企業ホームページ運営の心得

「言った、言わない」はなぜ起きる? 水掛け論を解決する方法

水掛け論に発展する前に、文書やメールで確認の一手を打っておきます
Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の397

勝てない勝負

言った、言わない

ビジネスシーンはもちろん、プライベートでも、よくある水掛け論です。プライベートにおける模範解答は最後に紹介しますが、ビジネスシーンにおいて、とりわけ「取引先」や「上司」が相手なら、いますぐ論争から降りなければなりません。論争の先に待つのは敗北だけだからです。

あなたが正しく、完全無欠の正義だとして、それを証明する証拠があったとしても詫びるのが正解です。むしろ、証拠があるなら即刻謝るべきです。以前、「頭を下げるのはコチラが有利なとき」と紹介しましたが、それが今です。反対に論を曲げず、相手を折伏した結果から生み落とされた感情的なしこりは、取引先にとっては取引を停止するモチベーションを高め、上司が「融通が利かない」とマイナス査定をする理由になることでしょう。

なにより「言った、言わない」になった責任はあなたにもあります。そして、下げる頭の角度は「全面降伏」ではありません。

頭の下げ方

頭はこう下げます。

確認をとらなかったコチラのミスです。ご迷惑をお掛けしました

そもそもビジネスにおいては、論争を起こさないために適切な手段を講じるのが「最適解」です。ならば確認作業を怠ったことは、紛れもない事実であり、だから水掛け論になったのです。それを率直に詫びます。

また、メモ書き程度の「証拠」があるなら、頭を下げたタイミングで見せて、確認するのも一手です。ただし「録音」などの、生々しいものは相手の感情を刺激し、理不尽な逆恨みや逆ギレを引き起こすので避けてください。この頭の下げ方は、「ただし、水掛け論における主張を取り下げたわけではない」という「余白」を残す大人の解決策です。

一般的には、この謝罪で水掛け論は解決します。なぜなら、確認をとらなかったのは「お互い様」だと相手も気がつくからです。まれに、それでも「論」を飲み込めとしつこく迫る人種もいますが、そういうときは「野犬に噛まれた」と思って頭を下げ、次から紹介する「確認」を徹底して再発を避けるか、「辞表」を覚悟して最後までやり合うかの二者択一です。しかし、後者は社会人として得策ではありません。

コントロールする方法

サーバーの情報を「全消去」しても、笑って許してくれるほどの信頼関係があるのならともかく、そもそも論として口頭のみの約束は危険すぎます。人の記憶はいい加減です。同じ発言でも、相手の解釈によって受け止め方が異なることなど、夫婦や恋人、家族のあいだでも日常的に起こること。

ビジネスシーンなら書面で、いまならメールなどで打ち合わせ内容を確認するのが常識です。これを怠ったがために水掛け論がおこるのです。だから頭を下げるのは当然ですし、この確認メールを「活用」していないならもったいない話です。

ブレインストーミング的な、口頭での打ち合わせでは「未決定」なままスルーされていく事案や、口頭で告げられる一方的な「お願い」や「依頼」が、水掛け論の火種になります。これをオウム返しするだけのメールなら、手間ばかりかかる面倒な作業です。しかし、そこに「独自解釈」を添えることで、相手をコントロールする手段にすり替えることができます。

確認メールの正体は

Web制作会社の事例でいえば、「サイトをWordPressで構築するか否か」「公開後のコンテンツ管理はユーザーが行うのか」のように、クライアントがその場で決められずに、宙ぶらりんになることがあります。こうしたときは、次のように確認メールをこう書きます。

先日はお時間を頂戴しありがとうございました。
さて、保留になっていた構築方法について、弊社に戻り、
社内で検討したところ「WordPress」が貴社の方針に
最適ではないかという声が多数を占めました。

また、公開後の管理についてですが、新着情報など
「ブログ」的な投稿は貴社で行う方が即時性が高まりオススメです。
ただし、商品紹介ページなど、ビジュアル要素の強いコンテンツにつきましては、
弊社にご相談いただくのが最適かと考えます。

お手すきのときにでも、ご検討いただけましたら幸いです。

検討と多数の正体は秘密

明確な理由がなく保留された事案は、重要度が低いか、十分な理解がないかのどちらかです。そこで確認メールで「方向性」を与えてしまうのです。

「提案型営業」といってもいいでしょう。クライアントから「ノー」と回答されることもありますが、否決という結論もまた前進ですし、なにより水掛け論は発生しません。また、打ち合わせ後も、独自に「検討」してくれていることを悪く思う人はいません。たとえ「社内で検討」の正体が、「自分のデスクでボーっと考えていた」に過ぎず、多数とは脳内のリフレインであっても。

さらにこの例では、サイト公開後の更新の重要性についても踏み込んでいます。これは「売り込み」であり、クライアントに「そういうものか」と思わせる「教育」でもあります。取引先への確認メールは「営業」の場でもあります。

信頼の構築につながる

世の中には「思いつき」だけで発言し、あちらこちらで水掛け論を起こすタイプがいます。思いつきだけで語るので、発言そのものを覚えていないこともあります。上司なら面倒なタイプですが、先の「確認メール」で上司を管理下におくことも可能です。なぜなら、この手のタイプは少なからず「自覚症状」があるので、発言をまとめてくれる部下の存在はありがたく、それが信頼へとつながれば「上司を動かす」ことも夢ではなくなる、とは経験談です。

反対に部下がこのタイプであったり、何かのきっかけで部下と水掛け論になったりした場合、

確認のメールを送るのがビジネスマナーだ

とたしなめます。コツは、まず部下の主張を受け入れることです。「なるほど、君の主張はわかった。私の勘違いかもしれない。しかし……と続けます。「イエスバット方式」とよばれる心理術です。

最後に、プライベートにおける水掛け論への模範解答として、安倍晋三首相の言葉を紹介します。

家庭の幸福は家内への降伏にある

適度に降りるのが正解です。

今回のポイント

頭を下げるときはポイントをずらす

そもそも口頭でのやり取りは危険

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