企業ホームページ運営の心得

ホームページとは何か? すべての企業に通じる存在理由

業種業態、社風は違っても利益を得ることはすべての企業に通じます
Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の464

論外と断罪と現場

ホームページを運営するうえで大切なものは何でしょうか。あるいは学んでおくべきことがあればご教示ください

fotyma/iStock/Thinkstock

先日、知人の紹介で相談にきたサイトオーナーからの質問です。100万円を超える発注の果てにサイトを公開したものの、反響は皆無に等しく、このままではじり貧。

西日本の中核都市よりの来訪という熱意にうたれながらも、「このサイトのビジネスモデルはなんでしょうか」との問いにしばしの沈黙。漠然とした方向性はあるが、とりあえず始めてみたという答えに「論外」と一刀両断する私。

お客に対しても言葉を選ばないから、いつまでも「現場」でウロチョロ仕事をしています。とはいえ、相談は多くの企業ホームページが抱える課題でもあります。

そこで今回は、基本に立ち返り「企業ホームページとは」について、実際の回答からのよりぬきでお届けします。なお、本稿でのホームページは「企業用」を指します。

レーゾンデートルを考える

業種業態、社風はそれぞれ異なりますが、すべての企業に通じる存在理由は「利益を得る」ことです。気取った言葉では「ビジネスモデル」です。

だからこそ、ホームページも企業の利益に貢献することが大原則。この原則に立てば、運営において大切にしなければならないもの、学んでおくべきものが自ずと見えてきます。

ネット通販のサイトなら、売り上げはそのまま利益へとつながります。ユーザービリティの向上や切れ目のないコンテンツの提供は、利益向上のために取り組む作業です。お得意様のヘビーユーザーが利益の大半を稼ぎ出すなら、ポイントカードや優待券など、再来店を促す施策も強化すべきであり、学びのアンテナをそこに向けます。

反対にいちげん客や不定期客が対象ならば、新規客を捕まえるための広告や広報に注力しなければなりません。

関連商品という利益

直接的な利益が見えづらい通販以外のサイトでも「利益」を考えることに変わりはありません。

たとえば、サイトの位置付けが自社の「宣伝」ならば、売り上げを維持したまま、Webプロモーションによって既存の広告費(チラシなど)の経費を削減できれば、その「差額」は利益と同義です。

Webを使った「顧客サポート」も「利益」を追及するためのセクション。お客の満足度を高めることで売り上げアップ=利益の拡大を目指します。さらに商売人であれば、説明に納得したお客に対して、すかさず派生商品を紹介する狡猾さを持ち合わせていなければなりません。

これらが「ホームページを運営するうえで大切なこと」であり「学んでおく」べきことです。

都市伝説の背景

この説明に相談者の目から鱗がぽろぽろ。うっすらと涙がにじみ「何も考えていなかった」と告白します。ホームページに明確な役割を与えず、利益追求という視点を持たないWeb担当者(またはサイトオーナー)は少なくありません。

その背景には、いまだに「ホームページを作りさえすればどうにかなる。なんとかなる」という、漠然とした「都市伝説」が存在するからです。相談者もこれを信じていました。そこで、この都市伝説が発生するメカニズムの説明を続けます。

かつて、トップページを開くのに10分以上かかる通販サイトがありました。電気会社の社長が見よう見まねで作ったため、無駄に大きな画像ファイルがふんだんに盛り込まれていたことと、当時の貧弱な回線環境も手伝って、下品な言葉で表現するなら「クソ重い」ページでした。

ところが、毎月コンスタントに30万円以上の売り上げをあげていたのです。当時は楽天市場が産声を上げる前、通販サイトそのものが珍しかった時代の話です。

需給のミスマッチ

20世紀末から21世紀へと入れ替わろうとするころ、メルマガを新規発行するだけで簡単に1万を超える読者を集められる瞬間がありました。いまから10年ちょっと前にはブログブーム。セカンドライフの喧噪を挟んでやってきたのがmixiに代表されるSNSブーム。ご存知でしたか? 「モンスト」がヒットする前のミクシィは国産SNSの会社だったのです。

そしてTwitter、Facebook、Instagramなどと続きますが、すべてにおいて「普及期」は、参加するだけで苦もなくお客を集めることができ、それによりビジネスが急成長することがあるのです。

一言で言えば「コンテンツ不足」です。新しいネットサービスの普及期には、コンテンツとユーザーのミスマッチが起こります。その一瞬にハマれば、一夜にしてスター的な存在になれる構造がネット世界にはあるのです。

これが、ホームページを作っただけ、SNSに取り組んだだけで成功するかの如き「都市伝説」の素地となっています。

天才の罪

さらにどの分野にも一定割合で「天才」が現れます。キャラ弁や時短レシピ、節約術では定期的にカリスマブロガーが現れます。その他、「ぼく、オタリーマン。」のよしたに氏や「鷹の爪団」のフロッグマン氏もそうですし、KAZUYAやはじめしゃちょーなどのYouTuberも一種の「天才」です。こうした天才と一般人の混同が「誰でもできる」という論理に飛躍し、先の都市伝説を補強します。当たり前の話ですが、誰でも人気者になれるわけがありません。

この解説を終え、相談者は冒頭の「論外」という言葉を理解します。都市伝説に踊らされ、もっとも大切な「利益」について何も考えていないと気がついたからです。

企業用ホームページとは、企業の利益の最大化をアシストするための存在です。つまり、企業が儲ける方法、仕組みで「ビジネスモデル」や「マネタイズ」を実現するためのツールがホームページであり、各種SNSです。そもそも論でこれらがない企業のホームページとは、クリープがないコーヒーではなく、クリープだけが注がれたコーヒーカップ。

「利益」という視点のないホームページとは、企業の存在意義からかけ離れた無用の長物、だから「論外」なのです。

今回のポイント

ホームページは「利益」を生み出す

都市伝説に騙されない

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