心理学を応用してインフィード広告の成果アップ! 心に響くクリエイティブ制作手法

心理学を用い、ユーザーの心に響くインフィード広告のクリエイティブ手法を紹介します
トランスコスモス 2016/3/25(金) 7:00 tweet60このエントリーをはてなブックマークに追加 印刷用

Yahoo! JAPANのスマートフォン版およびアプリのトップページがタイムライン型となり急拡大したインフィード広告は、タイムラインの他の記事と記事の間に挟まれて溶けこむ広告です。これまでのテキスト広告、バナー広告などの手法が適用できないという悩ましい面がある一方、他の広告よりも新規顧客の呼びこみができるといわれ、これまでの広告にはない嬉しい面もたくさんあります。

記事との間に表示されるYahoo! Japanスマートフォン版のインフィード広告

今回は、そんなインフィード広告の成果を高めるためのクリエイティブ運用メソッドとして、「心理学」を応用した手法を紹介します。

たとえば、次の2つのクリエイティブでは、どちらの成果が高いと思いますか? パターン2は、実際に心理学を用いて作成したものですが、パターン1とどこが違うのか、解説とあわせて考えていきましょう。

心理学を用いて心に響くクリエイティブを制作する

タイムライン上の他の記事に溶け込むインフィード広告では、ただ闇雲にクリエイティブを量産するのではなく、クリエイティブの「モチベーション要素」を高めることが大切です。

現代の情報過多なインターネット環境において、タイムラインに流れてくる広告を見てもらい、さらに購買行動に導くことのできるクリエイティブを制作するために、弊社では「行動心理学」と「認知心理学」を取り入れた独自のメソッドを採用しています。

  • 行動心理学

    外的な環境条件の変化や刺激(stimulus)に対する反応(response)としての“行動(behaviour)”を自然科学的方法で研究する「行動科学」の流れを組む心理学。

    客観的に観察可能な「行動」を研究することで、その人がなぜそのような行動を取ったのかを意識・無意識のレベルで解明しようとするもの。

  • 認知心理学

    知覚、記憶、思考、言語、学習など、人間の知的な情報処理過程である“認知”について研究することで、人間の心や脳の働きを解明しようとする学問。

    人間の心を情報処理システムとして捉え(認知的アプローチもしくは情報処理的アプローチ)、「ヒトはどう考えるのか?」などの最終的な行動の法則性を探るもの。

ここでは、その成果で得られた「モチベーション要素」の強いクリエイティブを作るための基本3ステップを紹介します。

1. 商品・サービスの情報を適切に把握する

インフィード広告に限らず、良いクリエイティブを作るには、制作する前にその商品・サービスの情報をどれだけ把握できているかが重要です。

  • 商品・サービスが提供する基本的なベネフィット
  • 商品・サービスのフォーカスすべき特徴
  • 商品・サービスが売れるタイミング、季節や流行などの売るべきタイミング
  • 商品・サービスがターゲットとしているユーザー像

最低限、これらのポイントを押さえることが必要です。まずは情報を整理して、組み合わせて使える状態にしましょう。

良いクリエイティブ制作は情報の把握と整理から

2. ユーザーの心理状態に応じた訴求軸を設定する

広告対象の商品・サービスに関する適切な情報を伝えることができていても、訴求軸がズレていたらユーザーのモチベーションをアップすることはできません。訴求軸を選定するメソッドはいろいろありますが、今回は弊社で実際に成果をあげている「行動心理学」を応用した訴求軸選定方法の一部を紹介します。

ユーザーには商品・サービスに対する心理状態が存在する。

人間には、精神的に成長したいという人間的な「満足入手欲求」と、苦痛や不安を避けようとする動物的な「不安解消欲求」という2つの欲求があると言われています。ユーザーの心理状態を、この2つの欲求の強弱で4つに分類することで、そのユーザー心理に対応する訴求軸を整理することができます。

ユーザーの心理状況を満足入手欲求と不安解消欲求の強弱で分類

また、広告対象の商品・サービスによって、ユーザーの「満足入手欲求」や「不安解消欲求」は異なります。たとえば、新商品と継続して販売されている定番商品の広告が例として挙げられます。

  • 新商品

    利用経験がなく不安をもつことが多い

  • 定番商品

    長く販売され、利用経験も多いため一定の安心感を持つ

それぞれの商品・サービス特性と、ユーザーの心理状態を考慮することで、ターゲットに響く訴求軸を見つけ、適切なコピーを作ることが可能です。

ユーザーの心理状況に合わせたクリエイティブ作成の例

3. クリエイティブの説得力を高める

訴求軸を定めて制作したクリエイティブの効果をさらに高める手法として、「認知心理学」を用いる方法があります。

人間は「五感(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚)」を使ってさまざまなものを感じとります。五感の優先度には個人差があり、人は自分に一番あった感覚に優先的に反応するクセがあります。クリエイティブ制作の際には、この五感を「V:視覚」「A:聴覚」「K:体感覚(触覚+味覚+嗅覚)」の3つに分類し、それぞれの感覚を刺激するような表現をコピーおよび画像にバランスよく配置することが重要です。五感を刺激することで、広告対象の商品・サービスの情報をより魅力的に見せ、どんな人にも刺さるクリエイティブにすることができます。

  • V(視覚/Visual):視覚派には色や見た目などの表現が有効

    例「とろーりとろける」「赤い、青い」など

  • A(聴覚/Auditory):聴覚派には音や擬音などの表現が有効

    例「サクサク」「ゴクゴク」など

  • K(体感覚/Kinesthetic):体感派には匂いや味、さわり心地、感情などの表現が有効

    例「甘い・辛い」「ふんわり柔らか」「楽しい・悲しい」など

実際に五感要素を入れるときのポイントは、どれか1つの感覚に偏るのではなく、VAKの感覚をバランスよく配置することが重要です。たとえば、冒頭でも紹介したオムライスとハンバーグの専門店であれば、オムライスの上にかかった卵を表現した「ふわとろ」で視覚(V)と体感覚(K)、ハンバーグから溢れる肉汁の音となる「ジュワ~」で聴覚(A)、「美味しい」で体感覚(K)に訴える表現をとりいれ、どの感覚派にも響くクリエイティブにしましょう。

認知心理学を用い、五感をバランス良く配置したクリエイティブを制作

もし配信しているクリエイティブに対して、ごく一部の人しか反応しないようならば、そのクリエイティブが五感を刺激し、情報伝達力、コミュニケーション力などの表現力を高めたものになっているかを確認しましょう。

ユーザーに適切に商品・サービスの情報を把握してもらうことと合せて、「行動心理学」「認知心理学」を用いて「モチベーション要素」を高めたクリエイティブは、ユーザーの興味を喚起し、最終的な購買行動を促進させます。「クリエイティブの成果は配信されないとわからない」という部分はありますが、成功率を高めるためにも商品・サービスに適したクリエイティブか、ユーザーの心理状態にマッチしたクリエイティブか、配信開始前に確認しましょう。

重要なのは配信後の検証と評価

「モチベーション要素」を高めたクリエイティブの配信を開始したら「クリエイティブ検証」をします。大量のクリエイティブを配信して広告の勝敗がついたとしても、それだけでは「なぜそのクリエイティブが勝ったのか?」まではわかりません。実際に弊社で実施している検証方法を紹介します。

実験計画法による効率的な検証方法

インフィード広告のテストは、複数の画像と複数のテキストを組み合わせたクリエイティブを用意することから、検証方法は「多変量テスト」になる場合がほとんどです。

多変量テストでは、複数の要素を掛け合わせたパターンの分だけ配信して検証することが理想ですが、それだと時間もコストもかかってしまい効率的とは言えません。弊社では検証の効率化のために、統計学を用いた「実験計画法」を活用しています。統計的な計算によって、実際には配信していないパターンも含め、すべての配信結果を算出できるため、時間とコストを抑えて効率的に検証できます。

実験計画法を用いた多変量テストの例

たとえば、上記の図で「画像2パターン×タイトル2パターン×テキスト2パターン」を検証する場合、通常であれば8つの組み合わせで配信する必要がありますが、実験計画法を使えば、4組配信するだけで8組すべての検証ができます。

また、上記の図の1と2は画像のパターンが異なりますが、タイトルとテキストのパターンは同じため、どちらの画像パターンの効果が良いかがわかります。画像同様、タイトル(4と6)とテキスト(2と6)もパターンのみが変わるものを用意すればよいため、赤枠で囲った4組の配信だけで済みます。またパターンごとの差が大きい場合、その比較要素の影響度が大きかったと考えられ、どの要素を改善すべきかの示唆を得ることが可能です。

要素別に改善を検証する

弊社で実際に実験計画法を用いて検証した例では、複数媒体で短期間かつ低コストでクリック率(CTR)が差6.6倍となるクリエイティブも出ています。CTRの高いクリエイティブや勝ちパターンの傾向がわかることで、新しいクリエイティブ制作にも知見を活かせるようになります。

実験計画法については、こちらの記事「アドテクを使うと何ができるの? 活用と広告の効果検証方法を知ろう」でも解説されています。

コンバージョンも評価軸に加えたい場合

インフィード広告に限らず、ネット広告では最終的な行動指標としてコンバージョン(CV)を最重要指標と考える場合が多いと思います。CVは、クリエイティブよりもランディングページ(LP)が強く影響する要素であるため、顧客獲得単価(CPA)、またはコンバージョン率(CVR)が悪い場合には、広告よりもLPを検証すべきです。

LPもクリエイティブと同様に複数用意し、A/Bテストや多変量テストでCVRの高いLPを探していきましょう。LPOツール(ランディングページ 最適化ツール)を利用すれば、複数の要素を用意しても自動的に組み合わせてLPを生成するため、複数のLPを制作することなく多変量テストができます。さ らにユーザー属性に合わせたLPの出し分けも可能です。LPクリエイティブの制作方法に関しても、さまざまな手法がありますが、それはまた別の機会に。

広告クリエイティブはLPに訪れる前に、最初に商品情報に触れる機会となるため、伝えるべき情報を明確にし、ユーザーの心に響く表現をしなければよい効果は望めません。表示回数が多く、広告クリエイティブの定期的な変更が必要なインフィード広告だからこそ、ただ闇雲に広告クリエイティブを制作するのではなく、心理学などのテクニックを駆使して、ユーザーの心理に寄り添った、説得力のある表現を用いて広告クリエイティブを制作していきましょう。

まずは、今掲載中のインフィード広告のクリエイティブをチェックしてみましょう。

今回のまとめ

  • ユーザーの五感を刺激する要素をクリエイティブに盛り込む
  • 広告配信後の検証と評価は必須、統計学を用いて検証を効率化
  • コンバージョン改善にはランディングページの検証も大切
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