Web制作・運用現場のための「課題解決」の教科書

3-2-3 運用ルールドキュメントの事例紹介

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3-2-3 運用ルールドキュメントの事例紹介

それでは、実際にコンテンツの運用に使われているルールドキュメントを見てみましょう。ここではサンプルとなるルールドキュメントの事例を紹介します。自社でマニュアル・帳票・管理表の過不足を考える場合などに活用してください。

運用要件定義書

目的

コンテンツ運用業務の要件の明確化

対象者

コンテンツ運用に関わる全てのスタッフ、および更新の依頼部が利用

内容

コンテンツ運用の要件(やって欲しいこと)を定義したドキュメントです。具体的には、運用対象となるコンテンツとアプリ、サーバー構成や作業場などの運用環境、何を目標に運用して欲しいかという期待成果、運用チームが約束するサービスレベルなどを記載します。

運用要件定義書は全ての運用設計の起点となるドキュメントです。また、本書を整備することによって、運用チームの達成すべき責任と目標が明確になり、業務遂行に向けた使命感が高まる効果も期待できます。

目次(例)
  1. 1.本書について
    • (a)本書の目的と位置づけ、適用期間
  2. 2.運用スコープ
    • (a)担当業務概要
    • (b)運用対象コンテンツ
    • (c)運用対象システム(※アプリのこと)
    • (d)各コンテンツに期待する成果
    • (e)更新タイプ・更新ボリュームの定義
    • (f)コンテンツ品質基準(ガイドライン一覧)
  3. 3.運用体制・コミュニケーション
    • (a)運用体制・役割分担
    • (b)職種別人数・工数・稼働上限、費用発生原則
    • (c)依頼受付窓口・受付時間
    • (d)コミュニケーション原則
      • ①依頼の種類とフォーマット、優先順位
      • ②同時作業キャパシティ
      • ③標準制作期間、閑散期と繁忙期(例年)
      • ④データ授受方法
      • ⑤素材管理原則
      • ⑥納品・検品基準
      • ⑦主な会議体
      • ⑧緊急対応原則
  4. 4.運用環境
    • (a)システム・インフラの全体像
    • (b)アクセス権限一覧
    • (c)ドキュメントおよび管理者一覧
  5. 5.基本運用フロー
    • (a)●●更新の基本運用フロー
    • (b)●●更新の基本運用フロー
    • (c)公開・削除フロー(外部受入型)
    • (d)緊急対応フロー
  6. 6.計画・管理・改善方針
    • (a)品質計画・管理・改善方針
    • (b)業務計画・管理・改善方針

依頼の種類とフォーマット、優先順位

同時作業キャパシティ

標準制作期間

運用フロー図&標準スケジュール

目的

コンテンツ運用業務の標準的な運用プロセスと標準リードタイムの明確化

対象者

コンテンツ運用に関わる全てのスタッフ、および更新の依頼部が利用

内容

コンテンツ運用プロセス(全作業の一連の流れ)を定義したドキュメントです。更新タイプ別の運用フローと、フローの中で行われるタスクの作業カタログを記載します。

運用要件定義書で基本フロー(依頼部の方が頭の中に入れておくべきフロー)を定め、運用フロー図で詳細フロー(実作業者が使うフロー)にブレイクダウンすることが多いですが、フロー変更時に2つのドキュメントを修正する手間がかかるため、流れがシンプルな場合は詳細フローのみとすることもあります。

作業カタログとは、個別タスク(担当者レベルまで分けたもの)について、作業ID、担当部門、インプット情報、アウトプット情報、実施条件、開始条件、完了条件、作業概要、標準作業時間などを定義したものです。

目次(例)
  1. 更新タイプ一覧
  2. ●●タイプ更新の運用フロー、標準スケジュール
  3. ●●タイプ更新の運用フロー、標準スケジュール
  4. 作業カタログ

●●タイプ更新の運用フロー、標準スケジュール

作業カタログ

運用詳細手順書(運用マニュアル)

目的

コンテンツ運用業務の作業手順の明示

対象者

主に各作業を担当するスタッフが利用

内容

各作業を行う正しい手順を示したものです。作業の難しいところは、画面キャプチャなどを添えて解説します。開始条件・完了条件が複雑であれば、チェック表を添えることもあります。

なお、マニュアルには標準作業時間を記しません。作業時には目の前の作業に集中し、正しい手順で進めることに注力します。標準作業時間は習熟により自動的に達成されるものです。間に合わないからといって、手順を省略するような判断は許されないのですから、作業中に標準作業時間を参照する必要はありません。

目次(例)
  1. 1.コンテンツ更新依頼マニュアル
    • (a)コンテンツの更新事由を把握する
    • (b)コンテンツの原稿を開発する
    • (c)コンテンツの制作を依頼する
    • (d)コンテンツの公開を承認する
    • (e)公開したコンテンツを修正・削除する
  2. 2.コンテンツ制作マニュアル
    • (a)運用ファイルサーバーのディレクトリ構成
    • (b)コンテンツの原稿を受理する
    • (c)コンテンツを制作する(CMS)
    • (d)コンテンツを制作する(非CMS)
    • (e)コンテンツを公開する
    • (f)コンテンツを検品・公開する(完パケ納品物)
    • (g)公開したコンテンツを修正・削除する
  3. 3.緊急対応マニュアル
  4. 4.Webシステム設定マニュアル
    • (a)お問い合わせフォームの設定
    • (b)会員制セミナーシステムの設定
    • (c)メールマガジンシステムの設定
    • (d)FAQの更新
    • (e)レコメンドツールの設定
    • (f)サイト内検索の設定
    • (g)●●システムのフロント更新
  5. 5.CMS操作マニュアル
    • (a)初期設定とログイン
    • (b)製品・サービス情報登録、ページ更新
    • (c)サポート情報登録、ページ更新
    • (d)ニュース・イベント登録、ページ更新
    • (e)ロールバック操作
    • (f)素材管理

コンテンツの更新事由を把握する

コンテンツの原稿を開発する

コンテンツの原稿を受理する

コンテンツを制作する(CMS)

各種帳票

目的 コンテンツ運用プロセスにおける情報受け渡しフォーマットの提供
対象者 主に各作業を担当するスタッフが利用
内容

コンテンツ運用プロセスにおけるフローの切れ目、担当者間で情報の受け渡しが発生するときに使う帳票フォーマットです。印刷して押印という慣習は廃れつつあり、システム的な承認フローの下で、電子帳票のまま処理されることが増えてきています。

なお、帳票類の記録は、後で業務のふり返り・改善を行う上で貴重な情報ソースとなります。使い終わってもすぐ廃棄せず、保管ルールに従って保管しておくことをオススメします。

目次(例)
  1. 更新依頼票
  2. 原稿入稿票
  3. 進行管理票
  4. 修正管理表

更新依頼票

修正管理表

各種管理表(一覧表)

目的

コンテンツ運用業務において一覧管理すべき情報の管理フォーマットの提供

対象者

主に管理者(統括ディレクターまたは運用事務局)が利用

内容

変更頻度の高い情報のうち、全体で一覧管理すべき情報を管理するためのフォーマットです。案件を一覧で見て進捗の遅れを把握し、リソースを調整して割り当てるといった用途に使います。

目次(例)
  1. 案件一覧表
  2. 更新ファイルリスト
  3. 運用担当者&連絡先一覧表
  4. コンテンツリスト(コンテンツ依頼部一覧)
  5. Webサイト用アプリ一覧表
  6. 運用ツール一覧表
  7. 課題管理表
  8. 障害管理表

案件管理表

更新ファイルリスト

コンテンツリスト(コンテンツ依頼部一覧)

まとめ

一般的なWebコンテンツの運用管理のルールドキュメントには以下のようなものがある。

  • 運用要件定義書
  • 運用フロー図&標準スケジュール
  • 運用詳細手順書(運用マニュアル)
  • 各種帳票
  • 各種管理表(一覧表)

あさみ「うわぁ。目がチカチカするし、頭がパンクしそうです(汗)。でも、これを一通り理解できれば、新しい運用案件を始めることになっても安心ですね」

鈴木「そうだよ。日々の運用業務をマネジメントしていくことが大事な一方、その基準となるガイドラインをディレクターが理解していれば、一から運用を作りあげることができる。
これで、あさみにどんどん新しいプロジェクトを任せられるな(笑)」

あさみ「はい! えっ、先輩~お手やわらかにお願いしますよ~(泣)」

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  • 著:雨宮秀仁、神尾武志、神保直樹、和田直美、増井達巳(特別寄稿)
  • 価格:2,380円
  • ISBN:978-4-8399-5350-8
  • 発行:マイナビ

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