企業ホームページ運営の心得

客の声はやっぱり正しい。客の声で重大ミスを回避

間違いなどないという思い込みを捨て、フラットに客の声に耳を傾けます
Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の468

適当なことばかり

Yuri Checcucci/Hemera/Thinkstock

8月最初の日曜日。義父母が私たち夫婦の結婚記念日を祝ってくれるということから、ともに訪れたステーキハウス。

ホームページで確認した営業時間は午前11時から。5分前に到着し、クルマのなかで開店を待っていると、初老の男性が近づき、土日祝日は12時開店だと告げます。オーナーのようです。Webで確認したと答えると、オーナーは「(ネットは)適当に書かれている」と溜息まじりに吐き捨てます。

私自身が店名をドメインに持つ「公式サイト」をスマホで確認しており、確信はありましたが、断定的なオーナーの口調に見落としがあったのかもしれないと不安になり、さらにその場にいた誰一人として「スマホ」を持っていないため確認もできません。なお、私は休日、モバイル端末をモバイルしません。

しかし、結果として適当なことを書いていたのはオーナーの方です。彼は「客の声」の大切さを再確認させてくれた反面教師でした。

誰も知らない真実

昨年の6月にリニューアルしていたステーキハウスのホームページ。レスポンシブウェブデザイン(RWD)で構築されたページのフッター部には、はっきりと「営業時間:午前11時~」と表示されています。つまり、オーナーはもちろん、スタッフの誰一人としてリニューアルしたサイトを見ていないということです。

Web担当者(発注者)のミスか、制作を請け負った業者の間違いかはわかりませんが、公開された情報に責任を負うのは店側です。サイトを更新した際は必ず隅々まで確認し、可能であればダブルチェック、トリプルチェックをかけなければなりません。

それにしてもゾッとする話です。営業時間という重要情報が、1年以上も間違ったまま放置されているのです(現在進行形)。その間、「公式サイト」の情報を信じて土日祝日の午前11時に店に足を運んだものの、暗い店内に営業していないと判断し、そのまま立ち去ったお客は数多いことでしょう。

そのお客らは「(開店時間に)いい加減な店」と呆れるか、「潰れてた」と感想を抱きます。わざわざお金を掛けて、店の評判を落とし続けているリニューアルです。

間違いなどないという思い込み

これだけでも論外な話ですが、私がもっとも呆れたのは「客の声」に対する店の態度です。

開店前だと知り去ろうとすると、オーナーが「できるだけ早く準備する。個室に案内するので、しばらく待ってもらえないか」と引き留めます。そして、水すら出されない個室で40分ほど待たされた果てに、接客担当のリーダーらしき女性がやってきてこう言い放ちます。

ウチ、12時から営業なんですよね

字面は丁寧語ですが、イントネーションはタメ口、いやケンカ腰。なぜ、11時に来店したのか、ネットの何を見たのか、といった問いかけなどなく、「余計な仕事を増やしやがって」と言わんばかりのイヤミが繰り返されます。

このとき、私がスマホを持ち合わせており、その場で確認できたならイヤミを甘受せずに済んだのでしょうが、それでよかったのかもしれません。客の声にイヤミで応えるような店にアドバイスを贈らずに済んだのですから。

客の声に助けられる

かく言う私も「定休日」を間違えたことがあります。そして客の声に助けられました。

私自身が「Web担当者」を務める人気焼肉店が、毎月第3水曜日を休みにすることにしました。文章による告知とともに、自作の営業カレンダーのプログラムに「毎月3回目の水曜日を休みと表示」との命令を書き加えます。

数日後、「お客さんからホームページの定休日を間違えていると言われた」と店から電話があります。Webの表示とプログラムを確認して「間違えていない」と答え電話を切ります。なにより新しい店休日を知るものは、私も含めた店の関係者だけ。お客が知るわけない……と思い込んでいたのですが、これも間違い。

現場の心得違い

自分たちの方が、お客より店を「知っている」とは「現場の心得違い」です。むしろ、店や商品のファンであり、そこに身銭を切るお客の方が、より詳細なチェックをしていることは多々あるのです。これも「客の声」を疎かにしてはならない理由の1つです。

だからか「客の声」が気になり、その日の内に店に足を運び「毎月3回目の水曜日ですよね?」と確認すると、店長は「いや、(ウチは)3回目の月曜日のある週の水曜日」と厨房の脇にひっそりと掲示されている「新定休日」が書き込まれたカレンダーを指さし答えます。脳内で「聞いてないよ」とダチョウ倶楽部が叫びつつも、即座に訂正、改修したのは言うまでもありません。

教えてくれたお客は、厨房脇のカレンダーまでチェックしていたのです。もし、間違ったままの店休日を公開し続けたなら、莫大な損失は避けられず、金銭補償はともかく、大切な信用は地に堕ちたことでしょう。救ってくれたのは「客の声」です。

フラットな気持ちで接する

制作者サイドにとって「間違い」の指摘は、落ち度と直結し「否定」の感情と連結しますが、「客の声」からのそれは「応援」のケースも多く、フラットな気持で接するべきと考えます。応援する気持ちがないお客が、間違いを見つけても「スルー」していくからです。

リアルの店舗はもちろん、ネットからも、首をかしげる質問やコメント=客の声が寄せられることがあります。見当違いと思っても、自社サイトはもちろん、各種クチコミサイトやSNSに当該箇所がないかを確認すべきです。そしてそこに、本当に「適当な情報」を見つけたなら、しっかりと対応するのが現代のWeb担当者の職務。次回はそのための「Web多面展開=マルチポストの時代」について。

ちなみにオーナーが「適当」と表現した、各種クチコミサイトには正しい営業時間が掲載されていました。間違えていたのは店のホームページと、そこからコピペしたと思われるコンテンツのみ。適当な情報を発信しているのは、誰でもないステーキハウス側だったのです。

今回のポイント

見当違いに思えても、客の声には耳をかたむける

不思議に思える客の行動にも、何か理由がある……ことが多い

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