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オーガニックランキングとソーシャルシェアの本当の関係とは(前編:仮説と検証)

ソーシャルメディアにおけるシグナルは、SEOにおけるオーガニック検索の順位決定に影響するのか、するとすればどの程度なのか
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この記事の内容はすべて筆者自身の見解であり(ありそうもないことだが、筆者が催眠状態にある場合を除く)、Mozの見解を反映しているとは限らない。

ソーシャルメディアにおけるシグナルは、SEOにおけるオーガニック検索の順位決定に影響するのか、するとすればどの程度なのか――この問題が、SEO界でここ6年間ほど、大変な憶測や論争、混乱を呼んでいる。

ソーシャルエンゲージメントはオーガニックな検索順位に影響するのか?
[影響はする。しかし、考えられているような形ではない!]

グーグルが検索アルゴリズムでソーシャルシェアの件数を直接用いているわけではないとしても、シェアの多さとオーガニックな検索順位が相関している理由について、何か別の説明がなければならない。

この記事ではまさにその点を調査していく。

ソーシャルシェアは順位決定に影響するのか?

ソーシャルシェアと検索順位との関係は、2010年当時から認識されていた。しかし、検索順位とソーシャルシグナルを関連付けようという試みは、いささか、いたちごっことなっている。

SEOに少しでも携わったことがあれば、検索順位が上位の記事はソーシャルシェアの数も多い傾向があることはおそらく気づいていることだろう。

そういった記事を「ユニコーン」と呼ぶ。サイトにとんでもない量のトラフィックをもたらす不思議な大人気コンテンツだ。こうしたエリート「ユニコーン」であるコンテンツは、そうではないコンテンツ(こちらはロバだ)の10倍から1000倍以上にもなる好結果をもたらす。

検索順位の高い投稿がきまってシェアの数も多いのはなぜなのだろうか。この明らかな相関の原因は、いったい何なのだろうか。

こう仮定してみよう
これまでやってきたことはすべて間違っている

SEO担当者のなかには、次のように考えていたものもいた。

グーグルは、リンクと同じように(ウェイトは同じではないとしても)何らかの形でソーシャルシェアの数をアルゴリズムに取り入れている

ソーシャルシェアは、Mozの「検索順位決定要因2015年版」で、小さな要因としてではあるが取り上げられている。

常に論争はあるものの、ページが積み上げてきたソーシャルシェアの数は検索順位と正の相関を示す傾向がある。

グーグルがアルゴリズムにソーシャルシェアの数を直接には用いてはいないと強く確信できる根拠があるとはいえ、ソーシャルシェアの成功を通じてSEOにもたらされる副次的なメリットはたくさんある

確かに、グーグルはアルゴリズムにソーシャルシェアの数を直接用いていないのだと、強く確信できる根拠は存在する。グーグルがそう断言しているのだ。

それも、一度ではない。繰り返しきっぱりとだ。

グーグルは、フェイスブックやツイッターといったソーシャルメディアのシェア数を、直接的な順位決定要因としては用いていない

重要なのはシェア数ではなく、エンゲージメントでは?

こうした重要な問題に答えを出すには新しいアプローチが必要だ。注目しているソーシャル指標が間違っているのだろう。単なるソーシャルシェアの総数ではなく、ソーシャルエンゲージメント率を見るべきなのかもしれない。

アップデートを見たユニークビジター総数のうち、ソーシャルメディアでクリックやシェアをした人の割合はどれくらいだろうか。

ソーシャルエンゲージメント率=(投稿にエンゲージメントしたユニークビジターの総数)÷(投稿を見たユニークビジターの総数)

おそらく関係があるとするなら、エンゲージメント率が非常に高いソーシャル投稿(つまり、シェアの件数が多い投稿)は、オーガニック検索の結果ページでクリックスルー率(CTR)が平均を超えているコンテンツだということなのかもしれない。

当然シェア数は高いし、こういう投稿がオーガニックの検索で上位に表示される傾向があるのは周知のとおりだ。

しかし、この理論はどうやれば検証できるのだろうか。

相関関係に関する驚愕の新研究:ソーシャルエンゲージメント、オーガニック検索のCTR、そして検索順位

驚愕の思いつきとはこうだ。

「ソーシャルエンゲージメント率」と「オーガニック検索のCTR(正規化は行う)」を1000ページ分比較したらどうだろうか。

これまでの研究は、表向きのシェア数にしか目を向けていない。しかし、シェア数はボットなどの要因による影響を受けやすい。それに、ソーシャルメディアは実際にコンテンツを読むことなくシェアする人が多いことが研究でわかっている。

だから、「シェア数」ではなく「エンゲージメント率」に着目したのだ。

調査手順は次のようにした。

  1. Facebook Insightsから投稿のエンゲージメントのデータをダウンロードした(シェアとエンゲージメントのデータ)。

  2. Google Search Consoleからクエリデータをダウンロードした(CTRと検索順位のデータ)。

  3. このデータを突き合わせた。これは少し難しかった。フェイスブックでもグーグルでもリンク先URLは入手できなかったので、専用のプログラムを組む必要があった。

注意:検索のCTRは順位に基づいて正規化する必要がある。平均順位が高いものが、低いものよりもCTRが高いのは明らかだ。そこで僕は自作の「ロバ検知アルゴリズム」を使って、順位から予想されるCTRを算出し、実際のCTRがその予想に比べてどうなのかを判断した。

結果:オーガニック検索のCTRとフェイスブック投稿のエンゲージメントには関係がみられるようだ

以下の結果から、ソーシャル投稿のエンゲージメントの高さ(低さ)とオーガニック検索のCTRの高さ(低さ)にはかなり強い結び付きがあると考えられる。

検索CTRの相対値とフェイスブックのエンゲージメント率の関係
フェイスブックのエンゲージメント率が高い(低い)=
オーガニックCTRが高い(低い)
検索CTRの相対値(100%=予想CTR)
フェイスブック投稿のエンゲージメント率

ここでは、検索CTRの相対値が100%というのは、オーガニックの検索順位による検索CTRの予想値をキーワードやページが達成したことを意味する。「検索順位による検索CTRの予想値」とは、「検索1位なら○%、検索2位なら△%程度のCTRであるはず」というものだ。

この検索CTRの相対値が200%ならば、その検索順位における予想CTR値の2倍であり、50%は予想値の半分であることを示す。

わかったのは、エンゲージメント率が非常に高い(6~13%)フェイスブック投稿は、同時にオーガニック検索のCTRが予想値を上回る傾向があるということだ。

これはなぜだろうか。導き出される理論は、次のようなものだ。

人々にシェアしたいという気持ちを起こさせる心の動きと、検索結果ページでリンクをクリックさせたくなる心の動きは同じものであり、CTRが飛び抜けて高い見出しについて特にこれが言える。

ユニコーンコンテンツでは相関がひときわ強かった。R2乗値が0.5を優に超えている(外れ値を多く排除するほどモデルは強固なものになる)。ソーシャルのエンゲージメント率が高い(低い)ユニコーンは、ほぼ必ずオーガニック検索のCTRも高く(低く)なった。

ロバコンテンツの相関は著しく弱かった。R2乗値はおよそ0.1から0.4とかなりばらつきがある。エンゲージメント率は、あるものは高く、あるものは低かった。CTRも同様で、高かったり低かったりだった。

このように、この調査では、ソーシャルエンゲージメント率の高さ(低さ)とCTRの高さ(低さ)がどのように相関しているかが示されている。

実のところ、論点は、ソーシャルシェアがオーガニック検索の順位決定に関わっているかとか、オーガニック検索の順位がソーシャルシェアに関わっているかという点にあるのではない。

コンテンツがどのようにエンゲージメントを集めているのかという問題なのだ。

まったく鳥肌ものだよ。見ろよ!!

この記事は、前後編の2回に分けてお届けする。前編では、ソーシャルエンゲージメント率とオーガニック検索のCTRに強い相関関係があることがわかった。
後編となる次回は、このような相関関係をもたらしている要因について考察する。→後編を読む

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