編集長ブログ―安田英久
対処療法/対症療法? 準備は万端/万全? 校閲センター運営のメディア「ことばマガジン」がおもしろい

新聞社の校閲センターが運営しているメディア、これが編集者的には非常におもしろいのです

今日は、小ネタです。新聞社の校閲センターが運営している「ことばマガジン」というメディアがあるのですが、これが、編集者的には非常におもしろいのです。オウンドメディアを担当する方も、チェックしてみてはいかがでしょうか?

突然ですが、クイズです。

「準備は万端」と「準備は万全」、どちらが正しいでしょうか?

「対症療法」と「対処療法」、どちらが正しいでしょうか?

答は、それぞれの画像のリンク先「ことばマガジン」にあります。

このサイトは、朝日新聞社の校閲センターさんが運営しているメディア。冒頭で紹介したような、「どの言葉遣いが正しいかのクイズ」など、「正しいコンテンツ」にするための知識を身につけられるサイトです。

スゴいけど表には出ない「校閲」という仕事

校閲者さんというと、オンライン系のほとんどの人にはなじみがないと思いますが、紙メディアでは伝統的な役割です。

記者や編集者が作った原稿をチェックして、日本語の言葉の間違いを見つけたり、用字・用語の不統一を見つけたり(校正)、事実と異なる内容になっていないか確認したり、より正しい・適切な表現にしたり(校閲)ということを専門にしてくれる人です。

記者・編集者がコンテンツの入り口部分である「企画」のプロだとすると、コンテンツの出口部分で最終コンテンツの質を高めるための役割を果たす、重要な存在ですね。

私が書籍をやっていた頃に聞いた、校閲者さんのスゴイ指摘というのがあります。

プログラミング系書籍で、本文には直接は関係ない、あくまでも例として示した料理のレシピに対する指摘で、次のようなものがあったのです。

本文では2人分とありますが、この材料で作ると、どうみても4人分ぐらいになると思います。

単に辞書どおりの正しい言葉を使うようにするだけでなく、読者さんに提供するコンテンツを論理的に一貫した適切なものにすることを、私はこの人から学びました。

ほかにも、校閲さんがスゴいという話題は、まとめで出ていたりしますね。

「ことばマガジン」でも、「校閲って、こんな仕事」とした座談会で、どんな仕事をしているのかを解説しています。

オウンドメディアにも編集・進行管理・校閲という仕組みは大切

さて、昨今のオウンドメディアの盛り上がりで、「コンテンツを作る人(ライターさん)」のニーズはかなり高まっています。しかし、良いメディアはライターさんだけではできません。

伝統的なメディアの編集部には、たとえば次のような役割の人がいます。

  • (編集人)
  • 編集長
  • (副編集長)
  • (デスク)
  • 編集者
  • 進行管理
  • デザイナー
  • イラストレータ
  • カメラマン
  • 校閲者

すでに、オウンドメディアでも「編集長」を決めることは、していると思います。

となると、上記のうち「編集人」「デスク」の役割は編集長がもつこともできますし、「副編集長」は編集スタッフの数が多すぎる場合に編集長の役割を分散させるものですから、小さな編集部では不要でしょう。

予算規模によっては、「編集者」の役割を編集長が兼ねることも可能ですね(実際、私もそういう状態が一時期ありました)。

「デザイナー」「イラストレータ」「カメラマン」などは、必要に応じて外部のプロに頼むことは、すでに行っているでしょう。

でも、意外と「進行管理」「校閲者」のことは忘れられていることが多いのではないでしょうか。

進行管理の人は、編集長よりもエラい?

「進行管理」というのは、商業メディアでは編集長よりも偉い人です。この人が「やれ」と言ったことに従わない編集スタッフはクビぐらいの権限です。まぁ、スケジュールを守らず印刷所・取次に迷惑をかけるようなことがあってはいけない、商業出版ならではの厳しさですね。

でも、編集長というのは「コンテンツの質」「メディアの方向性」に重みを置いた舵取りをしがちなので、進行さんという現実面のコントロール役というのが必要なのです。

校閲さんとのつながりは、広報さんに聞いてみるといいかも

新聞社さんや文芸出版社さんなんかは社内に校閲部があり、校閲の専門家がいますが、企業のオウンドメディアではそうもいきませんから、多くの場合は外部のプロに頼むことになりますね。

紙媒体の衰退とともに、プロの校閲者さんの仕事が減ってきていると聞きますが、それに応じて、校閲さんの知識や技能が失われていってしまっている印象があります。もったいないことです。

外部の校閲者さんに仕事を頼みたい場合、検索してみるのもいいと思いますが、もしかしたら、広報さんに聞いてみるのもいいかもしれません。プレスリリースや広報誌などで、昔から付き合いのある校閲者さんがいるかもしれませんからね。

◇◇◇

オウンドメディアを、単に「より売上をアップさせるための場」だけでなく、ある程度客観的なメディアとして社会のなかで役割を果たすものにしていきたいと思う方は、「ことばマガジン」で校閲さんの仕事を学んでみたり、プロの校閲者さんに仕事を頼んでみたり、するのはいかがでしょうか?

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