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デジタル時代に生き残るために必須の「組織変革」2つのカギ――マーケ責任者たちはどう考えているのか

デジタル時代への変革を、オーストラリア銀行やタイム・ワーナー・ケーブル、ガールスカウト連盟のマーケティング責任者はどうとらえているのか
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「マーケターが自己変革に取り組むのも当然のことだ。自分の仕事が変化していっていて、会社もそれに対応して変わろうとしているのだから」――アドビ システムズのビジネス開発および戦略担当バイスプレジデントであるジョン・メラーは、ソルトレイクシティで開催されたAdobe Summitの2日目の基調講演で、会場にいる7000人超のマーケターに向かってそう語った。

記事のポイント

  • デジタル変革の成功を示すいい目安は、上層部からどれほど抵抗があるかだ
  • 新規採用するにあたっては、スキルよりも考え方に注目する
  • 真の変革を行うには構造の簡素化が必要だ

デジタル変革の要は「人」――ツールだけでは進まない

メラーは、製品の刷新をテーマとした前日の基調講演に触れ、次のように述べた。

製品はレシピの一部に過ぎない。デジタル変革を進める成功のカギとして大切なものに、人とプロセスがある。

さらにメラーは、次のようにも指摘した。

企業にとっても個人にとっても、デジタル変革における最大の問題は、ロードマップの欠如、つまりベストプラクティスがきちんと揃っていないことだ。

「デジタル変革(ditgital transformation)」という言葉が示す意味は、企業ごと・マーケターごとに異なる。

一部の企業では、最高マーケティング責任者(CMO)、最高執行責任者(COO)、最高開発責任者(CDO)などの役割を担う「顧客体験責任者」を設置し、デジタル変革に取り組んでいるという。その目標は、会社全体を一致団結させて、顧客に全神経を集中させることにある。独立した専任チームを雇い入れる企業や、そうしたチームが社内から自然発生的に出現しつつある企業もある。

メラーは、全員に共通するのは楽観主義だと述べ、アドビが最近実施した調査に言及した。この調査で、アドビはマーケター1000人にインタビューし、マーケティング環境を取り巻く変化についてどう感じているかを尋ねた。

調査結果によると、65%ものマーケターが、マーケティングにおける変化のペースが加速していると回答している。「恐ろしいほど加速している」とメラーは述べた。

調査で、この変化に対する自分の感じ方を最もよく表していると思う形容詞を選ぶようマーケターに求めたところ、上位は次の3つだった。

  • excited(興奮状態)
  • optimistic(楽観的)
  • encouraged(鼓舞される)

メラーは、マーケターで溢れかえった会場で次のように述べた。

マーケターとそれ以外の人間との違いは、リスクを冒すのを厭わない点だ――たとえそれが失敗を意味するものであっても。

デジタル変革には、社風も組織も人も働き方も変える必要がある

デジタル変革の進行を妨げる最大の障害は、企業の社風を変えることの難しさだ。

この問題について考察するためにメラーは、ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)のトッド・コープランド氏と、タイム・ワーナー・ケーブルのロブ・ロイ氏を壇上に招いた。

左からロブ・ロイ氏(タイム・ワーナー・ケーブル Eコマースおよびデジタルマーケティング担当責任者)、トッド・コープランド氏(ナショナル・オーストラリア銀行 デジタル担当ゼネラルマネージャー)、ジョン・メラー

コープランド氏によると、ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)は、顧客とのつながり方を一新したという。

現在、やりとりの90%はデジタルタッチポイントを経由し、さらに、こうしたデジタルでのやりとりの65%はモバイルで行われているという。だが、同氏は、この65%のうち、モバイルしか使用していないユーザーは10%にとどまるので、さまざまなタッチポイント間の一貫性が重要だと指摘した。

この講演の9か月前、NABは、真の変革を行うには組織構造の簡素化が必要だと判断した。同社は、マーケターや製品担当者、顧客サービス担当者など主要な要員が、顧客体験とデジタルに焦点を絞る「顧客管理ラボ」を創設した

目指したのは「顧客中心主義」と「業務の迅速化」だと述べるコープランド氏は、聴衆にこう語った。

創業156年の企業の社風を変えるには、集中と意識の転換が大いに必要だった。

PowerPointを使うのではなく、プロトタイプを作ったりユーザーテストをしたりという手法を多用して、「カスタマーファースト(顧客最優先)」を進めている。私たちは皆、顧客体験ビジネスに従事しているのだから。

タイム・ワーナー・ケーブルのロイ氏は、デジタル変革の計画を開始したときに、ベンチャー企業のように行動して、データをすべての体験の中核に置く必要性を認識したと述べ、次の言葉を述べた。

迅速な発展、それが何よりも大切なことだ。

社風の変革は、新たな雇用も意味したという。同氏は、複数の仕事を兼務できる人材を探した。ある日は製品マネージャーを務め、別の日にはマーケティングや顧客体験を担当する、そんな仕事を嫌がらないような人材だ。

タイム・ワーナー・ケーブルがデジタル変革に取り込んで間もない頃(2010年頃)には、ケーブルテレビ関係の経験がある者は雇わないようにし、スペシャリストも避けていたというロイ氏は、次のように語った。

ゼネラリスト、すなわち、業務の成り立ちの全体感を把握している者が必要だった。そうすれば、もっとバランスがとれる。

新規採用するにあたって、コープランド氏は、スキルよりも考え方に注目すると述べ、次のように説明した。

ライバル企業出身者は採用していない。電話会社など、他のあらゆる業界出身者を採用している。外部にある創造性と情熱を取り入れなければならない。

ロイ氏によると、デジタル変革の成功を示す良い目安は、上層部からどれほど抵抗があるかだという。ロイ氏は次のように述べている。

抵抗が大きければ大きいほどいい。それによって、自分が本当に組織を改革していることがわかる。

今のスタッフが変革を理解できなければ、外の助けを得るしかない

米国の非営利団体ガールスカウト連盟の最高マーケティング責任者(CMO)であるサラ・ゴームリー氏も、103年前に発足した同連盟におけるデジタル変革について、Adobe Summitで講演した。

同氏も、変革の牽引役になっているのはチームメンバーなのだと言い、次のように述べた。

現在のマーケティングのテーマは「変革」「同情」「称賛」だ。

有能な人材とチームメンバーのいずれかがそのことを学ばなければならない。さもなければ、借りたり購入したりしなければならなくなる。(私が言いたいのは)今いる有能な人材に物事をきちんと把握させるか、業者に頼るか、専従スタッフを雇うかのいずれかが必要だということだ。

ガールスカウト連盟による「デジタルクッキー」構想の立ち上げについても話は盛り上がった。ゴームリー氏は、Thin Mintsクッキーと「Man enough to be a Girl Scout(ガールスカウトに十分ふさわしい男性)」と書かれたTシャツの詰め合わせを、アドビのバイスプレジデントであるメラーに手渡した。

 

メラーはそのTシャツを着て、午前中の講演を締めくくるべく壇上に戻った。

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