国内&海外SEO情報ウォッチ 「海外SEO情報ブログ」の鈴木 謙一氏が、日本と海外の検索マーケティング情報をさらっとまとめて毎週金曜日にお届け。
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グーグル、中核アルゴリズムについては更新を発表せず

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グーグル、中核アルゴリズムについては更新を発表せず
★★★☆☆ ペンギン更新は必ず発表があるはず (Gary Illyes on Twitter)

日本ではほとんど話題にならなかったが、10月中旬から下旬にかけて比較的大きな順位変動が米グーグルで発生していた。

アルゴリズム更新を実施したのかという問いに対して、グーグルのゲイリー・イリーズ氏は次のようにツイッターで答えた。

申し訳ないが、僕たちはランキングアルゴリズムの中核部分の更新に関しては、正式には発表しない。そうしたコアアルゴリズムには数百の変更を実施している。今回の変動はそのうちの1つかもしれないね。

“ランキングアルゴリズムの中核部分(core ranking algorithms)”が具体的にどんなものなのかは定かではないが、パンダアップデートやペンギンアップデートとは異なり、すべてのベースになっているアルゴリズムを指すのだろう。

このアルゴリズムに対しては日々改良を重ねているため、いちいちアナウンスしないスタンスをグーグルはとっているようだ。

一方、個々のアルゴリズムについてはアナウンスが出ることもある。たとえばペンギンアップデートの更新についてはたびたびアナウンスが出るのはご存知のとおりだ。

ちなみに、「年内には実施」と予告があったペンギンアップデートの次回更新は、まだ準備ができていないらしい。

中核アルゴリズムとは違って、次のペンギン更新の実施時には、正式発表があるはずだ。

鉄則に反したYouTubeの常時HTTPS設定
★★★★☆ 相反する正規化 (Search Engine Roundtable)

YouTubeはサイト全体をHTTPSにしている。「http:」で始まるURLでアクセスしても、「https:」で始まるURLに301リダイレクトされる。ところが、rel="canonical"タグを見ると、httpのURLが設定されている

httpに向けられているYouTubeのrel=canonical
「http:」のURLに向けられているYouTubeのrel="canonical"タグ

つまり、301リダイレクトで「https:」に正規化しているのに、rel="canonical"では「http:」に正規化している。完全に相反した構成だ。

元ブラジルのグーグルのサーチクオリティチームで働いていたペドロ・ディアス氏がこの件を指摘したのだが、現役グーグル社員のゲイリー・イリーズ氏は次のように返した。

思っている以上にややこしい問題なんだ。だけど、解決に取り組んではいる。

うっかりミスによるものではなく、そういう状態だと認識しているものの、何らかのやむを得ない事情があってこうなっているようだ。

検索結果を見る限りでは、リダイレクトによるhttpsへの正規化が優先処理されている。

httpsでインデックスされているYouTube

リダイレクトは強制的だが、rel="canonical"はグーグルにとって「参考情報」なので、正しい処理だとは言える。しかし、こうした相反した指定が必ずしも適切に処理されるとは限らないと思っておくほうがいいだろう。

常時HTTPSにしたのであれば、リダイレクトによる正規化もrel="canonical"による正規化も両方ともhttpsにするのが鉄則だ。相反する設定は思わぬトラブルのもとになる。

米ヤフーが米グーグルと検索事業で提携! 日本への影響は?
★★★☆☆ ヤフー独自のモバイル検索も開発 (Search Engine Land)

米ヤフーは、検索事業において米グーグルと提携したことを発表した。次の2つにグーグルのシステムを採用する。

  • 検索結果の生成
  • 広告配信

米ヤフーは、2010年2月に米マイクロソフトとの提携を行い、検索システムにはBingを利用していた。その後も契約を更新し今日に至っていた(更新時に契約内容に多少の変更が加えられてはいたが)。

とはいえ、マイクロソフトとの契約を打ち切ったわけではない。Bingのシステムを使いながらも、グーグルのシステム使えるというものだ。割合は決まっているが、どちらの検索結果もヤフーはユーザーに提供できる。

米国のほか、カナダや香港、シンガポール、ニュージランド、メキシコなど他の国のヤフーも対象だ。グーグルの市場独占を良しとしないヨーロッパとインドは含まれていない。

ただし提携したとはいえ、(米国の)司法省が許可しないかもしれない。検索市場におけるグーグルの影響力が大きくなりすぎるからだ。ヤフーとグーグルの提携話が過去にも出たことがあるが、そのときは司法省が認めず、結局は実現しなかった。

今回はどうなるだろうか? 提携が成立したら米国をはじめ対象に含まれている国の検索業界に大きな影響を与えそうだ。

ビッグニュースではあるが、日本にはまったくといっていいほど影響はないだろう。なぜなら、日本のヤフーはすでにグーグルの検索システムを採用しているからだ。米ヤフーが独自の検索システムを終了し米マイクロソフトと提携したときに、日本のヤフーは米グーグルと提携した。

万が一影響があるとしたら、モバイル検索だろうか。米ヤフーは独自のモバイル検索を開発しているそうだ(詳細はSEO Japanの今週のピックアップで)。モバイル検索においては、グーグルでもBingでもなく自社製のシステムを使う用意があるらしい。

日本のヤフーもモバイル検索には米ヤフーのシステムを使う可能性が、ひょっとしたら将来的にあるかもしれない。

ハッキング撃退アルゴリズムはリアルタイム更新
★★★☆☆ 早く対処すれば復活も早い (Gary Illyes on Twitter)

ハッキングを受けたサイトに対処するためのアルゴリズムをグーグルは先日導入した。グーグルのゲイリー・イリーズ氏によれば、ハッキング対策アルゴリズムはリアルタイムで更新するようだ(「記憶が正しければ」ということだが)。

仮にハッキングを受けたとしても、対処すれば比較的早く復活できそうなのは助かる(もちろん、ハッキングなど受けないに越したことはないのだが)。

Fetch as Googleで直接APKファイルを検証可能に
★★★☆☆ 公開前にチェックができる (John Mueller on Google+)

Search ConsoleのFetch as Googleでは、通常のウェブページだけではなくApp Indexingのコンテンツに対しても正しくコンテンツを読み取ってもらえているかを検証できる。

このアプリ向けのFetch as Googleが改良され、APKファイルをアップロードすることでも検証できるようになった。APKファイルを直接使用すれば、アプリを更新した場合でも公開する前に問題がないかどうかを確かめられる

App Indexingを実装しているならアプリ開発者に教えてあげよう。

SEO JapanSEO Japanの
掲載記事からピックアップ

PubConカンファレンスのセッションレポートと米ヤフーの独自モバイル検索についての記事を今週はピックアップ。

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