初代編集長ブログ―安田英久

リード獲得セミナーを他社と共催するなら話し合っておきたい3つのポイント

リード獲得をがんばるのも結構ですが、「個人情報」「責任」「タイトル」あたりには注意しましょう
Web担のなかの人

今日は、企業がリード獲得のために実施する「共催セミナー」に関して、注意すべき3つのポイントを。「個人情報」「責任」「タイトル」です。けっこう意識してないところが多そうです。

リード獲得のためのセミナー共催、多いですよね。

リードを増やしたりナーチャリングしたりしたいけど、自社の保有メールアドレスだけに告知していてもリストが枯れていくし、自社セミナーをWebで告知しても、必ずしもたくさん参加者が集まるとは限らない。

そこで、「競合ではないが、同じような層をターゲットしている他社」と組んでセミナーを開催し、お互いのリーチを使って集客するという、ある意味「自社開催セミナーの相互リンク」といいますか、「リードのシェア」といいますか。

いや、それ自体はいいことだと思うのですが、どうも気になる点が3つあります。

  • 個人情報取り扱い規定を共催全社ぶん表示しましょうよ
  • 共催って責任が発生しますけど、事前にネゴってますか?
  • タイトル、もうちょい工夫しませんか?

それぞれ解説してきます。

個人情報取り扱い規定を共催全社ぶん表示しましょうよ

一番気になるのがこの点です。

3社共催なのに、申し込みフォームを設置した企業の個人情報取り扱い規定しか示してないという。

リード獲得セミナーなんですよね? セミナーに参加した人の個人情報を、そのあとのマーケティング活動で使うんですよね?

んじゃ、個人情報を受け取る前に、その個人情報を扱う企業のプライバシーポリシーなりを全部示さないとまずいですよね?

もちろん、申し込み時の個人情報はフォーム設置企業が扱って受付で利用し、マーケティング目的の個人情報は会場配布のアンケートなどでという場合もあるでしょう。

でも、それならそう示しましょうよ。「何も考えずにフォーム設置企業のいつもの個人情報保護規定を出してるだけ」のところと区別つきませんよ。

共催って責任が発生しますけど、事前にネゴってますか?

これは、ほとんどの場合は関係ないのですが、実は非常に重要なポイント。

もし会場で事故が発生したときや、セキュリティ事故で個人情報漏洩などの問題が発生したとき、さらには、内容が事前の告知と違いすぎて大きなクレームになったときや、スピーカーのだれかが法律的に間違いがある内容を話し、それが原因で参加者側に問題が生じたなどなどに、どこが責任をとるのかの問題です。

「主催+協力」と「共催」では、まったく責任の度合いが変わってきます。

通常、われわれがセミナーイベントなどを主催するときは、必ず避難経路などを確認し、セミナー開催中に不測の事態が起きたときの対応などを準備しています。

それでも万が一何かあったときには責任をとるのは主催者ですから、そこは覚悟しています。

では、共催セミナーの各社で、そういう責任者を設置したり、有事の際の責任協議について事前に話したりしてますか?

まさか、「個人情報漏洩があったら、フォーム設置会社の責任」なんてことにはしないですよね?

「大事にはならないだろう」と思っていても、大川小の津波避難訴訟のような、大人の事情で大惨事になるといった問題が発生しないとも限りませんよ。

「共催」とは「共同開催」ですから、責任は共催全社にあります。しっかりと胸に刻んでセミナーに望みましょう。

タイトル、もうちょい工夫しませんか?

まぁ、大きな問題じゃないんですが、共催セミナーって、各社の得意とすること・言いたいことを並べただけの、統一性のないキーワード重視のタイトルになりがちなんですよね。で、長くなりがち。

こう、セミナータイトルを見ていても「うちはリード獲得したいです!」感しか見えてこないのが、散見されます。

たとえば「CMS+DAM」とか「MA+CRM+A/Bテスト」とかだと、わかるんですよ。関連性ありますからね。

でもね、「セキュリティ・CRM・リスティング広告の最前線」(架空のタイトルです)って、その3つのトピックが1つのセミナーイベントとして開催されることに、何かストーリーとか意味あるんですかね?

「リードを獲得するために他社と協力」ってのは主催側の都合です。そうではなく、参加者に対して「このセミナーはこういう意味をもつので、あなたが参加するといいよ」というメッセージとかストーリーとか、見せましょうよ。

ちなみに、Web担の春秋セミナーイベントでも、あまり総合メッセージを出さなくなってますが、そこは基調講演の顔ぶれとか内容とかがメッセージになってます。はい。

◇◇◇

メディア企業としては、共催セミナーばかり増えるのもアレなんですが、それはそれ。やる以上は、ちゃんとやって、参加者さんに問題なく良い体験をしてもらうようにしていきましょう。

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