【レポート】Web担当者Forumミーティング 2015 Spring
ケンタッキーが取り組む、ユーザー中心の先進的プロモーション効果測定

キャンペーン担当者の伝えたいことと、ユーザーの関心のギャップ

日本ケンタッキー・フライド・チキンは、新商品のプロモーションに際して行ったユーザー中心の効果測定を通し、「キャンペーン担当者が伝えたい“想い”と、ユーザーが関心を持つコンテンツの間にはギャップがある」ことを可視化した。マーケティング施策の課題を浮き彫りにし、優先順位を見直し、最適化を図るための効果測定とは。

日本KFCは新商品のプロモーションにおいてどのような効果測定を行ったのか

Web担当者Forumミーティング 2015 春に登壇した日本ケンタッキー・フライド・チキン(以下、日本KFC)の二戸有紀氏は、「ケンタッキーのキャンペーン施策をユーザー視点で振り返る 先進的なプロモ―ションの効果測定手法」と題し、事例を交えた解説を行った。

2015年2月に発売された日本KFCの新商品「ビストロ風ハンバーグサンド」は、店舗のスチームオーブンを使って焼き上げた肉厚のハンバーグをはじめ、マッシュルームを隠し味に加えたデミグラスソース、マッシュポテトにチーズを合わせた、フランス中南部の郷土料理「アリゴ」をイメージしたソースなどが特徴の商品だ。

二戸氏は、日本KFCがこの商品に対して展開したデジタルプロモーション活動の概要と、そこでどのように効果測定を行ったかを、事例を交えて解説した。

蓄積してきた資産を活用し、複数のチャネルを通したキャンペーンを展開

日本KFCでは、年間のマーケティング計画に基づいてキャンペーンを実施しており、テレビCMや店舗での告知だけでなく、デジタルメディアを通じたキャンペーン告知や情報提供も推進している。

そうした活動を続ける中で、同社では下記のようなデジタル資産を蓄積してきた

  • LINE公式アカウント
  • カーネル通信(メールマガジン)
  • Twitter(フォロワー)
  • Facebook(フォロワー)
  • カーネルPontaクラブ
  • 公式アプリ
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日本KFCのデジタル資産

日本KFCでは、これらの会員組織を通じて新商品の発売やキャンペーンなどの告知を行い、Webサイトに誘導、さらに実店舗への来店を促しているという。

これまで日本KFCがデジタルマーケティングで抱えていた問題として、最終成果地点が店舗への来店であるため、デジタルメディアを活用したマーケティングの成果地点を測定することが困難であり、どこまでビジネスに貢献しているのか把握しづらいという課題があったのだ。そのため、社内のデジタルマーケティングに対する理解が十分に得られず、テレビCMを中心としたマス向けのマーケティングが中心となっていたという。

そこで今回、効果測定ツールを活用して現状を把握するとともに、明確なKPIを定め、デジタルメディアを活用したマーケティング活動においてもPDCAを回していこうと考えた(二戸氏)

ティザーキャンペーンと本キャンペーンでユーザー属性が変化

ビストロ風ハンバーグサンドのプロモーション企画は、「発売前のティザーキャンペーン」と「発売後の本キャンペーン」の二段階で行われた。

まず、発売前のプレゼントキャンペーンでは、「超一流フレンチの極上ランチ・ディナーコースへご招待」というツイートキャンペーンを実施。Twitter上で約1,700万インプレッションの拡散を実現できたという。

なかでも、自社アカウントから投稿されたツイートが最も拡散された。呟いたユーザー層は主婦層が多く、かつ、日頃から「プレゼント」、「キャンペーン」、「ギフト券」といったキーワードをよく呟いていたユーザーが多かったという。

また、ティザーキャンペーンと発売後の本キャンペーンを比較したところ、ティザーキャンペーン時には女性からの反応が7割以上を占めており、商品としても30~40代の女性をターゲットにしていたが、実際の本キャンペーン開始後には、20~30代の男性からの反応が伸びたという。

ティザーキャンペーンと本キャンペーンでツイートするユーザー属性が変化

セット商品やキャンペーン情報の認知にはLINEがもっとも効果的

続いて、キャンペーンサイトのどのコンテンツに対してどんなユーザーが興味を持ったのか測定を実施したところ、下記に示す結果が得られたという。

  1. 熟読エリア: ファーストビューのメインビジュアルや、クーポン、パッケージの開け方といった情報がよく閲覧されている一方で、本来伝えたかった「おいしさへのこだわり」や「手づくり感」といった情報はあまり見てもらえなかった。
  2. 読了率: Webページの半分まで到達したユーザーは約50%、最下部にあるSNSのシェアボタンまで到達した人は10%未満だった。
  3. クリックエリア: 販売店舗へのリンクとクーポン情報のクリック数が多い。
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キャンペーンサイトのユーザーの熟読エリアを解析ツールで可視化

さらに、各チャネル別に効果測定を行ったところ、次のような結果が導き出された。

  1. アクセス数: LINEが圧倒的なアクセス数を獲得しており、続いて自社サイト、メルマガ、公式アプリ、SNSという順番となった。
  2. 属性: 各チャネルの属性に大きな違いはなく、女性が7割を占めており、年齢別では特に30代が多かった。
  3. LINE経由のユーザー: セット商品の情報とクーポン情報を熟読している。圧倒的にアクセス数が多いことから、商品やキャンペーン情報の認知に相性が良い。
  4. メルマガ経由のユーザー: 店舗情報とクーポン情報を熟読している。つまり、最も店舗への来店に近いターゲットと分析される。
  5. 自社サイト経由のユーザー: クーポン等の情報をあまり読んでおらず、店舗や、日本KFCが伝えたかった商品の詳細情報を熟読している。また、検索サイトを経由して自社サイトに来訪していることから、ある程度、能動的に情報を得ようとしていることがうかがえる。
  6. 公式アプリ経由のユーザー: クーポン情報を熟読している。また、合わせて店舗情報をタップするユーザーが非常に多く、母数自体は多くないものの、店舗送客に親和性が高いと考えられる。

これらの結果から、チャネルの中ではLINEが最もアクセス数が多く、認知に向いていることや、ユーザーが最も知りたいと思っている情報は、クーポンや店舗情報であることなどが分析できたという。

User Insightによりわかったこと

測定結果から、キャンペーン担当者が伝えたい“想い”と、ユーザーが関心を持つコンテンツの間にはギャップがあることがわかった。この結果に基づき、今後はマーケティング施策の優先順位を見直し、最適化を図っていく必要がある(二戸氏)

最後に二戸氏は、「今後は、クーポンや店舗紹介で完結しないよう、ユーザーが利用するデバイスや媒体の特性に応じたキャンペーンを打ち出したいと考えている。また、今後も効果測定を行っていくことで、キャンペーンの状況を即座に可視化・分析し、ユーザーが求める情報をいち早く提供していきたい」と述べた。

日本KFCが利用した効果測定ツールと「ヒートマップ機能」

株式会社ユーザーローカル
コーポレートセールス
リーダー
鐘ヶ江 昌紀氏

日本KFCが一連の新商品プロモーションの効果測定に利用したのが、ユーザーローカルの、クチコミ分析に対応したソーシャルメディア解析ツール「Social Insight」と、マルチデバイスによるWeb解析を行う「User Insight」だ。

ユーザーローカルは、これら解析ツールやWebAPIを開発しているビッグデータ分野のベンチャー企業だ。近年ではYahoo!と提携、同社が提供する「Yahoo!アクセス解析」にもユーザーローカルの解析技術が活用されている。

同社の鐘ヶ江 昌紀氏も登壇し、「User Insightで特徴的なのは“ヒートマップ機能”だ。Webサイトを訪れたユーザーの属性や、ページの中をどのように読んだのか、その動きを分析し、赤と青のサーモグラフィによって直感的に表示することが可能だ」など、同社の解析ツールについて説明した。

「User Insight」のヒートマップ表示のイメージ
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