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サイト表示速度のコンバージョンへの影響を監視し、ROI向上のための改善点がわかるSOASTAに話を聞いてきた

サイトの表示速度とコンバージョンなどのビジネスKPIをあわせて判断

Webサイトのページ表示速度は、ユーザーエクスペリエンスの観点でも重要な点だ。しかし、速度改善のためにどれだけコストをかけるべきかを判断するのは難しい。

サイトの全アクセスに対して表示速度をリアルタイムで全数監視し、さらにコンバージョンなどへの表示速度のインパクトを分析することで、「どのページをどれだけ高速化すれば、コンバージョンがどれぐらい増えるか」まで判断してくれるサービスSOASTA(ソアスタ)のサービスについて、SOASTA Japanに話を聞いた。

サイトの表示速度とコンバージョンなどのビジネスKPIをあわせて判断

SOASTAは、「ビジネスKPIを改善できるアクション」につながるインサイトを、ユーザーエクスペリエンスの観点でページ表示速度の情報から得るためのサービスです。

こう話すのは、SOASTA Japan代表の秋山英二氏。SOASTA Japanは、米SOASTA社の日本法人として2014年3月に設立された。

SOASTAがフォーカスしているのは、ユーザー体験、特にデジタルでのユーザー体験です。

そのなかでもSOASTAのサービス「mPulse(エンパルス)」は、Webサイトの表示速度(パフォーマンス)を測定することで、

  • 実際のパフォーマンスはどれぐらいか
  • そのパフォーマンスがビジネスに与えるインパクトはどれぐらいか
  • どこを改善すればROIを効率良く改善できるか

を、リアルタイムで、かつ全アクセスに対してサンプリングなしで測定・分析できるのが特徴です。

Webサイトの表示速度に関しては、昔からその重要性が語られており、たとえば次のようなデータもある。

  • ページ表示速度が2秒から4秒に遅くなると離脱率が8%増える、2秒から6秒に遅くなると25%増える(ゴメスの調査)
  • 一般的に、ページ表示が1秒遅くなると、PV数は11%減り、顧客満足度は16%下がり、コンバージョンは7%減る

グーグルが検索結果での順位決定の要因として採用しているといわれるようになってからは、さらに注目が高まっているのだが、「最適な表示時間は、商材やコンテキストによって異なる」と、秋山氏は言う。

どこででも買える商材ならば、ページ表示が遅いことはコンバージョンへの悪影響が大きい。しかし、「そこでしか買えない」ものならば、ページ表示が多少遅くても、ユーザーは比較的我慢してくれる。

また、商品ページはページ表示速度が遅いと離脱が増えるが、購入ページはそれよりは影響は少ない。

国別でみると、米国人はオーストラリア人よりもせっかちで、ページ表示が遅いと離脱する率が高くなる。

こうしたことは、データを取得して分析して初めて判断できることであり、SOASTAのmPulseは、そのためのサービスとして、次のような特徴をもつという。

  • 実際にサイトを訪れるユーザーの実際の速度を計測している
  • 全ユーザーの全データを測定して蓄積している
  • ページ表示速度とビジネスKPIの関係を把握できる
  • どこを改善どれだけ改善すればいいかがわかる

具体的には、アクセス解析サービスのようにページにJavaScriptタグを埋め込むことで、全ユーザーのページ表示速度データを取得し、さらにコンバージョンポイントを設定することで、速度とコンバージョンの相関性を把握できるようにしている。

データの分析は、一般的なアクセス解析サービスと同様に、Webブラウザだけで行える。

mPulseのリアルタイムレポート画面例

ユーザーの訪問をリアルタイムで表示している画面。地球に表示される点がリアルタイムのアクセスで、緑はSLAで定めた速度を満たしているものなど、色でパフォーマンスがわかる。

mPulseの全体データレポート画面例

ページ表示速度とその分布、ビジネスKPIとの関係、地域やページグループなどごとの順位といった情報が表示されている。

mPulseのビジネス指標インパクトレポート画面例

ページ表示速度とビジネスKPIの関係を表示している画面。中段が、速度とビジネスKPIの関係。横軸が読み込み時間で、表示(青色)が遅くなると(右にいくにつれ)、コンバージョン率(緑色)が下がっているのがわかる。

mPulseのWhat-If分析画面例

What-If分析画面では、ページの読み込み時間を何ミリ秒早くすれば(遅くなれば)、コンバージョンがどう変わるかを試算してくれる。

たとえば上の画面例では、ページ読み込み時間を585ミリ秒短縮すれば、コンバージョン率が0.089%ポイント向上し、注文額が32万ドル増えると試算されている。

ここのデータによりパフォーマンス値をどう改善すればビジネスKPIがどうなるのかがわかるため、「表示速度を1秒改善するのにどれぐらい投資すべきか」を判断できる。

mPulseのデータ詳細分析画面例

ブラウザごとやページグループ(カテゴリなど)ごとなどでデータを分析することも可能。

この画面では、横軸がページグループで、緑色の線グラフがページ読み込み時間の中央値、青色の棒グラフが相対的なコンバージョンへの影響度を示している。

mPulseの競合データ比較画面例

競合サイトとの速度比較も表示できる。画面の下には、各サイトの経過時間(横軸、0.5秒単位)ごとの画面状態を並べて表示している。

ページ表示速度に問題が発生したときにスムーズに対応できるようにもなっているのも、mPulseの特徴だ。たとえば、ページ表示に8秒以上かかったアクセスを一覧表示して、

  • どんな環境で遅くなっていたのか
  • どのサブHTTPリクエスト(画像などの取得)が重かったか

などをスムーズにチェックできるため、問題点の発見し、対応できる。

遅いアクセスがあったときにメールでアラートを出すこともできる。

現状ビジネスKPIとして取得できるのは、Webアプリの場合はJavaScriptやURLから取得できるデータ、モバイルアプリの場合はアプリで取得可能なデータに限定されるが、長期間データを分析する際には、別データをインポートすることも可能。

mPulseの利用量は年間ライセンスで、PV数とドメイン名数で料金が変わる。年間300万円からの料金だが、月間99ドルのmPulse Proや、無料で利用できるmPulse Lightというサービスも用意されている。

ページ表示速度の監視サービスはほかにもあるし、Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールでも最近ではページ表示速度を測定し、かつコンバージョンの情報ももっている。そうしたサービスとの違いに関して、秋山氏は次のように語っている。

mPulseと既存の他の表示パフォーマンス測定サービスとの最大の違いは、「実ユーザーの全データ測定」をしている点です。

既存のサービスでは、データセンターに設置したロボットが定期的にサイトにアクセスして速度を測定しているものもありますが、mPulseが測定しているのは、実際にサイトにアクセスしているユーザーの環境での実データです。

この測定はユーザーのブラウザ上では非同期で動作し、可能な限りページ表示に影響がないように作られています。

また、Googleアナリティクスでもページ表示速度とコンバージョンを計測していますが、ページ表示速度の測定は全ユーザーに対してではなくサンプリングによる一部測定です。

mPulseは全ユーザーのデータを測定しているので、「このページグループの表示速度をこれぐらい改善したら、コンバージョンがこれぐらい増えるはず」という分析を行えるのです。こうした判断は、サンプリングデータでは難しいはずです。

部門の壁を越えてデータをリアルタイム共有

SOASTAは7月24日に、Webサイトの表示パフォーマンスだけでなく、さまざまなデータを1つの画面に表示することで、各部門がもっているデータを部門の壁を越えて共有するサービス「Digial Operations Center(DOC)」を発表している。

Digial Operations Center(DOC)の画面例

DOCは、いわゆる「データダッシュボード」のサービスで、SOASTA製品以外のデータもまとめて1つの画面に表示できるもの。たとえばソーシャルメディアの画面や他のアクセス解析ツール、ログ分析ツールの画面なども含められる。

また、部署や役割に応じてさまざまなダッシュボードを作ることが可能で、開発・運用チーム向け、経営層向け、マーケティングチーム向け、EC販売チーム向けといったダッシュボードをそれぞれ作り、運用できる。

PCだけでなくテレビ画面やモバイルなどにも表示でき、さらに複数のテレビを並べてそこに1つのダッシュボードを表示するといったことも可能。

タブレットやPCなどインタラクティブな操作が可能なデバイスでは、ドリルダウンや拡大といった操作もできる。

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