Googleアナリティクス セグメント100選
コンバージョンした人と似た行動をするユーザーにAdWords広告を出して購入を促すには?(第77回)

コンバージョン、またはトランザクションしたユーザーと似た行動を取っているユーザーに絞り込んでAdWords広告を出し購入を促す方法を解説する。

コンバージョン(目標達成)した、あるいはトランザクション(購入)したユーザーと似たような行動を取っているユーザーに絞り込んでAdWords広告を出し、効率的に購入を促したい。

今まで紹介してきたリマーケティングリストの抽出方法は、「認知」「理解」「最後の一押し」「再購入」といった、商品やサービスに対するユーザー側の段階に対応する広告の対象リストを作るという考え方で、あるべき姿から考えるアプローチだった。

しかし今回は視点を変えて、実際に成果が出たときの指標の数値を参考にする、つまり成果の実績そのものを利用してセグメント化するアプローチを採ってみる。具体的には、次のような考え方だ。

コンバージョン(目標達成)した、あるいはトランザクション(購入)した訪問の指標を参考にすれば、成功率は高くなるだろう。

そこで今回は、下記の2つのセグメントによるAdWords広告用のリマーケティングリストを作成しよう。

  • コンバージョン(トランザクション)したユーザーの平均滞在時間以上に滞在したユーザー
  • コンバージョン(トランザクション)したユーザー1人あたりの平均閲覧ページ数以上見たユーザー

もちろんこういった条件だと、すでにコンバージョンした人やトランザクションした人に広告を出すことにもなるので、コンバージョンやトランザクションしたユーザーは広告対象から除外する必要がある。AdWords側での除外設定も忘れずに行おう。

なお、今回のセグメントは、こちらのブログを参考にして作成した。

コンバージョン(トランザクション)した訪問の数値を確認する

まずは目標達成したベンチマークとなる訪問時のデータを確認して、コンバージョン時に標準的に「閲覧されたページ数」と「滞在時間」を事前に調べておく作業から始める。

[ユーザー]>[サマリー]レポートに、「コンバージョンが達成されたセッション」と「コンバージョンに至ったユーザー」の2つのセグメントを掛ける。

まずレポート画面の上部にある「+セグメント」(図1赤枠部分)のエリアをクリックしよう。ブラウザ表示の横幅が狭い場合は、すべてのセッション(図1青枠部分)の下に並んで表示される。

図1:「+セグメント」をクリックする

「+セグメント」(図1赤枠部分)のエリアをクリックすると、図2のようなセグメントの機能が表示されるので、「コンバージョンが達成されたセッション」と「コンバージョンに至ったユーザー」の2つのセグメント(図2赤枠部分)をクリックし、「適用」ボタン(図2青枠部分)をクリックする。

コンバージョンでなくトランザクションを計測している場合は、この2つの代わりに「トランザクションの発生したセッション」と「購入したユーザー」の2つのセグメント(図2紫枠部分)を選択してほしい。

図2:セグメント機能(グリッド表示)
注:一覧表示(図2青枠部分)を選択している場合や、自分ですでにカスタムセグメントを作成している場合などでは、図2と同じ見え方にはならない。

セグメントを適用したのが図3だ。集計期間は標準の1か月間に指定してある。

図3:[ユーザー]>[サマリー]レポートに2つのセグメントを追加で掛けた画面

「コンバージョンしたセッション」と「コンバージョンしたユーザー」の2つのセグメントを適用したのだが、それには理由がある。

「コンバージョンしたセッション」は購入などのプロセスが含まれると、その分だけサイトに滞在する時間や閲覧するページ数が多くなる

一方、「コンバージョンしたユーザー」のセグメントの方は、この1か月で「コンバージョンしたユーザー」の「コンバージョンしなかった訪問(セッション)」も含まれるため、たいていどちらの指標(滞在時間と閲覧ページ数)も低くなる。その度合いをまずは確認したいのだ。

今回、レポート画面で注目する指標はその「ページ/セッション」と「平均セッション時間」の2つ(図3赤枠部分)なので、

  • 「すべてのセッション(全体平均)」(図3青枠部分)
  • 「コンバージョンが達成されたセッション」セグメントの結果(図3緑枠部分)
  • 「コンバージョンに至ったユーザー」セグメントの結果(図3黒枠部分)

を比較する。

ポイントは「コンバージョンが達成されたセッション」セグメントの結果(図3緑枠部分)のハードルがどれだけ高そうに思えるかという点と、もう1つは該当するセグメントのボリューム感の確認だ。ユーザーリスト化するためには、それなりの量が見込まれないといけない。次に示す図4で、

  • 1か月のセッション数(図4赤枠部分)
  • コンバージョンしたセッションの割合(図4青枠部分)
  • コンバージョンしたユーザーの全セッションの割合(図4緑枠部分)

も勘案するということだ。

図4:[ユーザー]>[サマリー]レポートの上部

この手の1人当たりあるいは、1訪問あたりの平均値というのは、少数のヘビーユーザーによって中央値や最頻値よりも大き目に算出されることを考えると、一般的には少しハードルが低めの「コンバージョンに至ったユーザー」セグメントの平均値に近い値を利用するのがよいだろう

実際今回の例でも「ページ/セッション」が5.69以上、「平均セッション時間」(図3緑枠部分)が4分を超えるというのはハードルとしては高すぎだろう。今回は、「コンバージョンに至ったユーザー」セグメントの結果(図3黒枠部分)の数値を基準にして、

  • 「ページ/セッション」が3.27以上
  • 「平均セッション時間」が2分15秒以上

という2つのセグメントで別々にユーザーリストを作成してみることにする。

図3のサイトの場合は「コンバージョン」の定義が緩め(申し込みの前のステップのページ閲覧なども含まれる)に設定してあるので、「ページ/セッション」が3.27、「平均セッション時間」が2分15秒と、ハードルが比較的低くなっているが、一般的にはもっと多い(長い)はずだ。

ユーザーリスト用のセグメントの設定

1つ目のセグメントは標準に用意されているセグメントには存在しないので、新しいセグメントを作成していく必要がある。まずセグメント機能の左上の「+ 新しいセグメント」(図2黒枠部分)をクリックする。

図2(再掲):セグメント機能(グリッド表示)
注:一覧表示(図2青枠部分)を選択している場合や、自分ですでにカスタムセグメントを作成している場合などでは、図2と同じ見え方にはならない。

新しいセグメントを作成する初期画面では「ユーザー属性」(図5赤枠部分)が選択されているが、1つ目のセグメントは「条件」(図5青枠部分)を選択しよう。図5はその「条件」を選択した画面だ。

図5:「条件」分類のセグメントの画面

「3ページ以上閲覧ユーザー」セグメントの設定方法

セグメントの条件設定は、図5緑枠部分で行う。1つ目の「3ページ以上閲覧したユーザー」セグメントの設定が図6だ。

図6:「3ページ以上閲覧したユーザー」のセグメント

コンバージョンしたユーザーの平均は3.27だったのだが、1人1人のページビュー数に小数点はないので、整数の3あるいは4と指定するしかない。ここでは3ページ以上閲覧とした。

ユーザーベースなので、フィルタは「ユーザー」「含める」と指定(図6赤枠部分)する。そして「ページビュー数」「ユーザーごと」「≥」「3」図6青枠部分)と指定すればよい。1か月間に合計して3ページ以上見れば、このセグメントの対象になる。「3ページ以上閲覧ユーザー」というセグメント名を付け、「保存」をクリックしよう(図5黒枠部分)。

「2分以上滞在したユーザー」セグメントの設定方法

次の「2分以上滞在したユーザー」セグメントの設定は、同様に「条件」分類のセグメントの画面で行う(「行動」分類の「セッション時間」でも同様の設定が可能)。2分15秒がコンバージョンしたユーザーの平均なので、ここは135秒以上と指定できるが、こちらもまるめて120秒(2分)としてみた。図7がその設定例だ。

図7:「2分以上滞在したユーザー」のセグメント

フィルタは図6と同じで、「2分以上滞在した」という条件は、「セッション時間」「≥」「120」図7青枠部分)と指定しよう。ここは秒単位で指定するため、120が2分を意味する。こちらも1か月間に合計して2分以上滞在すれば対象になるということだ。「2分以上滞在ユーザー」というセグメント名を付け、「保存」をクリックしよう(図5黒枠部分)。

それぞれのセグメントをもとにしたユーザーリストを作成する方法

各セグメントを作成したら、次はこれをもとにしたユーザーリストの作成だ。

何らかのレポートに掛けた該当セグメントの右に表示されている下矢印記号(図8赤枠部分)をクリックして、表示される機能から「ユーザーリストを作成」(図8青枠部分)を選択する。

図8:セグメントを選択してユーザーリストを作成する

出てきたユーザーリスト作成画面のリンクの設定で、ビューとAdWordsのアカウントを選択(図9赤枠部分)して次のステップに進めば、図9のユーザーリストの定義画面になる。

図9:ユーザーリストの定義で、ルックバック日数と有効期間を指定

「ルックバック日数」(図9青枠部分)は1か月間の利用行動の指標の数値を利用しているので、「30日」を選択する(図9青枠部分)。

「有効期間」(図9緑枠部分)はどれだけリストが溜まるかという量的な面と、商品やサービスの特性や広告の目的などに応じて適切な日数を設定しよう。ここでは「30日」としてある。

あとは、ユーザーリストに「3ページ以上閲覧ユーザー」という名前を付けて(図9紫枠部分)、保存(図9黒枠部分)する。

もう1つのユーザーリストも同様に「ルックバック日数」と「有効期間」に「30日」を選択して、「2分以上滞在したユーザー」という名前を付けて保存しよう。これでAdWords側でリマーケティングリスト用のユーザーリストとして選択できるようになる。

「成果につながったユーザー」にAdWordsで広告を出稿するには?

AdWords側では、広告グループ(あるいはキャンペーン)のターゲティングの設定で、1つ目のセグメントと2つ目のセグメントをもとにしたリマーケティングリストを選択する。

条件を「掛け算(AND、かつ)」にするか、「足し算(OR、あるいは)」にするかは、リストの量や、広告を出す範囲に応じて選択すればよい。AdWordsのユーザーリストは、「OR」か「AND」か「NOT」で組み合わせることができる。

詳しい設定の方法は、第72回の記事を参照していただきたい。

もちろんこういった条件だと、すでにコンバージョン(トランザクション)した人に広告を出すことにもなるので、コンバージョンやトランザクションしたユーザーは広告対象から除外する設定をしておこう。

そして、広告グループ(あるいはキャンペーン)の除外設定で「コンバージョンに至ったすべてのユーザー」リマーケティングリストを選択する。

これで「コンバージョン(トランザクション)したユーザーと似た行動を取っているユーザー」を対象に広告を出すAdWords設定が完成だ。

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