【レポート】カスタマーエクスペリエンスコンファレンス2016

Webサイトは「カタログ」から「マーケティングツール」へ ~最新のCXM運用法とは~

ユーザーごと、訪問ごと、デバイスごとに適切な情報を提供
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誰がアクセスしても同じ情報を提供するカタログ型のWebサイトの時代は終わった。カスタマーエクスペリエンスを最適化することで、Webサイトは強力なマーケティングツールへと変貌する。必要なステップは、まず相手が誰か知ること、そしてユーザーごと、訪問回数ごと、デバイスごとに適切な情報を提供することだ。そのためのツールがカスタマーエクスペリエンスマネージメントである。

神野純孝氏
株式会社ジゾン 製品開発本部
本部長 神野純孝氏

ジゾンの「HeartCore CXM」は、さまざまなデータ連係やAIを使ったマーケターのサポートを実現する。株式会社ジゾンの神野氏が、「カスタマーエクスペリエンス コンファレンス 2016」で「Webサイトは『カタログ』から『マーケティングツール』へ ~最新のCXM運用法とは~」と題し事例を紹介した。

相手の状況を知って最適化する

かつてWebサイトは、誰がいつ見ても同じ情報が載っているカタログ的な存在だった。それがここ数年で、ひとりひとりに合ったコンテンツをダイナミックに見せるマーケティングツールへと変貌している。それを、日本風に「おもてなし」と表現することもできるだろう。

そのためにまず必要なのは、誰が来ているか把握することだ。アクセスしているのがどのような人で、何を求めているかがわかれば、相手が欲しいものを見せることができる。それを実現するのがカスタマー・エクスペリエンス・マネージメント、CXMツールである。

まずは相手が「誰」かを知ること

アクセスしてきた人を知る方法はいくつかある。たとえばIPアドレスからは、B2Bならその企業の名称や規模、所在地や代表者名がわかる。B2Cのサービスでも、どこからアクセスしているかは分かるので、相手を知る一助になるだろう。

たとえばIPアドレスから

あるいはDMPを利用する方法もある。DMPにはプライベートとパブリックがあるが、リターゲティング広告に使うパブリックDMPを使えば、その人がどのようなサイトを見たのか、どのような商品が欲しいと思っているのかを知ることができる。

たとえば各種DMPのデータから

ソーシャルメディアを使うと、さらに多くのことがわかる。セッションでは旅行代理店のサイトを例にとって具体的にどのようなことがわかるか紹介された。

最初の訪問では、アクセスしてきた人がどこの誰だかわからないが、サイト内のどのコンテンツを見たかで興味の分野はだんだん分かってくる。

また、サイト内にあるFacebookの「いいね!」ボタンを押すと、データが連係されて性別・年齢・居住地・友人関係までわかるようになるというものだ。

相手が誰だかわかれば、相手に応じてコンテンツを出し分けることが可能になる。具体的には、以下のようなケースが考えられる。

1. 特定したユーザーに対して、ユーザーの属性から最適な情報を提供

これまでは、誰がアクセスしても同じ情報が提供されていたが、人によって欲しい情報が違う場合は、ユーザー属性に合わせて動的にコンテンツを出し分ける。

ユーザー情報でユーザーごとに最適化

2. 特定したユーザーに対して、ユーザーの行動履歴から最適な情報を提供

最初にアクセスしたときと、10回目にアクセスしたときでは、同じ人でも欲しい情報は変わってくる。いつでも同じ情報を提供するのではなく、回数に応じたコンテンツを表示する。

行動履歴に合わせて最適化

3. アクセスするデバイスに対して情報をセレクトして提供

PC向けのページをスマホで見ると小さくて見にくいため、スマホ向けデザインやレスポンシブデザインを採用しているという企業もあるが、それだけでは十分ではない。

たとえばホテルの予約ページの場合、PCで見ている人は一週間後の予約をしているが、スマホで見ている人は今日の宿を探しているというように、欲しい情報は違うと考えられる。

ホテルのサイトでは、いつどの部屋が空いているかという空室リストはPC向けには必要だが、スマホ向けにはその日の予約がすぐできるようになっているほうが、ユーザーにとってはありがたいということだ。

このように、ユーザーの状況を考えてプライオリティや情報量を変える必要がある。

スコアリングを使ったリードナーチャリング

スコアリングを使ったリードナーチャリングは、特にB2Bで効果がわかりやすい。まず、アクセスしてきた「ユーザー」とアクセスする「ページ」に点数を付け、そのユーザーがどの程度有望な見込み客かを判断する。

たとえば、決裁権のある管理職がアクセスした場合は「+50」、一般のスタッフがアクセスした場合「+10」というスコアをつける。学生がアクセスした場合は、就職活動でアクセスしてきたなど、購入するとは考えられないので「-50」とする。ページには、申し込みフォームから申し込んだら「+20」、価格表を見たら「+10」などのようなスコアをつける。

スコアを累計して、閾値を越えたら「ホットなお客様」と判断し、営業担当に引き継ぐという考え方だ。これは、もちろんB2Cでも利用できる。

CXMによるリードナーチャリング

また、スコアによってランディングページを変えるのも、一般的なマーケティングオートメーションの手法だ。ここで重要なのは、データに頼りすぎないことである。Webサイトのデータは、「何を買ったか」はわかるが、「なぜ買ったのか」まではわからない。また、データだけで判断すると、常識的にあり得ないことが導き出されてしまうこともある。

たとえば、家電量販店のECサイトで冷蔵庫を買った場合に、「右開きの冷蔵庫を買った人には、左開きの冷蔵庫もお勧め」といったおかしなレコメンドが出てしまう。これは、店舗の接客ではありえないことだ。担当者の経験と知識を加味できるかどうかが、CXMツールの善し悪しを決める。昨今はAIブームだが、本当のAIとは人間の判断と同等レベルの判断を下せるもののことを言う。

パーソナライズの重要なポイント

「HeartCore CXM」の特長

デジタルマーケティングの第一人者である、早稲田大学商学部学術院教授の恩藏直人氏は、デジタルマーケティングが盛んになった理由として、以下の4つのキーワードを挙げている。

  • 時間

    複数の顧客の個別状況に対応したコミュニケーションを同時に実行できる

  • 分析精度・粒度

    情報の量と質が向上し、個別の顧客に対する精微なマーケティング施策と評価が可能になる

  • 感情

    膨大で正確なデータの活用で、購買履歴につながる感情の数値化と分析が可能になる

  • 顧客体験

    顧客接点が増加しており、それぞれのコンタクトポイント情報を活用することで、顧客が満足する商品やサービスを提供できる

また、以下のような動きも、CXMの市場拡大を後押ししている。

  • デジタルトランスフォーメーション(第3のプラットフォーム)の出現
  • プロダクトファースト → カスタマーファースト
  • Webを分析する → 顧客を理解する
  • マルチチャネル → オムニチャネル
  • コンテンツを量産 → 文脈を持ってコンテンツを作成、設計、提供
  • 効率的 → 効果的

これらを前提に、「すでに起こった未来を探す」流れになっている。たとえば、

  • 10年後の成人式のマーケットは10年前に生まれた子供の数
  • 子供が生まれておむつのSサイズを買った人は、半年たったらMサイズ、一年後にはLサイズを買う

のように、過去に起きたことを見ることで未来がわかるのだ。

神野純孝氏
CXMツールでWebサイトをマーケティングツール化しよう

CXMのツールは、CMSやCRM、マーケティングオートメーションの分野から、さまざまなベンダーが参入している。

ジゾンの「HeartCore CXM」はCMSがルーツのCXMツールで、Webのアクセス情報のほか、各種DMPや社内の会員データや購買データなどと連係し、ユーザーを特定することができる。ユーザーを特定したら同じような属性を持つセグメントを作り、コンテンツを出し分ける。元々がCMSなので、「HeartCore CXM」はWebサイトのデータをすべて持っている。

CMS以外から参入したツールの場合は、画像をひとつ差し替えるだけでも二度手間になることがあるが、「HeartCore CXM」はJavaScriptやスタイルシートを含めてパーソナライズが可能だ。また、A/Bテストの機能もある。

一般的に、パーソナライズやA/BテストはJavaScriptで実現する。このとき、多くのマーケティングオートメーションツールはクライアント側で処理するため、知識があればJavaScriptの改ざんが可能だ。しかし「HeartCore CXM」は、サーバ側でコントロールするため、ハッキングは非常に困難になっている。また、最近は必要性が減ってはいるが、クライアント側のデバイスを選ばないためフィーチャーフォンにも対応できる。

さらに、「HeartCore CXM」は機械学習型AIエンジン(PredictionIO)を搭載している。機械学習型とディープラーニング型を組み合わせた予知型AIエンジンとして利用することで、セグメントの自動化やパーソナライズの全自動化が可能になり、マーケターは複雑な設定から解放されて本来の業務に集中できるようになる。

このようにCXMツールを使えば、Webサイトをマーケティングツール化できるのだ。もはやWebサイトをつくって見せて終わりという時代ではないのだ。

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