企業担当者に聞くFacebook&Twitter運用の現場

突っ込みどころのあるキャラクターがソーシャルメディアの「愛され」キャラになる/アメージング

広報やゲームキャラクターが目的ごとに使い分けて運用
企業担当者に聞くFacebook&Twitter運用

ソーシャルメディアとスマホゲームのプロモーションは相性が良い。どのメーカーも必ずといっていいほど利用しているが、広報的なお知らせにとどめたり、ゲームのキャラクターが積極的にコミュニケーションしたり、その運用方針はさまざま。

スマホゲームの開発・運営、ゲームエンジンの貸出、受託開発などを行うアメージングも、会社の公式アカウント、ゲームタイトル別のアカウントなど、複数のアカウントを使い分けている。

「アプリごとの基準を設けているので運用で悩むことはない」という同社のソーシャルメディアを担当する村本 シュウイチ氏に話をうかがった。

アメージングが運用する主なソーシャルメディアアカウント

キャラクターと広報が文脈にあわせて情報発信

――運用しているアカウントについて教えて下さい。

株式会社アメージング
受託開発部 部長
村本 シュウイチ 氏

1つは、会社の公式アカウントとして運用している「あめこ☆電子の妖精(@Amajor6)」です。こちらは、キャラクターが広報担当として情報をツイートしています。コンサルタントと一緒に運用しています。

その他に、ゲームタイトル別のTwitterアカウントがあり、そのうちの1つである「【公式】ビーナスイレブンびびっど!(@Venus11Vivid)」を運用しています。このアカウントは私と広報スタッフ1名と、よりゲーム寄りのアナウンス(メンテ情報など)をするゲームの運営担当者をあわせた3名で運用しています。

「ビーナスイレブンびびっど!」の場合は、お知らせやイベント告知、ニコニコ動画の生放送配信のお知らせなどを広報スタッフがツイートしています。日常的なツイートについては、私の双子の弟である「ドスちゃん」がツイートしているという設定です。

謎(?)の覆面広報がお知らせをすることも

公式Facebookページ(@Amajor6.amazing)は、ゲームの紹介をしています。こちらは、コンテンツ紹介サイトの「Amajor6」のコンテンツの一部としてWebサイトに表示するように連携しており、少しかしこまった感じの投稿になっています。

――どのような人をターゲットに運用されていますか。

ビーナスイレブンびびっど!の場合は、美少女が好きな人ですね。ユーザーは男性が多いです。

――運用はいつから開始されましたか。

当初はビーナスイレブンびびっど!の事前登録の案内が目的だったので、アカウントを作成したのは2015年2月くらいです。ゲームの事前登録は3月からの予定でしたが、リリースが秋にずれたこともあり、本格的に運用を開始したのは2015年9月以降です。

アカウントを立ち上げたときは、事前登録の問い合わせ対応などをしていました。リリース後は、ゲームのお知らせやイベント告知のみで、雑談することは予定していませんでしたが、せっかくキャラを作ったのだから、サポートに投げるほどではないことに対して「簡単な質問に答えられるような窓口として運用」していくことになりました。

また、アプリがダウンしてしまったときでも、ゲームに依存しない場所でお知らせやサポートをするのも公式アカウントの重要な役割です。

社内の投稿ルールをもとに各アカウントを運営

――運用にあたってガイドラインは作成しましたか。

ビーナスイレブンびびっど!のアカウントについては、ガイドラインはありませんが、基本的には社内のプライバシーポリシーに準拠して運用しています。私が創業メンバーということもありますし、私が判断して投稿しています。

ガイドラインほどではないですが、投稿のルールはあります。たとえば、運営からのお知らせであれば“【運営】”、キャンペーンであれば“【キャンペーン】”と冒頭に入れるなど、明示的に示しています。何もついていないのが、日常的なツイートという感じですね。

あとは、@でお問い合わせなどがあれば、一営業日以内に返信しています。日常的なツイートについては、属人的な運用のほうがお客さんも楽しめると思うので、愛嬌でのり切ろうと思って運用しています。

一方で、会社のアカウントである「あめこ」については、キャラクター設定、話し方なども含めてきっちりと決めて運用しています。キャラクターはサーバーに住んでいる電子の妖精なので、難しい質問はわからないから「スタッフに聞くですの」というようなキャラクターの口調で正式なサポートに誘導しています。

――社内でのソーシャルメディアの位置付はどのようなものですか。

会社全体で積極的にソーシャルメディアを使っていこうとしているわけではありません。ただし、事業の性質柄、運用していないと会社やアプリが動いていないように見えてしまいます。TwitterやFacebookは、エンドユーザーに向けて発信を継続しなければなりません。

FacebookやTwitterには継続した情報発信の役割もある

公式アカウントがあえて覆面(匿名性)をまとう

――ユーザーのコメントでは、ゲームについての具体的な企画や改善案などが寄せられていますね。最後に「がんばってください」などとついているものもあって、応援されているのを感じました。

そうですね、不満を言うだけなら誰でもできるので、あえてこちらから「どんなふうになるといいと思いますか?」というように聞くことがあります。また、設定として、日常会話をツイートするドスちゃんは頑張り屋だけど「そそっかしい」という前提があるので、成立しているコミュニケーションだと思います。

ドスちゃんが覆面をかぶっているのにも、キャラクター設定としての意味があります。公式アカウントとユーザーのやり取りというのは、公式アカウントの正体はわかっていても、ユーザーの正体はわからないという非対称性がありますよね。

だからあえて、本来ユーザーからは見えているはずの企業アカウントに覆面を被せ、ネット上の匿名性を象徴したんです。「君だけが匿名でいられるわけではないぞ」という社会的なテーマがあるんです。

――覆面が匿名性の象徴で、公式アカウントがあえて匿名を演じているわけですね。

といっても、正体は隠していることにはなっていますが、「会社のまあまあエライ人がやっている」ということはちょっと調べればわかります。着ぐるみではない生身の人間なので難しさはありますが、それも含めて出来事を楽しんでもらいたいですね。

ニコニコ動画で次の情報をいち早く配信

――ニコニコ動画はゲームアプリと相性が良いイメージがあります。どんな放送をしていますか。

コアユーザーのために、ゲームの情報をいち早くお知らせしています。たとえば、新しいゲーム内イベントが開催されたタイミングで次のイベント情報をお知らせするというように、さらに先を行く情報を配信しています。そうすると、情報を知ったファンの方が、Twitterなどのコミュニティで「次はこうなるらしいよ」というように広めてくれるんです。

その放送が終わった後に「非公式放送」というのをやっていて、こちらはドスちゃんが生放送で雑談しながら、ゲームの実況をしたりするコンテンツです。

もともと私はアーケードゲームが好きでこの業界に入ったんですが、うまい人のプレイを見ていると自分もやりたくなりますよね。そういうきっかけをつくる意味で、公式放送の後のおまけのような感じでゆるくやっています。

――Twitterでの動画の投稿はいかがですか。

Twitterの公式アプリだと動画が自動再生されるため、「通信容量を使ってしまう」「月末になると帯域制限になってしまう」という声があります。あくまで主役はゲームなので、Twitterの投稿をリッチにしたせいでゲームができなくなったら本末転倒です。動画を直接Twitterにアップロードするのは避けています。

ネットの出来事はネット上のことですが、ゲームは自分の体験になるもの。その構造を理解したうえで、Twitterは活用したいですね。

安心してキャンペーンに参加してもらうためのプレスリリース

――比較的若い世代のターゲットが多いように思いますが、ネット上のコミュニケーションの特徴などはありますか。

ゲームユーザーは10代と30代がボリュームゾーンになっています。若い世代もいるのですが、ネットの世界のコミュニケーションでは年齢などは特に意識しないですね。自分たちが若かった頃と比べても、コミュニケーションの手段が変わったくらいで、本質的には変わっていないと思います。ネット用語になじんでいるかどうか、とかのほうが大きいかもしれませんね。

1つ特徴的なことをあげるなら、自分たちの発信が「閉じられていると思っている」ことでしょうか。ゲームの話題をツイートしている人に話しかけると、「公式から話しかけられた、怖い」といって鍵をかけられてしまうこともあります。ツールとして日常に溶け込みすぎているので、誰でも見えていることを認識していないのかもしれません。

――公式アカウントから積極的に話しかけていくこともあるんですね。

はい。ほめてくれている人がいたら「励みになります」と返したり、悪口を言われていたとしても「いいね」したりしていますね。「見ていますよ」というサインを送って、それをきっかけにフォローしていくこともあります。

公式アカウントはフォローやリツイートなどに積極的

――フォロワーを増やすための施策はしていますか。

リツイートキャンペーンでフォロワーを増やしています。ゲームをやっていない人にリーチするために、ゲームに登場する声優さんをリツイートキャンペーンのテーマにして、声優さんのファンに知ってもらうというような施策です。

キャンペーンを実施するときは、必ずプレスリリースを同時に配信しています。インチキだと思われないように、きちんとしたソースを用意しておくのです。というのも、当選結果はダイレクトメッセージで通知していますが、不審がられることがあるからです。プライバシーポリシーや公式のアナウンスがあると安心してもらえますね。

キャンペーンと同時にプレスリリースを配信して
ユーザーが安心して参加できるよう公式アナウンスしています

運用ツール導入の決め手はDMの一斉配信

――Twitterの広告は活用していますか。

フォロワー増加のための広告は出していませんが、アプリインストールのための広告は出稿しています。ただ、広告費全体で見るとTwitterの広告配信はROAS(広告費用対効果)が特別に良いわけではありません。アドネットワークの広告配信のほうが好調なので、広告はそちらを中心に配信しています。

Facebook広告の拡張配信については、Facebookと美少女ゲームの相性を探っているところで、現在は慎重です。美少女ゲームも認知を得てきましたが、リアルの知人には見せたくないという人もまだまだ多いですからね。

――効果測定の指標はどのように設定していますか。

現在は、ブランディングなどのミッションはないため、特には定めていません。情報を配信し続けることで、フォロワーも自然に増えていくと思っています。

ただ、むやみにフォロワーを増やしても意味がないので、フォローするユーザーの質を厳選していて、アニメやゲームのことを話題にしている人をフォロー、フォローバックしていますね。

――ツールで運用しているようですが導入の決め手は。

つぶやきデスク」導入の決め手は、Twitterのダイレクトメッセージ(DM)を一括送信できることです。キャンペーンの当選通知には必須の機能でした。

また、予約投稿をする際に、大量の投稿内容をCSVで登録して一括アップロードできる機能もとても役立っています。予約投稿は、Googleのスプレットシートで投稿内容を管理して、承認後に一括登録しています。

また、複数人でアカウントの運用をしていますので、OAuth認証でそれぞれのアカウントでログインして投稿できるのも便利ですね。

「煽り耐性」が公式アカウントには必要

――運用していて悩むことはありますか。

アプリごとにプロモーションやコンテンツの方向性の基準があるので、運用で悩むことはないですね。

たとえば、「キズナストライカー(@KZN_striker)」というアプリでは、ゲームの中にサッカー部顧問のオカマのキャラクターがいて、そのキャラクターがゲームの紹介をするというようにしています。ソーシャルなどのお客さんと接する場所で、誰がコミュニケーションを担うのがふさわしいかを基準に決めています。

企業アカウントの「あめこ」は、コンサルタントと一緒に運用していますが、人力で投稿している部分と、予約投稿とを組み合わせています。広報として出すべき情報はリストで共有して定型化していますが、コミュニケーションにつながるFacebookとTwitterの投稿は人間味が感じられる方がいいので、人手の部分が必要だからです。

私たちは、人の心に残ることを仕事にするというのを会社のキーワードにしているので、ソーシャルメディアでも大事にしていきたいですね。

人の心に残る仕事をソーシャルメディアでも大事にしていきたい

――他の運用者に向けてアドバイスはありますか。

炎上したツイートは消さないことです。間違った情報は「消します」と言って消すべきですけれども、そうでないツイートの場合は消さないほうがいいですね。針のむしろはせいぜい4日もすれば終わりますから。

慣れていないとつい反論してしまったりすることもありますが、その場の勢いで反論するのは危ないですね。イラッとしたら、いったんお茶を飲んで落ち着くのがおすすめです。

Twitterは属人的な方がおもしろいことが言えるので、ユーザーとの間に信頼を積み重ね「この人だったら許す」というようなところまでいけるのが理想ですね。

――今後やっていきたい施策などはありますか。

Twitterはゲームとの相性がいいので、引き続きコミュニケーションの中心にしていきたいです。しかし、トレンドが変わることもあるので、お客さんにリーチできる新しいコミュニケーションツールがあれば、そちらも試していきたいですね。

この記事が役に立ったらシェア!
tweet27はてなブックマークに追加
みんなが読んでるWeb担メルマガで、あなたも最新情報をチェック
  • SEOやアクセス解析のなどノウハウをゲット
  • 事例やインタビューも見逃さない
  • 要チェックのセミナー情報も届く
  • 編集長コラムを一足先に読める

日本赤十字社 東日本大震災 義援金募集
みんなが読んでるWeb担メルマガで、あなたも最新情報をチェック
  • SEOやアクセス解析のなどノウハウをゲット
  • 事例やインタビューも見逃さない
  • 要チェックのセミナー情報も届く
  • 編集長コラムを一足先に読める

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

CTA
CTAは「Call To Action」の略。日本語の意味としては「行動喚起」と ... →用語集へ

連載/特集コーナーから探す

インフォメーション

Web担のメルマガを購読しませんか?
Web担の記事がコンパクトに毎週届くメールマガジン「Web担ウィークリー」は、10万人が読んでいる人気メルマガ。忙しいあなたの情報収集力をアップさせる強い味方で、お得な情報もいち早く入手できます。

Web担に広告を掲載しませんか?
購読者数10万人のメールマガジン広告をはじめとする広告サービスで、御社の認知向上やセミナー集客を強力にお手伝いいたします。

サイトマップ
RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]

GOLD SPONSOR
さくらインターネット株式会社株式会社KDDI ウェブコミュニケーションズ株式会社日本レジストリサービスオープンテキスト株式会社トランスコスモス株式会社株式会社ハイパーボックスDomain Keeper株式会社ブレインパッド
SPONSOR
株式会社キノトロープ株式会社アイレップ株式会社ニューズ・ツー・ユーシックス・アパート株式会社ウェブアンテナ株式会社サイバーエージェント富士通株式会社Sitecore