はじめてWEBエキスパート(専門家)コラム ホームページを育てるための"心得帳" ~ほったらかしのホームページを救え!~(全6回)

誘導からストーリーが生まれる――Webサイトのコミュニケーションは「誘導」から始まる

ホームページ自体がコミュニケーションツールであることを意識していきましょう。

「ホームページを育てるための"心得帳"」では、「ホームページを公開したものの、そのあとどうしていいかわからない……」という方へのヒントとして、見落としがちな視点や意識しておきたい考え方をお伝えします。 最終回は「ホームページでのコミュニケーション」について考えます。難しいですが常に考えていきたいテーマです。ホームページ自体がコミュニケーションツールであることを意識していきましょう。

ホームページは【営業マン】!?

この記事で言う「ホームページでのコミュニケーション」は、掲示板やチャット、お問い合わせフォームなどでの直接的なやりとりを指しているのではなく、「ホームページの内容」を通じたお互いの心のコミュニケーションのことを指しています。

「ホームページは【営業マン】である」という言葉を聞いたことがある人もいらっしゃるでしょうか。本来営業マンが一人ひとりのところを回って営業をしなければならないところを、ホームページのおかげで一度にたくさんの人に伝えられるから、人件費削減!時間も削減!といったメリットがよく言われます。でもそれはホームページが「営業マン」として本当に機能した場合の話です。見る人と伝える人とがコミュニケーションできなかったら営業していることになりませんよね。

そこで今回は、ホームページを「営業マン」にするにはどうすればいいのか?ということについて考えてみます。

コミュニケーションは「誘導」から始まる

これまでのコラムで「伝えたいことをどうやって伝えるか」といった話をしてきましたが、実はそのままストレートに伝えればよいというものでもないのです。伝えたいことを伝える前に「見る人の心を誘導する」ことがとても大切です。ホームページで何かを発信して見る人が受信するまでのプロセスは以下の図のようなフローをたどります。

見る人の心を誘導するためには、ホームページの中で生まれる「ストーリー」を想像することが必要になります。ホームページを見る人の心の動きを予測して「こういうときどんな行動をするだろう?」と想像しながら、ホームページの中での見る人の行動の「ストーリー」を描くのです。お互いに直接何かを話すわけではないけれど、実はホームページには「見る人の行動を想像する人(発信者)」と「発信者の誘導に応える人(閲覧者)」とのコミュニケーションが存在しているのです。

ストーリーについて考えるための具体例

「見る人の行動を想像する」といっても、見る人がどんな人かもわからないのに何をどうやって…?と思う方もいらっしゃるかもしれません。そこで「釣り」を例えにしてもう少し具体的に考えてみます。

釣りをするためには、まず「釣れる場所」へ行く必要がありますよね。最適な場所を選んだら、釣り針に餌をつけて釣り糸を垂らします。魚には見えづらい透明な釣り糸の先に餌をつけて魚を誘導し、魚がアクションを起こす(=餌に食いつく)まで待つわけです。餌は、狙う魚によって別のものを使ったりします。小魚を使うこともあるでしょうし、ミミズを使ったりすることもあると思います。

ホームページでの人の誘導は釣りに似ていると思います。どんな相手かわからない中でできる限り行動を予測して、「適切な場所」で「釣る相手に合ったしかけ」をすることで、成果が変わってくるのです。

誘導するために考えたい3つの要素

釣りをするときと同じような考え方で、ホームページの中で人を誘導するために必要なことをいくつか導き出すことができます。

1. 適切な場所

まず基本中の基本として、誘導に適した場所をきちんと選ぶことが必要です。伝えたいことの優先順位が一番高いものを一番目立つ場所に置くことを意識しましょう。適した場所はホームページによっていろいろ考えられますが、一般的にホームページは左上の位置がもっとも目に入りますので、左上の位置にはもっとも伝えたいことが集まっている場合が多いです。

たとえば、Jimdoのデザインをプロが作ってくれるサービス「bizYouホームページリメイク」のページを見ると、左上には実際にデザインされた事例の画像が入っています。まずはどんなデザインができるのかということを直感的に見せようとしていると考えられます。

2. 共感を呼ぶ言葉

誘導をする上で「共感」は非常に重要なキーワードです。FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアがかなり浸透した現在は、見た人が「いいね!」を押したくなるような誘導ができているか?という視点だと考えやすいですね。 共感を呼ぶためには「共感させたい相手」のことを考えられるかどうかが大事です。ホームページを見に来た人がどんな思いを持っているのかを想像して、それを言葉で言い当てられると共感を呼べるということになります。

たとえばものを売るサイトの場合、発信者は「売る人」で閲覧者は「買う(かもしれない)人」なので、本来立場は違います。でも売る人は買う人の立場に立った言葉を言う必要があります。素材にこだわって一生懸命作ったことを伝える前に、買う人が求めていることに応える言葉で誘導することが必要なのです。買う人は「自分にメリットがある」ものしか買いません。冷たいようですが、作った人のこだわりなんて最初はどうでもいいのです。

以前、お客様からバナーの掲載依頼をうけました。バナーには「○○キャンペーン実施中!」と書かれていたのですが、「簡単応募で○○が当たる!○月○日まで」という文言に変更していただいたところ、クリック率が高くなったそうです。「キャンペーンを実施」しているのは発信側ですが、「簡単応募」するのは見る人たちです。行動主体を変えるだけで言葉の印象は大きく変わってきます。

3. 敷居を下げる表現

見知らぬ営業マンから説明を受けるとき、その人がどんな人かまったく知らないので信用度がとても低いところからスタートします。ホームページも同じで、最初に見る人は不安だらけの状態です。そういう人に「だいじょうぶだよ、不安を解決しますよ」という雰囲気を出してあげる必要があります。

そのためによくとられる手法のひとつが「ホームページを見る順番を決めてしまう」ことです。「はじめての人はこちら」といった入口へのリンクを設けてまずはサイトの内容を説明し、そこから次にどこに行くべきかを誘導するという方法だと、見る人は迷わずに次に進むことができます。銀行のWebサイトでは「個人向け」と「法人向け」とで入口が分かれているのもよく見かけますが、これも誘導手法のひとつと言えます。

そして、日本人向けのサイトであれば日本語で誘導することをできるだけ意識したいものです。英語のほうがなんとなくかっこいいのでつい使ってしまいがちなのですが、重要な内容への誘導が英語で書かれていると、日本人はやはりちょっと不安になります。「そこをクリックするとどんな情報があるのか」がしっかり分かる表現であることは、結果としてクリックへの敷居を下げ、安心感につながっていきます。

さて、これまで6回にわたりお送りしてきましたが、今回で最終回です。 最後に、これまでのコラムで紹介したホームページ作りで意識したい5つの心得をご紹介します。みなさんのホームページがよりよいものになることを心から願っています。たくさんの「ほったらかしのホームページ」が大きく育っていきますように。

この内容のコラムを動画で見る

このコーナーのコンテンツは、KDDI提供の情報サイト「はじめてWEB」掲載の「エキスパート(専門家)コラム」の情報を、許諾を得てWeb担の読者向けにお届けしているものです。

「はじめてWEB」掲載のオリジナル版はこちら:
ホームページを育てるための"心得帳" ~ほったらかしのホームページを救え!~(全6回)「第6回:心得5「誘導からストーリーが生まれる」」(2013/09/11)

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