衣袋教授の新・Googleアナリティクス入門講座

ディメンションと指標の違い|Googleアナリティクスでの意味とは?

Google Analytics(GA)でのディメンションと指標の違いをキャプチャー付きでわかりやすく解説していきます。またプライマリディメンション、セカンダリディメンションの違いなど定義がわかりづらい用語も理解できるようになる記事です。

今回は、Googleアナリティクスの基本を学ぶにあたって前提となる用語「指標」と「ディメンション」を説明する。指標は何となくわかっても、ディメンションは説明しにくいのではないだろうか? 実はディメンションもそれほど難しいものではない。ここでしっかりと意味を押さえておこう。

ひと言で表すなら、「○○別に××を見る」場合、「○○」にあたるのがディメンションで、××にあたるのが指標となる。これから、詳しく解説していこう。

この記事で学べること:
  • 「指標」と「ディメンション」の意味を知る
  • プライマリディメンションとセカンダリディメンションの使い方を知る

「指標」は何かを数えた数値や計算結果のこと

まずはわかりやすい「指標」から説明する。Googleアナリティクスにログインしてビューを選択すると、最初に表示されるのは[ユーザー]>[サマリー]レポートだ(図1)。

標準で過去31日間の日付が選択され(図1赤枠部分)、グラフの下に次の数値が表示されている(図1青枠部分)。これらが過去31日間のサイト全体の指標だ。

  • セッション(何回訪問があったか)
  • ユーザー(何人が訪問したか)
  • ページビュー数(何ページビュー見られたか)
  • ページ/セッション(1訪問あたりの平均ページビュー数)
  • 平均セッション時間(1訪問あたりの平均滞在時間)
  • 直帰率(1ページしか見なかった訪問の割合)

つまり、「指標」とは、何かの数を数えた数値や時間、あるいは「○○率」のような計算結果の数値のことだ。さまざまなものを数えたり、計算式で算出したりするので、Webサイトの状態をいろいろな評価軸の計数で表現したものととらえることができる。

なお、各指標については別途解説するので、ここで詳しくは触れない。

図1:[ユーザー]>[サマリー]レポート(上部)
図1:[ユーザー]>[サマリー]レポート(上部)

「ディメンション」は「○○別に見る」という分析軸のこと

次は「ディメンション」だ。ディメンションは、「○○別に見る」という分析軸を示すものだと考えよう。

実際は、次のように指標と組み合わせて「○○(ディメンション)別に××(指標)を見る」のように使う。つまり、「ディメンション」は、分析軸のことだ。

  • 「ページ(URL)」別に、「ページビュー数」を見る
  • 「ランディングページ(閲覧開始ページ)」別に、「直帰率」を見る
  • 「検索エンジン」別に、「訪問数(セッション)」を見る

上記の3つの例では、「ページ」「ランディングページ」「検索エンジン」がディメンションに該当する。

実は図1で見た[ユーザー]>[サマリー]レポート画面の下部は、まさにこの「○○(ディメンション)別に××(指標)を見る」形式になっている(図2)。画面を下にスクロールして見てみよう。

図2:[ユーザー]>[サマリー]レポート(下部)
図2:[ユーザー]>[サマリー]レポート(下部)

デフォルトではディメンションに「言語」が選択されており(図2赤枠部分)、その右側には「言語(ディメンション)別にセッション(訪問回数の指標)を見る」形式でセッション数が表示されている(図2青枠部分)。

左側の列に表示されているその他の項目は、すべて「ディメンション」の項目だ(図2緑枠部分)。たとえば「国」は「国別に見る」ためのディメンション、「ブラウザ」は「利用ブラウザ別に見る」ためのディメンションといった具合になる。

頻繁に見る一覧表形式ではどうなっているか?

ここまでの説明で指標とディメンションの基本は理解できたと思うが、十分にGoogleアナリティクスを活用するために、もう少し例を挙げて解説していこう。

Googleアナリティクスのレポートで最も頻繁に目にするのは、上部に折れ線グラフがあり、下部に一覧表があるパターンだ。上部のグラフはわかりやすいが、下部の一覧表は難しくてよくわからないという人もいるのではないだろうか? しかし、心配はいらない。「指標」と「ディメンション」がわかれば、一覧表の内容もスムーズに理解できるようになる。

ここでは[集客]>[すべてのトラフィック]>[参照元/メディア]レポートを見てみよう。下部の一覧表の部分を抜き出したのが図3だ。

図3:[集客]>[すべてのトラフィック]>[参照元/メディア]レポート(下部)
図3:[集客]>[すべてのトラフィック]>[参照元/メディア]レポート(下部)

このレポートの形式は、一番左にある「参照元/メディア」の列がこのレポートの分析軸であるディメンションで(図3赤枠部分)、2列目以降はすべて指標だ(図3青枠部分)。

そしてレポートを見るときは、サイト全体の指標群が図3緑枠部分の数値、「参照元/メディア」の項目別の指標群が図3黒枠部分の数値であることを理解しておこう。

レポート名は「どの分析軸で見たいか」を表していて、図3の例では、「参照元とメディアの組み合わせ別」という分析軸で見るレポートになっているわけだ。

そして、レポート名は分析軸であるディメンション名そのものであることが多い。たとえば[集客]>[すべてのトラフィック]>[参照元/メディア]レポートでは、レポート名(図4赤枠部分)がディメンションそのもの(図4青枠部分)になっていることがわかるだろう(正確には「参照元」と「メディア」という2つのディメンションを組み合わせたものだが)。

図4:[集客]>[すべてのトラフィック]>[参照元/メディア]レポート
図4:[集客]>[すべてのトラフィック]>[参照元/メディア]レポート

しかし、1つのディメンションで1つのレポートを作っていくと、レポートの数が膨大になってしまう。そこで、類似のディメンションは1つのレポートにまとめられ、レポート内で選択できるようになっている。これが表の上にある「プライマリディメンション(1つ目のディメンション)」だ(図4緑枠部分)。

図4のレポートはデフォルトでは分析軸に「参照元/メディア」が選択されているが、「参照元」「メディア」「キーワード」といった類似のディメンションもレポート内で選択できるようになっており、クリックしてディメンションを切り替えられる。

2つのディメンションを組み合わせる「セカンダリディメンション」

「プライマリディメンション」の下に「セカンダリディメンション」(図5赤枠部分)と表示されていることに気が付いた方もいるだろう。続いてこの「セカンダリディメンション(2つ目のディメンション)」についても解説しよう。

図5:[集客]>[すべてのトラフィック]>[参照元/メディア]レポート
図5:[集客]>[すべてのトラフィック]>[参照元/メディア]レポート

レポートの基本形は一番左の列がディメンション、2列目以降が指標群だと解説した。これを1つではなく、2つのディメンションの組み合わせで見る機能が「セカンダリディメンション」だ。

例を示そう。もとになるのは今までの例と同じ[集客]>[すべてのトラフィック]>[参照元/メディア]レポートだ。「セカンダリディメンション」(図5赤枠部分)をクリックすると、プルダウンで別のディメンションを選択できるようになる。その「セカンダリディメンション」で「ランディングページ」を選択(図6青枠部分)した状態が、図6だ。

図6:セカンダリディメンションにランディング ページを追加した
図6:セカンダリディメンションにランディング ページを追加した

セカンダリディメンションを選択すると、2列目に「ランディングページ」の列が追加される(図6緑枠部分)。これにより、たとえば「グーグルの検索経由で、トップページに来た訪問」と「グーグルの検索経由で、記事ページに来た訪問」を区別して、より細かく分析できるようになる。

ディメンションが1つの場合の項目ディメンションが2つの場合の項目
「google / organic」「google / organic」かつ「/」
「google / organic」かつ「/content/xxxx」
「example.com / refferral」「example.com / refferral」かつ「/」
「example.com / refferral」かつ「/content/xxxx」
セカンダリディメンションを追加すると、ディメンションが1つのときよりも項目をさらに細かく分析できる。

2つのディメンションで2列が表示され、その右側に指標群が並ぶので、2つのディメンションをかけ合わせた個々の組み合わせ別に指標群を見ることができるわけだ(図6黒枠部分)。

ディメンションは緑、指標は青に色分けされている

最後にちょっとした小技の話をして締めくくろう。Googleアナリティクスには、指標やディメンションで条件を指定する機能が多くある。指標とディメンションは似たような言葉がく、多どちらのことを表しているのかがわかりにくいことがある。

たとえば、図7はセグメント(訪問条件などで絞り込みを行う)機能で表示するデータを絞り込もうとしている画面だ。Googleアナリティクスでは、ディメンションは緑色(図7赤枠部分)、指標は青色で表示(図7青枠部分)され、判別しやすくなっている。ちょっとした気配りがされているところだ。

図7:セグメント機能におけるプルダウン選択例
図7:セグメント機能におけるプルダウン選択例

「指標」と「ディメンション」はしっかり理解できただろうか? 次回は、Googleアナリティクスの分析で基本となる「ページビュー数」について解説していく。

◇◇◇

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