【レポート】サーチエクスペリエンスコンファレンス2016

リスティング広告とSEOの連携で生み出すコンバージョンとロイヤリティの幸せな旅

マイクロモーメント時代の検索エンジンマーケティング
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リスティング広告とSEO。同じ検索エンジンマーケティングだが、一方はコンバージョンを目的とした広告の出稿管理で、一方はサイト流入の増加を目的としたコンテンツの改善と、その狙いと内容は大きく異なる。大きなマーケティング組織ではそれぞれ担当者も異なり、分業体制によって相互理解が進んでいないケースも少なくないのではないだろうか。

しかし、同じ検索エンジンで生まれる検索クエリをターゲットにして見込み顧客へのリーチを生み出し、エンゲージメントを構築していくという点においては、相互に協働して効果を生み出していくという発想も重要だ。

このほど開催された「サーチエクスペリエンス コンファレンス 2016」の特別講演「点から線、やがては円へ ―SEOとPPCの共存の道は続く」では、アユダンテの寳氏と村山氏の2人が、それぞれリスティング広告とSEOという異なる検索エンジンマーケティングの立場から、その共通項と組織として今後あるべき姿について語った。

寳 洋平氏村山 祐介氏
アユダンテ株式会社 SEMコンサルタント 寳 洋平氏(左)と
SEOコンサルタント 村山 佑介氏

マイクロモーメントの時代に求められる企業と顧客の関係作り

スマートフォンが多くの人に普及し、ユーザーの検索行動は大きく転換した。「知りたい」「買いたい」「何かがしたい」とユーザーが想起した瞬間にモバイル検索とアクションが生まれる“マイクロモーメントの時代”になり、企業はこうした一瞬のチャンスをいかに捉えるかが求められるようになった。

一方で企業のマーケティングは一瞬の関係を積み重ねながらカスタマージャーニーを構築し、やがてロイヤルカスタマーを生み出していくという中長期的な関係作りが重要になった。

企業はユーザーの「知る」「考える」「買う」という様々な瞬間に応じてコンテンツという“扉”を用意し、それらの“点”を積み重ねることでカスタマージャーニーという“線”を生み出し、やがてそこからカスタマージャーニーを繰り返す“円=ループ”に導くことでロイヤルカスタマーを醸成していくのだ。

これからの検索エンジンマーケティングにおいては、“この一瞬がすべてを決定づける”という気構えが必要になってくる(寳氏)。

この“点”、“線”、“円”という3つのアプローチにおいて、リスティング広告とSEOでどのような施策が有効なのかを列挙すると、それぞれの施策が専門的でお互いの共通項など見当たらないように思えてくる。しかし村山氏と寳氏は対話を重ねるうちに、リスティング広告とSEOは深いところで共通項が見えてきたのだという。その共通項とは何かが、この講演のテーマだ。

“サイトを整える”というアプローチがリスティング広告とSEOにもたらすもの

まずは、「知る」「考える」「買う」というそれぞれのポイントにおける“点”のアプローチについて、SEOを担当する村山氏が説明した。

ユーザーに生まれる一瞬のニーズ=点を捉えるためには、Webサイトの構造が整理されていることが重要なのでないか

と村山氏は語り、このウェブサイトを整えることこそがSEOの役割ではないかと説明。具体的には、検索ニーズを踏まえたうえで、現状のコンテンツを見直したり、不足しているコンテンツを追加して最適化したり、そのコンテンツにユーザーが適切にたどり着けるよう導線を見直したりするのだという。

ユーザーのニーズに対して、コンテンツが不足しているケース
ニーズを踏まえ、コンテンツ最適化や導線見直しで、Webサイトを整えた場合

そのためには、大規模なサイトのリニューアルや検索ニーズに合わせたデータベースの大規模な改修、膨大なデータの見直しなどの作業が求められる場合が多いとのこと。検索エンジンからの流入はサイト内の大部分のページに及ぶ。そのため、ニーズの高い検索キーワードへの対応と、それぞれのページの構造を検索エンジンからの流入やクローラーの巡回に最適化することが重要なのだ。

アユダンテのSEOでは、まずサイト構造の全体を設計し、検索ニーズを調査したうえでカテゴリーを設計。それらのカテゴリーを円滑に遷移できるようにページ内の導線を整備し、それらを適切な技術で実装していくという形で進めている。

顧客ごとに異なるニーズを見抜き、すべては検索結果ページからの流入であることを意識することが重要だ(村山氏)。

全ては検索結果ページからの流入

このSEOにおける“サイトを整える”というアプローチは、リスティング広告においても成功のしやすさに繋がると、リスティング広告を担当する寳氏は語る。

SEOが適切に行われているサイトほど、リスティング広告でも成功しやすい

寳氏は、これまでキャンペーン単位でまとめていたリスティング広告のアカウントをWebサイトのディレクトリ構造に合わせたシンプルなものにすることで、管理の効率化や有益な統計分析に繋がるという、Googleが提唱する「HAGAKURE」の考え方を紹介。適切なSEOでサイトを整えることが、この「HAGAKURE」の考え方とリンクすると指摘した。

アカウント構造の考え方(HAGAKURE)
アカウント構造の考え方(HAGAKURE)

また、Googleのクローラーが取得したコンテンツのデータに基づいて、ユーザーの検索キーワードに応じた広告を自動的に生成して表示させるAdWordsの動的検索広告や、商品データをフィードしてユーザーの興味関心に応じてダイナミックに商品の広告を表示させるデータフィード型広告などに言及した。

SEOの“サイトを整える”、“データベースを見直す”というアプローチが効果を発揮する点を挙げ、この“整える”という発想から検索エンジンマーケティングを推進することが、リスティング広告とSEOに共通して重要だと語った。

コンバージョンというゴールを目指して、“点”を繋ぐ

続いて、ユーザーが知り、考え、購入するというそれぞれの“点”を繋いでカスタマージャーニーを形成する“線”のアプローチについて、村山氏がSEOの立場から語った。

“線” のアプローチとはつまり、サイトを整えることでユーザーとサイトの間で生まれた“点”をどのように繋げていくかということだ。村山氏は、商材によって点のつなぎ方が異なる点を説明したうえで、次のように語った。

さまざまな条件で商品を検索する多品サイトの場合、検索頻度の多さから生まれる“点”は多く、前述のSEO施策が効果を発揮する。

一方で、特定のジャンルの商品を取り扱う単品サイトでは商材検索によって生まれる点は少数であっても、ユーザーが課題解決のために検索するクエリによって生まれる“点”は非常に多く、コンテンツマーケティングが有効となる。

こうした“点”の異なる性質を理解した上で線として繋げることが重要

では具体的に、“点”と“点”を線で繋げるとはどういうことなのか。ユーザーは商品を購入するまでに、何度もサイトを訪問する。自然検索で読み物コンテンツに接触したり、商品情報を閲覧したり、データフィード広告やリターゲティング広告で来訪する場合もある。こうしたユーザー体験を重ねることで“点”が“線”となり、ユーザーへの購入へと繋がっていくのだ。

ユーザーの検索に対して応えるコンテンツを提供できず、“点”を生み出すことができなければ、“線”も生み出せない(村山氏)。

加えて、コンバージョンにとって重要なのは、コンバージョンを生み出したページだけではなく、それをアシストするページであると村山氏は指摘。たとえば一見して購入に結び付きそうにない読み物ページが最終コンバージョンをアシストしている場合もあるとして、次のように語った。

コンバージョンに至るまでどのように“点”が繋がっているかを可視化することが重要だ

これを受けて、寳氏はWord Streamの創設者・CTOで、米国で大きな影響力を持つマーケター、Larry Kim氏が提唱する「コンテンツリマーケティング」という考え方を説明。

これは、有益なコンテンツを提供することでそれに接触した来訪者の再訪を促進し、有望な顧客を生み出していくというもので、コンテンツを作り拡散させ、訪問者の属性や行動から将来の顧客として有望なユーザーを絞り込み、広告を出して質の高いリードや売上を獲得するという、まさに“点”と“点”を線で繋げるアプローチだ。

このうち、ユーザーの絞り込みによる有望なユーザーへの広告アプローチは、Googleアナリティクスで実現できる。また、仮説に基づいてコンテンツ接触のステップを設定して対象となるユーザーを絞り込むというアプローチも、Googleアナリティクスのシーケンス機能が大いに役立つという。

リスティング広告とSEOの共通項は、線を繋いでゴールを決めるということ。線を繋ぐだけではなく、コンバージョンに向けてユーザーを導いていくというアプローチは、リスティング広告とSEOで共通だ(寳氏)。

商品購入後の顧客体験をSEOとリスティング広告が連携して生み出す

続いて村山氏、寳氏が説明したのは、“円”のアプローチ。これは、商品を購入した顧客に再び商品を購入してもらうためのアプローチだ。顧客が末永く商品の購入を続ける“ロイヤリティループ”を生み出すためには、商品購入後の顧客体験が大きなカギを握る

では、この“ロイヤリティループ”を生み出すために、Webサイトでは何ができるのか。

村山氏は、商品を購入したユーザーが疑問を確実に解決することができるQ&Aページが重要だと指摘。ユーザーは商品購入後もその商品の使い方やトラブルシューティングのためにWeb検索を使うのであり、その検索ニーズに対しても細かく的確にコンテンツを提供していくことが、顧客満足に繋がるのだ。加えて、このスキームからユーザーがどのような課題を検索しているのかを把握することができれば、Webサイトの導線改善や商品開発へとフィードバックすることも可能だ。

また、Googleアナリティクスの指標を活用したリマーケティング広告をアシストするためにも、SEOサイドでカスタムディメンション(購入回数など)、カスタム指標(累積購入金額)、データインポート(会員データ)などをGoogleアナリティクスに連携できる仕組みをサイト内にあらかじめ実装しておくことも、CRMを推進するために重要だと村山氏は説明。

これを受けて、寳氏は商品購入回数、購入金額などの指標を基に顧客ランクを設定してリマーケティングリストを作成し、ロイヤルカスタマーに対して特別なオファーを提案する「お得意様リマーケティング」を紹介。SEOサイドでCRMを実施するための様々なデータ連携を実装することで、広告サイドで実現できるリマーケティングの幅が大きく広がるのだ。

寳氏は次のように締めくくった。

“円”のアプローチにおけるリスティング広告とSEOの共通項は、顧客に対して終わりのない愛を注ぐこと。“点”、“線”、“円”という3つのアプローチでリスティング広告とSEOが連携すれば、さまざまな局面に対応できる“レジリエンス(回復力)”が組織に生まれる。お互いを認め合い連携することで、しなやかで強い組織が作れるのではないか

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