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グーグル検索は、人工知能による変化を進めている などSEO記事まとめ10+3本

SEO改善対象コンテンツをRで抽出する方法、5月のモバイルフレンドリー強化とランキングの変化などの話題も

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グーグルが、人工知能(機械学習)を本格的に検索に活用していることを解説したWIREDの記事が、今週のトップストーリー。
ほかにも、SEO改善対象コンテンツをRで抽出する方法、コンバージョン率を倍増させる「社会的証明」、AMPと検索アナリティクス、5月のモバイルフレンドリー強化とランキングの変化などなど、SEOの話題をまとめてお届けする。

今週のピックアップ

グーグル検索は、人工知能による変化を進めている
★★★★☆ RankBrainも人工知能アルゴリズム (WIRED.jp)

グーグル検索に、人工知能(機械学習)が取り入れられ、これまでの「エンジニアがルールを設定する」アルゴリズムから大きく変わってきている。

グーグルは、さまざまな分野で人工知能の利用に取り組んでいる。人工知能の技術を使ったグーグルのAlphaGo(アルファ碁)が囲碁の世界チャンピオンに5戦4勝したことは記憶に新しい。

もちろん検索にも、人工知能は利用されている。昨年10月に明らかになった人工知能をベースにしたアルゴリズムのRankBrainは、SEO業界に大きな衝撃をもたらした。

人工知能がグーグル検索にどのように入り込み、どのように浸透してきているのか、そして今後どのように発展していくのかの予想をこちらの記事は詳しく説明している。

少し前まで、グーグルの検索責任者は機械学習よりもエンジニアがルールをつくる仕組みのほうが良いと判断していたようだが、すでに状況は変わっているのだという。

(前略)「シンハルは機械学習にバイアスがあった」と記している。曰く、機械学習は、理由こそわからないものの「特定の検索結果が上位にランクされてしまったりする」し、「機械学習をベースとしたシステムを構築したとしても、その運用は困難だ」としている。そして、「従来のやり方は複雑ではあるものの、技術者が状況に応じて臨機応変に対応できるメリットがある」と、ラウ氏は付け加えている。

だが、いまやグーグルは検索エンジンにディープラーニングを取り入れ始めている。AIチームのトップが検索チームを兼務するという今回の交代劇をみるところ、グーグルはこの方向性をさらに進めていくのだろう。

※強調は筆者による

そして、機械学習の進化によるものなのか、グーグルの技術によるものなのかはわからないが、「検索クエリの意図を把握し、それに対する適切な検索結果を提示する」という役割に関しては、すでに機械学習のほうが良い結果を出すようになっている。

グーグルはあるとき、RankBrainと検索エンジニアを対抗させるテストを行ったことがある。このテストで両者はさまざまなウェブページを閲覧し、Google検索結果で最上位にランクされるものを予想した。制限時間において、RankBrainは80パーセントの正解率であったのに対し、エンジニアは70パーセントだった。

SEOの施策に直接影響するものではないが、グーグルの進化を知ることができる面白い記事だ。

そして、企業のWebサイト運営やマーケティング全体にも、この流れがいずれ訪れるだろうことは、みなさんも心しておくべきだろう。

グーグルのような検索エンジンが登場したことによって、SEOを理解し実践している企業とそうでない企業でビジネス成果に大きな違いが出たことは、多くの人が理解しているだろう。それと同じように、機械学習を理解してWebやデジタルに取り入れていくことがビジネスの伸びを大きく左右する時代が来る可能性は高い。

日本語で読めるSEO/SEM情報

「掲載順位は良いがクリックされていない記事」をRでさくっと自動抽出してみた
★★★☆☆ 統計処理ツールRとsearchConsoleRパッケージで楽々 (廿TT)

SEOの施策として「ある程度以上の掲載順位でそれなりの回数表示されているのに、クリック率が順位に対して低いページのタイトルなどを改善」するために、対象コンテンツを楽に抽出する方法を解説した記事を紹介する。

少し古い記事で、少し技術的ではあるが、非常にシンプルにまとまっていて価値が高い。

so.la代表の辻正浩氏が、Web担での対談で次のように述べている。

ある程度以上の表示回数があり、かつ、ある程度以上の掲載順位があるが、クリック数がある程度以上になっていないキーワードを抽出するだけで、タイトル要素に何か問題があるのかもしれないとか、検索されている意図と実際のサイトが合っていないのかもしれないとか、すぐにわかります。

辻氏が言う「問題がありそうなキーワード」とページを、「R」という統計解析ツールを使って取得する方法を、この記事では解説している。searchConsoleRという、R用のパッケージを使うと、Search Consoleの検索アナリティクスのデータを一括取得できる。そこから条件を満たしたキーワードを抽出するのは、Rならお手の物だ。

おそらく多くの読者にはなじみがない「R」だが、これを機会に試してみるのはいかがだろうか。

コンバージョン率を倍増させる「社会的証明」とは?
★★★★☆ 不安を払拭するためのお墨付きを提示する (UI改善ブログ by f-tra)

顧客の声やメディアでの掲載、業界の有識者の推薦など第三者による「社会的証明(ソーシャルプルーフ)」は、コンバージョン率を上げることに大きく貢献する。コンバージョンの前に立ちはだかる「買っても・申し込んでも・登録しても、大丈夫だろうか?」という不安を払拭してくれるからだ。

そうした社会的証明を上手に利用する方法を、こちらの記事は解説している。

紹介されているのは、次のような社会的証明をページ上で表示するという手法だ。

  • メディアで取り上げられたこと
  • SNSで多く話題になっていること
  • 世論調査や統計などで上位に認められたこと
  • 会員/ユーザー数が多いこと
  • 動員数やダウンロード数など実際のアクション数/サービス規模が大きいこと
  • 利用企業のロゴ
  • 満足度などが高いアンケート結果
  • クチコミ、ユーザーの意見
  • 事例(ケーススタディ)
  • リピート率が高いこと

ただし、なんでもただ表示すればいいというわけではない。次のような点にも気を付けるとさらに効果的だそうだ。

  • 具体性と客観性をもたせる
  • 定量的な指標を用いる
  • 情報の裏付けや提供元ソースについても言及する

管理サイトで利用できるものを見つけ出して掲載してみよう。

検索アナリティクスではAMPトラフィックを調べることはできない
★★★☆☆ 正規URLのサイトにレポートされてしまうから (木村賢 on ツイッター)

グーグルモバイル検索からのAMPページヘのトラフィックを、Search Consoleの検索アナリティクスで調べることは、今のところできない。

AMPコンテンツを公開するサイトをサブドメインにして分ければ大丈夫かとも思ったのだが、やはり無理なようだ。サブドメインで運用するAMP向けサイトでもデータを取得できていないことを、サイバーエージェントの木村氏が明かしてくれた。

PC向けページが存在する場合(これが通常)、AMPページはrel="canonical"でPC向けページに正規化される。検索アナリティクスのデータは、正規ページつまりPC向けページのサイトのレポートに出てくるためらしい。そのように、グーグルの長山氏が説明してくれた。

そもそも、検索結果に表示されるAMPページはグーグルのサーバーにキャッシュされている。そのため、そこへのトラフィック情報が元サイトの検索アナリティクスに自動的に表示されるわけではないのは納得だ。

AMPページヘの検索トラフィックを検索アナリティクスでレポートするようにグーグルは改良に取り組んでいる。それまでは、GoogleアナリティクスなどAMPに対応した解析ツールに頼るしかない。検索クエリは検索アナリティクスでしか取得できないのが悩みの種だが。

App Indexingで、アプリではPDF、ウェブではJPGでコンテンツを提供しても問題ないか?
★★★☆☆ 問題ないが検索結果表示は厳しいか (グーグル ウェブマスター向けヘルプフォーラム)

App Indexingにおいて、ウェブ側とアプリ側のコンテンツを完全に一致させる必要があるか?
アプリではPDFでコンテンツを提供し、ウェブではJPGでコンテンツを提供しても問題はないか?

こんな質問がグーグルの公式ヘルプフォーラムに投稿された。

グーグル社員のEriko氏は次のように回答した。

ご記載頂いた情報から判断すると、App Indexing 自体の使用は可能かと思います。対応するアプリとウェブは基本的に同じコンテンツであるべきですが、完全に一致することを確認しているわけではありません。記載されていたようにファイル形式が異なったとしても、それで問題になることは現状はありません。

ただ、アプリ コンテンツが App Indexing といしてインデックスされることは問題はなくても、結局そのコンテンツへのリンクが検索結果に表示されるかどうかはウェブサイト自体が検索結果に表示されるかどうかによります。ウェブ コンテンツの詳細がわからないためはっきりとお伝えすることはできないのですが、ウェブ コンテンツが jpeg ファイルのみであるような場合には、そもそもウェブ コンテンツが検索結果に表示されないという可能性はあるかと思います。

App Indexing を表示する際の検索ランクは対応するウェブ コンテンツのものがベースとなります。このためウェブ コンテンツがそもそも検索結果に表示されない場合、App Indexing を行っても検索結果に表示されない状況となってしまうかと思います。

ウェブ コンテンツ側でそれ自体が検索結果に表示されるよう対応されるのであれば App Indexing の使用も問題はないと考えます。

※強調は筆者による

実装としては、問題ない。しかし、質問者のような状態だと検索結果に表示されない可能性があるため、期待するようなトラフィックを得られないかもしれない。

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