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「常時HTTPSにしないSEOは間違い。後悔する」グーグル社員が発言 などSEO記事まとめ10+4本

ヤフー検索HTTPS化の詳細情報、HTTPSで失敗している大学サイト、SEOとUXなどの話題も

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グーグルのゲイリー・イリーズ氏がSEOに携わる人に向けて「常時HTTPSにしないと後悔する」と発言した話題を今週はピックアップ。ほかにもヤフー検索HTTPS化の詳細情報、HTTPSで失敗している大学サイト、SEOとUX、すでに廃れた7つのSEOの手法などなど、SEO関連の情報をまとめてお届けする。

今週のピックアップ

「常時HTTPSにしないSEOは間違い。後悔する」グーグル社員が発言
★★★☆☆ グーグル社員からの強烈なメッセージ (Gary Illyes on Twitter)

今後、グーグルはHTTPSをさらに優遇するようになるのだろうか。それとも、個人的な思いをつぶやいただけなのだろうか――グーグルのゲイリー・イリーズ氏が、こんなツイートを投稿した。

SEOに携わっているのにHTTPS化に反対しているとしたら、その人は間違っているし、後悔するだろう。

イリーズ氏は、HTTPSをランキング要因に組み込むことを提案し、そのアルゴリズムを作った本人だ。人一倍強い思い入れがHTTPSにあるのだろうが、この発言は強烈だ。筆者も完全HTTPSを勧めはするが、「間違っている」「後悔する」とまで言い切る勇気はない。

実際に、このツイートに対しては反論や疑問の返信が非常に多くされている。

イリーズ氏の発言は、純粋にHTTPSの普及を切望してのメッセージなのか、それともランキングアルゴリズムとしてのHTTPSがもっと重要度を増すことの布石なのか、どちらなのだろうか? あるいは、その両方かもしれない。

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ヤフー検索のHTTPS化の裏側を詳細に分析してみた
★★★★★ オーガニック検索からも外れてしまった (アユダンテ株式会社 コラム)

ヤフー検索がHTTPS化したのは、前回トップニュースでお伝えしたとおりだ。実際に、もうヤフー検索からのトラフィックでも検索キーワードを取得することができなくなった。

さらに、ヤフー検索からのトラフィックはオーガニック検索ではなく、参照トラフィックになってしまうという想定外の弊害も起きているようだ。アユダンテさんが、ヤフー検索の処理を詳細に解説している。

ユーザーが検索してから、検索結果ページに着地するまでのプロセスは次のとおりだ。

  1. ユーザーが検索(ヤフー検索のトップページはhttp)
  2. httpsで検索結果ページを表示
  3. ユーザーが検索結果から目的のページへのリンクをクリック
  4. httpのリダイレクトページへジャンプ
  5. リダイレクトページから目的のページへ自動リダイレクト
  6. 検索結果でクリックした目的のページにユーザーが着地する

ポイントになるのは、4番目と5番目のステップだ。検索結果で目的のページへのリンクをクリックしたユーザーは直接そのページにジャンプするのではなく、ヤフー内のhttpのページにいったんリダイレクトされるのだ。

このリダイレクトページのURLが目的のページへのアクセスでリファラーとなるのだが、このURLは検索キーワードの情報を含まないため、最終的なリファラーから検索キーワードの情報がなくなる(リダイレクトページはHTTPSではないため、目的のページがHTTPSでなくてもリファラーは渡る)。

また、ヤフーではさらに、meta name="referrer"タグで「content="origin"」を指定することで、(meta referrerに対応しているブラウザでは)最終的なリファラーを参照元のドメイン名だけにするようにしている。

結果として、リファラーには参照元として「search.yahoo.co.jp」のドメイン名だけが送られ、キーワードを取得できなくなる。

しかし、問題が出ている。

Googleアナリティクスでは、ヤフー検索からのアクセスが「search.yahoo.co.jpを参照元とする参照トラフィック」として計測されるようになってしまったのだ。

リファラー内に検索キーワードを示すパラメータがないため、検索トラフィックだと判定されないことが原因だと思われる。

Googleアナリティクスの設定で「オーガニック検索ソース」を追加しようにも、検索キーワードを示すクエリパラメータがないため登録できない。

ヤフー検索からのトラフィックをオーガニック検索として記録させるには、グーグル側に対応してもらうしかなさそうだ。

ヤフーのHTTPS化はキーワード分析を不可能にしたばかりか、アクセス元の分析までややこしくしてしまった。なぜ、事前に各種アクセス解析サービスと調整しておかなかったのか、不思議でならない。

HTTPSの運用に失敗している大学サイトをたくさん発見
★★★☆☆ 応急処置としてHTTP運用を提案 (W3G)

不完全なHTTPSの状態になっている大学サイトが多いらしい。サイト全体をHTTPS化しようとする明確な意図がなかったことで、中途半端なHTTPSになってしまっているのだ。

具体的には、検索結果ではhttpsのURLが表示されるのだが、HTTPSのページにジャンプしても、内容が正常に表示されない場合があるという問題だ。

HTTPS化した理由が、常時HTTPS化することではなく、別のサービスを使うためにコストを抑えようとしたためだったとも推測される。

本来ならば完全なHTTPSへ移行すべきなのだが、応急処置として検索結果にhttpのURLだけを表示させる方法もある。その設定を、こちらの記事は提案している。

せっかく常時HTTPSの環境が整っているのにHTTPで運用するのは実にもったいない。該当する大学が早く問題を認識して対応してくれることを祈る。

グーグル、スマートフォン用のGooglebotのユーザーエージェントを更新
★★★☆☆ 対応は不要 (Google ウェブマスター コミュニティ on Google+)

グーグルは、スマートフォン用のGooglebotのユーザーエージェントを更新した。

Google ウェブマスター コミュニティからのアナウンス

具体的には、次のように変わった。

以前のユーザーエージェント

Mozilla/5.0 (iPhone; CPU iPhone OS 6_0 like Mac OS X) AppleWebKit/536.26 (KHTML, like Gecko) Version/6.0 Mobile/10A5376e Safari/8536.25 (compatible; Googlebot/2.1; +http://www.google.com/bot.html)

新しいユーザーエージェント

Mozilla/5.0 (iPhone; CPU iPhone OS 8_3 like Mac OS X) AppleWebKit/600.1.4 (KHTML, like Gecko) Version/8.0 Mobile/12F70 Safari/600.1.4 (compatible; Googlebot/2.1; +http://www.google.com/bot.html)

ユーザーエージェントを識別する際に重要となる部分の変更ではないように思われる。したがって、多くの場合、何らかの対応をする必要はないだろう。

検索エンジンの仕組みを理解するとSEOに強くなれるってホント?
★★★★☆ 適切なSEOを施策できるようになる (なんでものびるブログ)

SEOを適切に施策するためには、検索エンジンの仕組みを理解しておくことが大切だとして、検索エンジンが検索結果ページを表示するまでの過程を説明した記事。

おおまかな流れの解説ではあるが、主要点をしっかり押さえている。

検索エンジンの仕組みを理解しておくことで得られるメリットとして次の3つを挙げている。

  • 正しいSEOの基準がわかる
  • 実際の運用で大事な応用力が付く
  • SEOのみに必要なHTMLのタグ、設定ファイルについて理解できるようになる

特に、巷のSEO関連情報では「クロール」「インデックス」を軽視することが多いように思われる。

「グーグルにちゃんとページをみつけてインデックスしてもらうこと」ができていなければ、他のすべてのSEOがムダになる。数十ページ程度のサイトならばともかく、ある程度以上のページ数があるサイトを運営するにあたっては、こうした基本をしっかりと押さえておくのが大切だ。

具体的に「何をするべきか」は提示されていないが、基本的な考え方をおさらいしておくにはいいだろう。

ヤフカテ不要論にヤフーカテゴリ公式アカウントが反論
★★★☆☆ 利用ユーザーが確実に存在する (Yahoo!カテゴリ on Twitter)

ヤフーカテゴリが採用しているカテゴリ分類は、不適切で使いづらい。

このような批判に対して、ヤフーカテゴリの公式ツイッターアカウントが、(やんわりと)反論した。

「どんなキーワードで検索すればいいのかわからない」「なんとなくサイトの一覧を眺める」など、ヤフーカテゴリを利用しているユーザーが確実に存在するようだ。

以前に筆者が「どんな人たちがヤフカテを使っているのだろう?」と何気なくソーシャルメディアで発言したときにも、「一定数のユーザーが使っている」と返信をもらった記憶がある。

「ヤフーカテゴリ登録は、特にヤフーSEOに必須」という時代が過去にあったが、リンク目的ではなく参照アクセスを増やすという本来の観点での価値が、サイトのジャンルによっては、ヤフーカテゴリには依然としてあるのかもしれない。

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