Googleアナリティクス セグメント100選
ECのフォローメールを「購買意欲が高まる時間帯」に送るためにGAのデータを利用するには?(第80回)

最適なタイミングでフォローメールを送信できるように、セグメントを使って、顧客の購買意欲が上がる時間帯を調べる方法を解説する。

eコマースサイトでフォローメールを送信するにあたり、顧客の購買意欲が高まっている時間帯に合わせて送信することで、効率よく購買率を高めたい。そのためにGoogleアナリティクスのデータを活用できないか。

eコマースサイトで購入数を伸ばすためには、フォローメール(フォローアップメール)の適切な活用は欠かせない。

ただし、送り方には細心の注意が必要だ。顧客の気持ちになって考えてみていただければわかると思うが、フォローメールは、やたらめったら送ればいいというものではない。送り方によっては、顧客の気持ちを逆なでし、反感を買い、メール登録を解除されて、もう二度と買ってもらえなくなることもある。

適切な内容のフォローメールを、適切なタイミングで送ること、これが重要だ。

では、フォローメールはいつ送るのがベストなのか? 「売れるネット広告社」の加藤公一レオさんは、「フォローメールを送信するなら、お客様の購買意欲がもっとも上がる時間帯に合わせよう」という話をする。

「購買意欲がもっとも上がる時間帯」というのは、「お客様が購入した時間帯」らしい。つまり、「昼休み」の時間帯に購入したことがあるユーザーであれば、購買意欲がもっとも上がる時間帯は「昼休み」ということになるし、「夜の遅い時間帯」に購入したユーザーは、その時間帯に購買意欲が上がる、ということになる。

言われてみると確かに、オンラインでのメディア接触行動や購買行動パターンは、人によってだいたい決まっているような気もする。

もちろん、その他にもいろいろな購買パターンがあるとは思うが、すべての時間帯を検証するのは大変なので、今回は「昼休み」あるいは「夜の遅い時間帯」で購入したユーザーという2つのセグメントで、それぞれのユーザーが購入しなかったセッション(訪問)でも同様の時間帯に訪問する行動をしていたのかを検証してみたい。具体的には、下記の2つのセグメントを作成してみよう。

  • 昼の時間帯(12時台~13時台)に購入したユーザー
  • 夜の時間帯(21時台~23時台)に購入したユーザー

今回は、この2つのセグメントを作ってみたうえで、一般消費財を扱うeコマース サイトにおいて、購買時間帯別の購入ユーザーの購買時以外の利用行動パターンを確認してみよう。

Googleアナリティクスのeコマース分類のデータを利用する方法でセグメントを作る場合は、あらかじめ「eコマースのトラッキングコード」を設定しておく必要がある。詳しくは、以下の記事を参照してほしい。

「昼の時間帯」「夜の時間帯」に購入したユーザーを分析するセグメントの作り方

標準に用意されているセグメントには今回紹介するセグメントは存在しないので、新しいセグメントを作成していく必要がある。

まずレポート画面の上部にある「+セグメント」(図1赤枠部分)のエリアをクリックしよう。ブラウザ表示の横幅が狭い場合は、すべてのセッション(図1青枠部分)の下に並んで表示される。

図1:「+セグメント」をクリックする

「+セグメント」(図1赤枠部分)のエリアをクリックすると、図2のようなセグメントの機能が表示されるので、左上にある「+新しいセグメント」(図2赤枠部分)をクリックして新規セグメントを作成していこう。

図2:セグメント機能(グリッド表示)
注:一覧表示(図2青枠部分)を選択している場合や、自分ですでにカスタムセグメントを作成している場合などでは、図2と同じ見え方にはならない。

新しいセグメントを作成する初期画面では「ユーザー属性」(図3赤枠部分)が選択されているが、今回作成するセグメントは2つとも「条件」図3青枠部分)を選択しよう。図3はその「条件」を選択した画面だ。

「昼の時間帯(12時台~13時台)に購入したユーザー」セグメントの設定方法

セグメントの条件設定は、図3緑枠部分で行う。1つ目の「昼の時間帯(12時台~13時台)に購入したユーザー」セグメントの設定が図4だ。

図4:「12時台~13時台に購入したユーザー」のセグメント

ユーザーベースなので、フィルタは「ユーザー」「含める」と指定(図4赤枠部分)すればよい。その下は「トランザクション数」「セッションごと」「>」「0」と指定(図4青枠部分)する。「購入した」という条件がこれだ。そして右横にある「AND」図4緑枠部分)をクリックして条件を追加していく。

「12時台~13時台」という条件を指定したいので、まず「時」「=」「12」と指定(図4紫枠部分)し、右横にある「OR」図4黒枠部分)をクリックし、その下の条件指定を「時」「=」「13」とすればよい。「12時~13時に購入したユーザー」というセグメント名を付け、「保存」をクリックしよう(図3黒枠部分)。

「夜の時間帯(21時台~23時台)に購入したユーザー」セグメントの設定方法

次の「夜の時間帯(21時台~23時台)に購入したユーザー」セグメントの設定は、同様に「条件」分類のセグメントの画面で行う。図5がその設定例だ。

図5:「21時台~23時台に購入したユーザー」のセグメント

図4の方は「12時あるいは13時」という条件設定だったが、この部分が「21時あるいは22時あるいは23時」という条件に変わっただけだ。図4では1つの「OR」(図4黒枠部分)でつなげたところを、図5では2つの「OR」図5赤枠部分)で3つの時間帯を列挙(図5青枠部分)すればよい。セグメントの準備はこれで完了だ。

セグメントが正しく設定できているか確認する方法

一応この設定の確からしさを先に検証しておこう。「条件」分類の設定の場合に、この「AND」や「OR」を駆使して条件指定をすることが多くなるが、意外と難しいのだ。そのため思ったとおりに動作するかどうかを検証しておくことも重要になる。

今回は「12時台~13時台に購入したユーザー」のセグメント(図4)と対比するために、「12時台~13時台に購入したセッション」図6)を作ってみよう。セッションベースなので、フィルタは「セッション」「含める」と指定(図6赤枠部分)し、残りは図4と同じだ。

図6:「12時台~13時台に購入したセッション」のセグメント

ある日の[ユーザー]>[ユーザー サマリ]>レポートに「12時台~13時台に購入したセッション」のセグメントと「12時台~13時台に購入したユーザー」のセグメントを掛けたのが図7だ。

図7:[ユーザー]>[ユーザー サマリ]>レポートに2つのセグメントを掛けた画面

数字が小さいが、確かにユーザー数は同じ図7赤枠部分)で、かつ、ユーザーベースのセグメントを掛けたデータ(オレンジ)にセッションベースのセグメントを掛けたデータ(青)が包含されており図7青枠部分)、この設定で間違いなさそうだと確認できる。

「購入した時間帯」は、本当に「購買意欲がもっとも上がる時間帯」なのか、確認するには?

それでは本題の検証に入ろう。仮説は「購買時間帯別の購入ユーザーの利用行動は、購買時以外も同様の傾向になる」ということだった。

これを検証するには、購入行動と閲覧行動に相関があるのか、時間帯ごとにデータを見てみる必要がある。先に紹介した図7だとデータが少なすぎて何とも言えないので、1ヵ月くらいのデータにこのセグメントを掛けて検証しよう。

ただGoogleアナリティクスは時間帯の利用行動をまとめるレポートが存在しないので、検証用のカスタムレポートをまずは作っておこう。

検証用のカスタムレポートを作る方法

カスタムレポートは、画面上部グローバルナビゲーションの[カスタム]をクリックして作成する。

操作手順
  1. 画面上部グローバルナビゲーションの[カスタム]をクリックする
  2. [+新しいカスタムレポート]をクリックする
  3. 「タイトル」に「時間帯別にまとめる」と入力する(図8赤枠部分)
  4. 「名前」に「時間帯」と入力する(図8赤枠部分)
  5. 「種類」で「エクスプローラ」を選択する(図8黒枠部分)
  6. 「指標グループ」で「セッション」「ユーザー」「トランザクション数」を選択する(図8青枠部分)
  7. 「ディメンション」で「時」を選択する(図8緑枠部分)
  8. [保存]をクリックする
図8:カスタムレポートの設定

このように作成すれば、複数の日を集計対象期間にしても、同じ時間帯をまとめて集計してくれるカスタムレポートが作成できる。

「12時台~13時台に購入したユーザー」の購買行動と閲覧行動を検証する

それでは、最近の1か月の集計期間を対象にしたこのカスタムレポートに、「12時台~13時台に購入したユーザー」のセグメントを掛けたレポート(図9)と「21時台~23時台に購入したユーザー」のセグメントを掛けたレポート(図10)をそれぞれ見てみよう。

操作手順
  1. 画面上部グローバルナビゲーションの[カスタム]をクリックする
  2. カスタムレポートの一覧から「時間帯別にまとめる」レポートをクリックする
  3. カスタムレポートが開くので、「12時台~13時台に購入したユーザー」セグメントを「適用」する
  4. グラフ左上の「指標を選択」をクリックして「トランザクション数」を選択する
図9:時間帯別に見るカスタムレポートに「12時台~13時台に購入したユーザー」のセグメントを掛けた画面

図9をまず見てみよう。このサイトで扱っているのは、毎日のように購入する一般消費財ではないので、12時台~13時台に購入したユーザーが他の時間にも買うことはほとんどないので、トランザクション(購入)はほとんどが12時台~13時台に集中している(図9赤枠部分、薄い青の折れ線)。

一方で、12時台~13時台に購入したユーザーの購入しなかったセッションも含めたデータ(図9青枠部分、濃い青の折れ線)を見ると、12時台~13時台が一段とセッション数多いが、日中から夜まで比較的平均的に訪問していることが読み取れる。

「21時台~23時台に購入したユーザー」の購買行動と閲覧行動を検証する

「21時台~23時台に購入したユーザー」のセグメントを掛けたレポート(図10)はどうだろう。

操作手順
  1. 画面上部グローバルナビゲーションの[カスタム]をクリックする
  2. カスタムレポートの一覧から「時間帯別にまとめる」をクリックする
  3. カスタムレポートが開くので、「21時台~23時台に購入したユーザー」セグメントを「適用」する
  4. グラフ左上の「指標を選択」をクリックして「トランザクション数」を選択する
図10:時間帯別に見るカスタムレポートに「21時台~23時台に購入したユーザー」のセグメントを掛けた画面

やはりトランザクション(購入)はほとんどが21時台~23時台に集中している(図10赤矢印、薄い青の折れ線)。一方で21時台~23時台に購入したユーザーの購入しなかったセッションも含めたデータ(図10青矢印、濃い青の折れ線)を見ると、購入時と同じ夜型であることが顕著に出ていた。

加藤公一レオさんの説はこのようにしてデータでも検証できる。多くのことが検証できる時代になった。人の知見は鵜呑みにすることなく、ぜひ皆さんのeコマースのデータで検証し、自社の事情に応じた最適化をしていただきたい。

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