なる複数の期間のデータを重ねて比較できる。分析の「王道」ともいえる方法だ。平日と休日の違いやメルマガのアクセスへの影響を分析してみよう。

前回までは主に設定や指標、ディメンションなどの意味について基礎固めをしてきたが、今回からいよいよ「どのようにデータを見て、サイトの改善などに役立てていくのか」について解説していく。皆さんのサイトでも同様の方法でデータを見て、1つでも多くの気付きがあればと思う。

今回は、最も基本となる「日別・時間別のアクセス状況の見方」について解説しよう。これは、これから分析を行うにあたり何度もくり返すことになる基本の操作だ。

この記事で学べること:
  • 曜日別、時間帯別のアクセス状況がわかる
  • メルマガ発行日と非発行日のアクセスの違いがわかる

まずは曜日別の利用パターンを確認する

Googleアナリティクスにログインして最初に表示されるのは、[ユーザー]>[サマリー]レポートだ(図1赤枠部分)。画面の上部に「過去1か月における日別のセッション数」を表す折れ線グラフ(図1青枠部分)が目に飛び込んでくるだろう。

図1:[ユーザー]>[サマリー]レポート
図1:[ユーザー]>[サマリー]レポート

まずは、平日と休日でセッション数に差があるかを見てみよう。仕事に関係する内容のサイトであれば、おそらく平日によく見られ、休日には利用が減少するパターンになっているだろう。

一方、ニュース系のサイトや娯楽色の強いサイトであれば、曜日による訪問数の違いはそれほど大きくないのではないだろうか。もちろん集客が各種広告やメルマガ(メールマガジン)などの施策に大きく依存している場合は、その施策をどんなタイミングで行っているのかによって、利用パターンも大きく変わることになる。それでも、サイトは曜日別に一定の利用パターンがあるのではないだろうか。

図1は筆者の運営するサイトのデータだ。年末年始が挟まっているのでやや傾向は読み取りにくいが、基本的には平日ににぎわいを見せるパターンになっている。Googleアナリティクスにログインするたびにこの折れ線グラフが目に入るので、自分のサイトが、平日と休日、曜日によってどのような利用パターンになっているか、大まかな傾向はつかめるだろう。

次に時間帯別の利用パターンを確認する

次に見るべきなのは、時間帯別の利用パターンだ。平日と休日それぞれについて、時間帯別の利用パターンを確認しよう。メルマガやキャンペーン施策などに依存した大きな変動がなさそうな期間を選ぶのがポイントだ。たとえば連続した木曜日~日曜日までの任意の4日間をカレンダーで選択して(図2赤枠部分)レポートに適用させよう(図2青枠部分)。

図2:連続した木曜日から日曜日までの4日間を指定
図2:連続した木曜日から日曜日までの4日間を指定

図2では、2017年1月12日(木)から1月15日(日)までの4日間を選択している。レポートに表示する日付は、集計対象期間を選択する機能(右上)を使って指定する。

実際はもっとスマートな方法として、「土日とそれ以外」に分けて時間帯別のセッション数を束ねるようなカスタムレポートを作成することもできるが、それは別途カスタムレポートを解説する回にでも紹介したい。

続いて、レポートのグラフ表示部分の右上にある表示単位を「時間別」(図3赤枠部分)に変更しよう。表示単位を「時間別」にすると24時間単位の折れ線グラフ表示に変わるので、時間別に見ることができる。

図3:業務で利用するサイトの時間別利用パターン例(木曜日~日曜日)
図3:業務で利用するサイトの時間別利用パターン例(木曜日~日曜日/図内の曜日名は編集部が追加)

図3は、主に業務で利用するサイトの例だ。平日(今回選択した4日間のうちでは木曜日と金曜日)の日中に利用が集中しているということが見て取れる(図3青枠部分)。つまり、職場から日中に業務用パソコンからこのサイトを利用しているのだと想像できる。ただし、利用規模の小さいサイトだと、日別・時間別に表示してもそれほど明確に時間別の特徴が出ない場合もある。

一方、一般的なニュースサイトやECサイトなどの場合では、曜日別に大きな違いがあることは少ないが、平日と休日で時間別の利用パターンが若干異なることが読み取れることが多い。図4は、一般的な商品を扱っているECサイトの土曜日から火曜日までの連続した4日間の例だ。

図4:一般的なサイトの時間別利用パターン例(土曜日~火曜日)
図4:一般的なサイトの時間別利用パターン例(土曜日~火曜日/図内の曜日名は編集部が追加)

この図4の折れ線グラフを見て、平日と休日の利用パターンの特徴を指摘するとすれば、次のようになる。

  • サイトの利用時間は共通して夜にピークがある
  • 休日(折れ線グラフ左半分の土日)は平日より利用パターンが比較的フラットである
  • 平日(折れ線グラフ右半分の月火)は昼の12時台(図4赤矢印部分)に日中の利用の小さなピークが現れる

では、3つ目の「平日の昼のピーク(図4赤矢印部分)」は利用者がどのような状況で利用しているのかを想像できるだろうか?

おそらく会社の昼休みの間に職場のパソコンから利用しているか、あるいは外に出てスマートフォンでこのサイトを利用しているということだろう。

平日と休日のグラフを比較して利用者の環境や気持ちの違いを想像する

ここまで読み込んだら、問題意識に応じてもう少し細かく突っ込んでみていこう。たとえば典型的な平日と休日を重ね合わせることで、その違いを鮮明にして見ることができる。図5は1月13日(金)と1月14日(土)を比較して見るようにする日付の設定だ。期間の[比較]をクリックしてチェックマークを付けると、並べて表示する期間を設定するためのボックスが表示される。

図5:金曜日と土曜日を比較する指定
図5:金曜日と土曜日を比較する指定

この日付指定を適用した結果のグラフが図6だ。ここでは、オレンジの折れ線(図6赤矢印)が土曜日で、青の折れ線(図6青矢印)が金曜日を表している。

図6:一般的なサイトの時間別利用パターン例(金曜日と土曜日)
図6:一般的なサイトの時間別利用パターン例(金曜日と土曜日)

見るべきポイントは、朝方の立ち上がりの時間、正午の時間帯、夜の利用時間のピークといった部分だ。なぜなら、それは「サイト利用者が、いつどういう環境で、どのような気持ちでサイトを見ているのか」を想像するためのヒントになるからだ。

図6の例は図4と同じECサイトだが、より平日と休日の傾向の違いがはっきり読み取れる。オレンジの折れ線の土曜日は、朝の8時くらいからアクセスが発生し始め、夜まで切れ目なく一定以上の利用が続いている。つまり、「朝起きてすぐスマートフォンなどで真っ先にサイトを見にくる人も多数いる」ということなのだろう。

そして、青の折れ線の金曜日は昼の12時に小さなピークがあるので、これは「職場などから昼休みの間に利用している」ということだろう。そして夜のピークが20時から始まっているので、帰宅して夕食も終えた時間帯の20時から23時までの自由時間にサイトを利用していると想像できる。自宅でくつろぎながら、さまざまな機器から、場合によってはテレビを見たりしながらサイトを併用しているのかもしれない。なお、このあたりの想像を裏付けする見方は、次回紹介するつもりだ。

メルマガの発行日と非発行日を比較してサイト誘導への効果を測る

時間帯別や日別の利用パターン比較は、このように普段の傾向の違いを比較することに使えるが、別の使い方もできる。たとえばメルマガ発行日とメルマガ非発行日を比較することで、メルマガによるサイト利用の量的な効果や効果の持続時間を計ることができる。

図7は、メルマガ発行日をオレンジ色の折れ線で表示し、それ以外の日を青色の折れ線で表示したものだ。

図7:メルマガ発行曜日とそれ以外の日の時間帯別利用パターン例
図7:メルマガ発行曜日とそれ以外の日の時間帯別利用パターン例

この差(図7赤枠部分)を見る限りでは、「メルマガによるサイトへの誘導の量的効果はそれなりにあるが、効果はせいぜい数時間以内」ということが読み取れる。いかがだろうか。このように、ユーザーの利用実態を踏まえてメルマガを発行する曜日や時間の設定を行っているだろうか?

◇◇◇

ここでは単純な利用パターンの比較分析を紹介したが、このように「普段の状態同士を比較する(パターンの違いを浮き彫りにする)」方法と、「普段の状態と何かを行ったときの状態を比較する(変化を測る)」方法の2種類の目的で使うことができる。

「スマートフォンが急激に普及した」といった大きな変化がない限り、ユーザーの利用パターンはそれほど変化しないので、この利用パターンの確認は半年か年に一度くらいでよいだろう。まずはこのようなシンプルな利用実態調査から始めてみよう。

今回は日別や時間帯別で利用パターンを比較してみたが、これを月別に今年と昨年を比較すれば、季節変動パターンの有無の分析にも応用できる。また、今回使った指標はセッション数だけだが、コンバージョン数(目標完了数・第20回で解説)で傾向を見てみるとまた違う様相を呈するかもしれない。そうしたやり方で横展開して活用することも考えてみよう。

◇◇◇

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