Googleアナリティクス セグメント100選
特定のヘビーユーザー1人に絞り込んで、購入前後の行動や心理をGAデータから分析するには?(第66回)

購買頻度が高かったり、まとめ買いをしたりする特定のユーザーの行動をGAで分析することで、そういったユーザーに魅力的なサイトへと改善するためのヒントを得よう。

購買頻度が高かったり、まとめ買いをしたりする特定のユーザーの行動を分析することで、そういったユーザーに魅力的なサイトへと改善するためのヒントを得たい

Web解析のような大量の数値データから特徴を抽出する分析方法は、一般的に「定量分析」と呼ばれる。セグメントの機能は、特定の条件をグルーピングして、絞り込まれた複数のユーザーや訪問の特性をあぶりだすために有効な分析方法だ。

一方、ヘビーユーザーの一人ひとりを抽出して、そこからユーザーの行動や心理を深く理解することも、場合によっては有効だ。これを「定性分析」といい、Googleアナリティクスでも、工夫次第で定性的な分析は可能だ。

Googleアナリティクスは個々のユーザー(正確にはブラウザ)がどのページを見たのかを知ることのできるレポートは標準で用意されていないが、eコマース計測を実施し、購入実績のある場合にはそれが可能だ。購入実績にはトランザクションIDが付与されるので、このトランザクションIDをキーにして個々の購入実態の明細を確認できるのだ。そこで今回は、トランザクションIDを使って定性的な分析をするための2つのセグメントを紹介しよう。

  • 特定のトランザクションIDを発生させたユーザー
  • 特定のトランザクションIDを発生させたセッション

たとえば、これらのセグメントを使えば、「大量にまとめ買いをしている特定のユーザー」や、「購入間隔の短い購入頻度の高い特定のユーザー」に絞り込んで、個々のユーザーの消費行動を深くえぐることができる。もちろん個人が特定できる情報をGoogle アナリティクスに送ってはいけないので、そのような情報をデータ連携させたりしてはいけない。あくまで匿名性を保持したままでおこなってほしい。

GoogleアナリティクスでトランザクションIDを使ってeコマースサイトのデータを分析にするには、あらかじめ「eコマースのトラッキングコード」を設定しておく必要がある。詳しくは、以下の記事を参照してほしい。

最初に分析対象とするトランザクションを選定する

今回は「大量にまとめ買いをしたユーザー」をまず抽出することから始めよう。まず[コンバージョン]>[e コマース]>[トランザクション]レポート(図1)を表示させる。

操作手順
  1. 画面上部グローバルナビゲーションの[レポート]をクリックする
  2. 画面左側にあるメニューで、[コンバージョン]をクリックする
  3. メニューが開くので、[eコマース][トランザクション]を順にクリックする
図1:[コンバージョン]>[e コマース]>[トランザクション]レポート

「大量にまとめ買いをしているユーザー」は、「収益」や「数量」で並べ替えたとき、上位に表示されるはずだ。標準では「収益」(売上のこと)の多い順に並んでいる(図1赤枠部分)。「数量」をクリックすれば、購入した商品数の多い順で並べ替えることができる(図1緑枠部分)。

「まとめ買いをした」と思われるユーザーにあたりをつけたら、「トランザクションID」(図1青枠部分)をクリックしよう。それぞれの1回の注文(トランザクション)で購入した商品の明細が出てくる(図2)。

図2:[コンバージョン]>[e コマース]>[トランザクション]レポートで、ある1つのトランザクションIDをクリックした後のレポート

図2の例は、ある商品を2つ(図2赤枠部分)、他の4つの商品をそれぞれ1つずつ(図2青枠部分)で合計6個の商品(図2緑枠部分)を買った明細だ。

このようにして分析対象にしたいトランザクションIDが決まったら、そのトランザクションIDを控えておこう。セグメントを作成する際に使用する。

「まとめ買いをしたユーザー」は、まとめ買いと言っても、同じ商品を大量に買い付けているのか、複数の商品を買っているのかなど、さまざまなバリエーションがあるはずなので、どういうユーザーを深く理解したいか、問題意識に応じて、注目したいトランザクションIDを選択してほしい。

「まとめ買いユーザー」に絞り込むユーザーベースのセグメントを作るには?

標準に用意されているセグメントには今回紹介するセグメントは存在しないので、新しいセグメントを作成していく必要がある。

また今回は、まとめ買いユーザーに絞り込むセグメントとして2つ作成する。「ユーザーベース」のセグメントと「セッションベース」のセグメントだ。

まずレポート画面の上部にある「+セグメント」(図3赤枠部分)のエリアをクリックしよう。ブラウザ表示の横幅が狭い場合は、すべてのセッション(図3青枠部分)の下に並んで表示される。

図3:「+セグメント」をクリックする

「+セグメント」(図3赤枠部分)のエリアをクリックすると、図4のようなセグメントの機能が表示されるので、左上にある「+新しいセグメント」(図4赤枠部分)をクリックして新規セグメントを作成していこう。

図4:セグメント機能(グリッド表示)
注:一覧表示(図4青枠部分)を選択している場合や、自分ですでにカスタムセグメントを作成している場合などでは、図4と同じ見え方にはならない。

新しいセグメントを作成する初期画面では「ユーザー属性」(図5赤枠部分)が選択されているが、1つ目のセグメント(ユーザーベース)を作成する場合は「e コマース」を選択(図5青枠部分)する(ちなみに、この後作成する2つ目のセグメント(セッションベース)を作成する場合は「条件」を選択(図5緑枠部分)する)。

図5は、ユーザーベースのセグメント用に「e コマース」を選択した画面だ。

図5:「e コマース」分類のセグメントの画面

ユーザーベースのセグメントの条件設定は、図5紫枠部分で行う。

作成したいセグメントは「特定のトランザクションIDを発生させたユーザー」なので、図6のように指定しよう。

図6:トランザクションIDが「TID123456」ユーザーのセグメントの設定内容

冒頭の作業で控えておいたトランザクションIDを使って、「トランザクションID」「完全一致」「控えておいたトランザクションID」と記述すればよい。

これで「TID123456ユーザー」とでもセグメント名を付けて、「保存」図5黒枠部分)をクリックする。

「まとめ買いユーザー」に絞り込むセッションベースのセグメントを作るには?

先ほどのセグメントは「ユーザーベース」のセグメント(図5茶枠部分)だが、もう1つ、「セッションベース」のセグメントを作っておこう。

セッションベースの「特定のトランザクションIDを発生させたセッション」セグメント、セグメント作成の画面で「条件」を選び(図7赤枠部分)、図7のように指定しよう。

図7:「条件」分類でのセグメントの設定例

こちらはセッションベースなので、まず「フィルタ」「セッション」「含める」図7青枠部分)のフィルタを選択し、「トランザクションID」「完全一致」にして、値として控えておいたトランザクションIDを指定する(図7緑枠部分)。

こちらは「TID123456セッション」とでもセグメント名を付けて、セグメントを保存しよう(図7黒枠部分)。

「まとめ買いユーザー」の購入前後の行動を概観するには?

次にこれらのセグメントの活用方法を見ていこう。まず[ユーザー]>[サマリー]レポートに該当のセグメントを掛ける(図8赤枠部分)。

操作手順
  1. 画面上部グローバルナビゲーションの[レポート]をクリックする
  2. 画面左側にあるメニューで、[ユーザー]をクリックする
  3. メニューが開くので、[サマリー]をクリックする
  4. 今回作成した2つのセグメントを「適用」する(図8赤枠部分、この画面では「すべてのセッション」は外している)
図8:[ユーザー]>[サマリー]レポートに該当のセグメントを掛けた画面

まず折れ線グラフを見てみよう。

グラフや表での色(オレンジや青)は、セグメントをかける順序や他のセグメントによって変わるので、実際のレポート画面で対応を確認してほしい。

図8のオレンジの折れ線グラフは、セッションベースのセグメントを表している。青矢印部分は、購入(トランザクション)があった日だ。

図8の青い折れ線グラフは、ユーザーベースのセグメントだ。ユーザーが購入日以降3週間くらいのあいだ、隔日くらいの頻度でサイトに訪問していることがわかる(なお後述するが、じつはこの間にもう1度購入している)。

購入時のセッションは、「特定のトランザクションIDを発生させたセッション」セグメントの方のデータを見ればよいのだが、グラフ直下の各指標(図8緑枠部分)を見ると、

  • 購入は初回訪問(New Visitor)で発生している(円グラフ)
  • 初めてサイトに来ていきなり大量購入している
  • 約1時間掛けて購入に至った(平均セッション時間)

ということがわかる。

「まとめ買いユーザー」がどこから訪問してきているかを分析するには?

次に[集客]>[すべてのトラフィック]>[参照元/メディア]レポートに該当のセグメントを掛けてみよう(図9赤枠部分)。

操作手順
  1. 画面上部グローバルナビゲーションの[レポート]をクリックする
  2. 画面左側にあるメニューで、[集客]をクリックする
  3. メニューが開くので、[すべてのトラフィック]>[参照元/メディア]を順にクリックする
  4. 今回作成した2つのセグメントを「適用」する(図9赤枠部分)
図9:[集客]>[すべてのトラフィック]>[参照元/メディア]レポートに該当のセグメントを掛けた画面

ここから読み取れるのは、以下のようなことだ。

  • 初回訪問で購入した際の参照元がソーシャルメディアであった(図9青枠部分)
  • その後の訪問はすべて特定のサイトからの訪問(図9緑枠部分)

そして前述したとおり、この3週間くらいの期間内でもう一度購入していて、そのときも結構な金額だったことがわかった(図9黒枠部分)。

「まとめ買いユーザー」はどんな商品をまとめ買いしているのか、分析するには?

そこで次は購入商品を見てみよう。[コンバージョン]>[e コマース]>[商品の販売状況]レポートでプライマリ ディメンションを「商品のSKU」(図10赤枠部分)にして、該当のセグメントを掛ける(図10青枠部分)。「商品のSKU」の「SKU」は「最小管理単位(Stock Keeping Unit)」の略なので、詳細な購入明細ということになる。

操作手順
  1. 画面上部グローバルナビゲーションの[レポート]をクリックする
  2. 画面左側にあるメニューで、[コンバージョン]をクリックする
  3. メニューが開くので、[eコマース][商品の販売状況]を順にクリックする
  4. 「プライマリ ディメンション」を「商品のSKU」を選択する(図10赤枠部分)
  5. 今回作成したセグメントを「適用」する(図10青枠部分)
図10:[コンバージョン]>[e コマース]>[商品の販売状況]レポートに該当のセグメントを掛けた画面

まず上部の折れ線グラフからは、

  • 2回目の購入が初回購入の10日後にも発生していること(図10緑矢印部分)
  • 初回も2回目も、多くの種類の商品をそれぞれ数個ずつというまとめ買いをしている(図10黒枠部分)

ということがわかった。

「まとめ買いユーザー」はどんなページを閲覧しているか、分析するには?

最後は閲覧したページを見ていこう。[行動]>[行動フロー]レポートで、該当セグメントを掛けて、1ページ1ページのページ遷移を確認しようと思ったのだが、非常にデータが少ない場合はこのレポートは表示されないようなので、[行動]>[サイト コンテンツ]>[すべてのページ]レポートに該当セグメントを掛ける(図11赤枠部分)。

操作手順
  1. 画面上部グローバルナビゲーションの[レポート]をクリックする
  2. 画面左側にあるメニューで、[行動]をクリックする
  3. メニューが開くので、[サイト コンテンツ][すべてのページ]を順にクリックする
  4. 今回作成した2つのセグメントを「適用」する(図11赤枠部分)
図11:[行動]>[サイト コンテンツ]>[すべてのページ]レポートに該当セグメントを掛けた

ここからは2回目の購入時のページビュー数が多くなっていることがわかる(図11青矢印部分)。購入時には購入プロセスが発生するので、それなりにページビュー数は多くなるのでそこは自然なのだが、購入時以外の日のページビューは非常に少ないのも特徴だ(図11緑枠部分)。

購入時と非購入時に見ているページには、カート以外でどのような違いがあるのだろうか。非購入時は何かキャンペーンが始まるのを待つなどの特異な行動だったのだろうか。今回は割愛するが、次のステップとしてはそういった疑問を深掘りするために、購入日以外の日に絞ったデータの閲覧ページと比較するなどの分析をして、ユーザー行動理解を深めていけばよい。

なお今回利用したユーザーベースのセグメントの方は、ユーザーベースなので、購入後だけでなく購入前の利用実態も把握できる。今回はたまたま初回訪問で購入のケースだったが、購入前の行動の方を探ることもできる。

セグメントをうまく使えば、このようなユーザー理解を深めるための定性的なアプローチも可能だということを覚えておこう。

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