はじめてWEBインターネット関連ニュース はじめてWEBニュース

ネット広告はどれだけ出せば認知や態度変容がおきるのか、計算式をVRIらが調査で確認

「どれくらいの広告量で、目標数のターゲットに認知されるのか」などが算出可能に
※「はじめてWEB」は2020年10月13日をもってサービスを終了しました。

オンライン広告の効果測定の調査結果を、ビデオリサーチとビデオリサーチインタラクティブが9月3日に発表した。

この調査は、オンライン広告が与える心理変容や態度変容(商品認知、興味関心、購買行動等)について調査し、効果測定の統一的・客観的な基準値を作成することを目的としたもので、日本広告業協会と協力して行った。

たとえば、調査の対象となった代表的な4種類の広告それぞれの、広告の延べリーチと、広告認知率の関係は次のとおりだった。

広告認知率は、どの広告フォーマットでも広告への接触が重なるにつれ上昇しており、かつ広告フォーマットによってその効果は異なることがわかる。

図1 広告フォーマットごとの認知曲線(ターゲット:調査対象者全体)
「広告の延べリーチ」は、ターゲットのうちどれぐらいの人に何回広告が表示されたか。
例:全員に1回ずつ相当の表示回数で100%、全員に4回ずつ相当の表示回数で400%

図2 調査対象となった広告のフォーマット

この調査結果を利用することで、たとえば、「目標数のターゲットに認知されるには、どれくらいの広告量が必要か」といった、広告効果の標準的な目安を事前把握できる。

この場合、「レクタングル型広告の認知曲線の数式(図3)」に、目標とする「ターゲットに対する広告認知率(Y)」をあてはめることで、必要な「ターゲットに対する広告延べリーチ(X)」を逆算できるというわけだ。

調査では、以下のことが確認された。

  • オンライン広告の認知曲線(基準となる広告投下量と広告認知率の関係式、図1を参照)。
  • レクタングル型広告の認知効果は、テレビCMの認知曲線と同様の曲線で表現できること(曲線は図1を参照、関係式と係数は図3を参照)。

    図3 レクタングル型広告の認知曲線の関係式と係数
    「レクタングル型広告」は300×250ピクセルまたは350×240ピクセルの広告

  • レクタングル型広告に比べて、大型広告・動画広告はおおむね広告認知効果が高いこと(参考値、図4を参照)。

    図4 大型広告・動画広告の広告認知効果(レクタングル型広告を1としたときの比)

  • レクタングル型広告認知後の、心理変容効果や態度変容効果の平均値(図5を参照)。

    図5 レクタングル型広告認知者の心理変容と態度変容

  • 広告到達回数が多いほど、高い広告効果が得られる傾向にあること(広告認知、心理変容、態度変容ともに)。

今回の調査で定義している各種の指標は次のとおり。

図6 調査にあたっての指標の定義

調査は2013年9月から原則毎月1回、一般社団法人日本広告業協会と共同で実施しており、約10万人の日本全国20~69歳のPCインターネットユーザーパネルから回答を得た(各回5,000サンプルを回収)。

期間中に調査対象となった広告は107素材で、内訳は、レクタングル型広告:65素材、ビルボード型広告:22素材、ウォールペーパー型広告:10素材、インストリーム動画広告:6素材、その他の広告フォーマット:4素材だった。

調査の詳細については、ビデオリサーチのニュースリリースページを参照のこと。

参考リンク

Web担先生と初心者君のやさしいニュース解説

初心者君

えーと、難しいです。わかりやすく言うとどういうことですか?

Web担先生

要は、「広告をたくさん出すほど、よく広告を認知してもらえる」「広告を認知した人は、興味関心が高まったり購入する気になったりする」といったことが、調査で裏付けられたということだ。

初心者君

なんか、当たり前のことのような気が……。

Web担先生

まぁ、そうなんだけどね。ネット広告では「クリック率」とか「コンバージョン率」は意識されやすいけれども、「広告を“見る”ことで心理や態度に変化があるはずだ」ということが軽んじられていた傾向があったよね。

初心者君

あー、確かにそうですね。広告を見たことによる「広告認知」「心理変容」「態度変容」なんて、リスティング広告のデータに出ないですからね。

Web担先生

でも、広告というのはネット以前から、そうした「心理変容」「態度変容」のために行われていた面があるんだよね。

初心者君

そりゃそうですよね。テレビCMではクリック率なんてないですからね。

Web担先生

それを調査でちゃんと確認したってことだ。

初心者君

なるほどー。すごいじゃないですか。

Web担先生

うむ。でも、まだ調査対象が十分には多くはないので、これからこうした調査を継続していくということだ。

※「はじめてWEB」のオリジナル版は掲載を終了しました

この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

アクセシビリティ
広義には、障害者、高齢者を含むすべての人間が、同じレベルでサービスや機器、施設を ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]