衣袋教授の新・Googleアナリティクス入門講座

そのページにはいくらの価値がある? 「ページの価値」を活用して改善点を見つけよう[第21回]

ページごとの「金銭価値」を測れるのが「ページの価値」だ。とても便利な指標だが、その計算方法や使い方にはいくつか注意点がある。

今回紹介するのは、各ページの閲覧がコンバージョンにどれだけ金額的に寄与したのかを評価できる「ページの価値」だ。

前回の記事では「コンバージョン数」と「コンバージョン率」について解説した。コンバージョンの達成に対して金額価値を付与することで、ページごとに「このページはいくら」ときめ細かく成果を評価することができるようになる。

ページの価値とは何か、金額価値はどう計算されるのか。順に解説していこう。

この記事で学べること:
  • 「ページの価値」が算出されるように準備する
  • 「ページの価値」の具体的な活用法がわかる

「ページの価値」は金額で表示される

「ページの価値」という指標は、各ページの閲覧を金額で評価したものだ。まずは、どのように表示されるのかを見てみよう。「ページの価値」指標は、[行動]>[サイト コンテンツ]>[すべてのページ]レポート(図1赤枠部分)で表示される。

図1:[行動]>[サイト コンテンツ]>[すべてのページ]レポート
図1:[行動]>[サイト コンテンツ]>[すべてのページ]レポート

「ページの価値」は、このレポートの一番右側の列にある。サイト全体の「ページの価値」と(図2赤枠部分)、各ページ別の「ページの価値」が確認できる(図2青枠部分)。ただし、ページの価値は目標に設定した「値」をもとに計算されるので、目標に値が設定されていないと金額は表示されない。「値」の設定については後述する。

図2:[行動]>[サイト コンテンツ]>[すべてのページ]レポート
図2:[行動]>[サイト コンテンツ]>[すべてのページ]レポート

「ページの価値」の計算方法を知ろう

「ページの価値」は、基本的にはページ別に見るべき指標で、計算式は次のとおりだ。

ページの価値(ページ別の指標のとき) = 目標値の合計 ÷ ページ別訪問数

該当ページを経由した訪問(セッション)でコンバージョンが発生したとしよう。そのコンバージョンの合計目標値(eコマースの収益+すべての目標値の合計)を、該当ページのページ別訪問数で割った値が「ページの価値」だ。目標値とページ別訪問数の意味は、次のとおりだ。詳しくはこれまでの記事で解説している。

逆にいえば、「ページ別訪問数×ページの価値」が、そのページを通って達成された合計目標値になる。また計算の特性上、目標(コンバージョン)に近いページになるほど「ページの価値」の値は高くなる

たとえば次の2つのセッションがあったとする。ここで、ページAのページの価値がどう算出されるかを説明しよう。

セッションX:ページAページBページAページC(コンバージョン、目標値1,000円) セッションY:ページAページD

ページAを経由した2つのセッションで発生した合計目標値は、セッションXの1,000円だ。そして、ページ別訪問数はセッション内で重複してカウントされないので、ページAのページ別訪問数の合計は2となる。よって、ページAのページの価値は次のように計算される。

ページAのページの価値 = 1,000円 ÷ 2 = 500円

同様にしてページBのページの価値は、セッションXがページB経由でコンバージョン1,000円を発生させたので分子が1,000円、ページBのページ別訪問数は合計で1なので分母は1となり、ページBのページの価値は1,000円÷1ページ別訪問数=1,000円となる。ページCも同様だ。

ページBのページの価値 = 1,000円 ÷ 1 = 1,000円 ページCのページの価値 = 1,000円 ÷ 1 = 1,000円

ページDはコンバージョンが発生しなかったセッションYの閲覧ページなので分子の目標値は0円、ページDのページ別訪問数は合計で1なので分母は1となり、次のようになる。

ページDのページの価値 = 0円 ÷ 1 = 0円

このように、コンバージョンに至ったセッションのすべてのページに目標値が加算されることになる。各ページのページの価値は、該当ページの1ページ閲覧が生み出す金額価値といえる。

一方、サイト全体の指標の方は、各ページの「ページの価値」の加重平均値となっている(図2赤枠部分)。計算式は以下のとおりだ。

ページの価値(サイト全体の指標のとき) =  (各ページのページ別訪問数×各ページのページの価値)の合計 ÷  各ページのページ別訪問数の合計

「ページの価値」を利用するための準備

「ページの価値」を利用するためには、目標(コンバージョン)の設定のオプションの項目である「値」を設定しておく必要がある。

具体的な設定方法については、第6回の記事を参照してほしいが、ここでも簡単に紹介しておく。「管理」画面のビューの設定項目(図3赤枠部分)の「目標」(図3青枠部分)から目標を登録できる。

図3:「管理」画面
図3:「管理」画面

その設定の中で、「値」の機能をオンにして(図4赤枠部分)、1回のコンバージョンの金額を入力しておく(図4青枠部分)。この設定をしていないと「ページの価値」は0(ゼロ)と表示されてしまう。

図4:「目標」画面
図4:「目標」画面

「値」をどのように指定するのがよいかについても、第6回の記事を参照してほしい。この欄には金額を入力することになるのだが、どういった金額を入れればよいかの考え方を示している。ここで補足するなら、複数の目標を設定している場合の注意点だ。

複数の目標を設定している場合、その相対的な価値の違いは考慮しておこう。目標の正確なコンバージョン値をしにくい場合に「1,000円」などきりのいい金額を設定することがある。しかし、たとえば目標Aと目標Bの達成価値が5倍程度違うと考えられるのであれば、目標Aの「値」が1,000円なら目標Bの「値」は5,000円と設定しよう。ページの値は、目標が複数ある場合その「値」を加重平均で計算するので、相対的な価値の違いは有効にしておかないといけない。

また、この「値」の金額を日本円で入力するには(図4緑枠部分)、「管理」画面の「ビュー設定」(図3緑枠部分)から「通貨」を「日本円(JPY ¥)」にしておく必要がある(図5青枠部分)。

図5:「ビュー設定」画面
図5:「ビュー設定」画面

「ページの価値」はどうやって活用すればいい?

では、実際にこの「ページの価値」をどのように活用したらよいのだろう。前述したように、指標の計算の特性上、目標(コンバージョン)に近いページになるほど「ページの価値」の値は高くなる

たとえばeコマースサイトであれば、「ページの価値」の値は購入完了ページが最も高く、次は購入プロセスであるショッピングカートのページなどが高くなる。そのため目標達成までが遠い「トップページ」とコンバージョン直前のカート周りのページを比較しても意味はない。「カート周りのページが格段に価値が高い」という当たり前の結果からは何も生まれない。

それでは、どのように活用したらよいのだろうか。「ページの価値」を比較するときは、同じレベル(階層)のコンテンツや同種のコンテンツ間で、目標達成に対する相対的な評価をするのがよいだろう。

これに加えて、少し別の見方を紹介する。あらためて[行動]>[サイト コンテンツ]>[すべてのページ]レポートを見てみよう(図6)。

図6:[行動]>[サイト コンテンツ]>[すべてのページ]レポート
図6:[行動]>[サイト コンテンツ]>[すべてのページ]レポート

[すべてのページ]レポートは、標準ではページビュー数が多い順に並んでいる。検索エンジン最適化が進んでいるサイトであれば、深い階層のページからいきなりユーザーの閲覧が始まることもあるだろうが、一般的にはトップページなどの階層の浅いページが入り口になっているのではないだろうか。

そうしたサイトであれば、トップページなどは誰でも見るコンバージョンからは一番遠い存在なので、ページの価値が低くても問題ない。そしてページビューが少なくなるにつれて、コンバージョンに近づくのでページの価値が高くなっていくのが一般的だ。

そこで、その普通の傾向から外れているページを探すのだ。図6の例ですぐ目につくのが、ページビュー数で第3位にあるページの「ページの価値」だ。上位の中で際立って低い(図6赤枠部分)ことがわかる。

このページの別の指標を眺めていくと、ページビュー数と閲覧開始数がほぼ同じで直帰率も高い(図6青枠部分)ページであることがわかる。このことから、このページは次のページ閲覧を誘導する力が足りない問題点があるということがわかる。そして「このページへはどの参照元から来たのか?」といった追い方をして「なぜ?」をくり返していけば、その理由がはっきりしてくるだろう。それに対応した施策を考えればよい。

もう1点利用上の注意点を挙げておく。この「ページの価値」がたとえゼロであっても、「そのページが存在している意味がまったくない」などと短絡的に考えないでいただきたい。ページの価値はあくまでも「コンバージョンしたセッションにおける直接的なページ閲覧価値」であって、「コンバージョンしなかった検討期間中にページを見た」といった間接的なページ閲覧価値は含まれないからだ。各ページの役割を加味した見方も必要になるわけだ。

一方、サイト全体の指標の方は深追いする必要はないだろう。他のサイトと絶対値を比較するといった用途はあるかもしれないが、それでも各サイトの特徴を確認する程度にしか利用できないからだ。

◇◇◇

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