企業ホームページ運営の心得
「なんでもあり」のハロウィン頼み、秋のイベントシーズンを乗り切る

ジャンルを問わずに参加できるハロウィンは、イベント企画に最適
Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の381

実は1,000億円市場

本稿の結論を述べると「ハロウィンに便乗しましょう」となります。

「ウチには関係ない」と思うでしょうか。しかし、ハロウィンは業種業態を問わない「イベント」です。ハロウィンを取り巻く状況や、現状に至ったプロセスを知れば、便乗しなければならない理由に気づくことでしょう。

ハロウィンほど温度差の激しいイベントはありません。コスプレで地下鉄に乗り込む社会人もいれば、それをみて「なにそれ?」と眉間にシワを寄せる人もいます。毎日新聞は昨年「ハロウィーン人気拡大 市場規模、バレンタイン級(2013年10月24日、東京夕刊)」と見出しを打ち、ハロウィン市場は1,000億円に達し、640億円の「ホワイトデー」をすでに超えていると報じます。

これらの市場規模の数字は、一般社団法人「日本記念日協会」の発表によるものですが、この「市場規模」にはカラクリがあります。そしてハロウィンを「拡大」させた「犯人」の1人は私です。

ハロウィンとはなにか

ハロウィンとは古代ケルト人の「収穫祭」が起源とされます。ハロウィンは一年の区切りを意味し、日本の暦的にあてはめれば「大晦日」。しかし、彼らは「冬」を1年の始まりとしました。そして「夜」は「朝」の「はじまり」です。つまり夜に開催されるハロウィンとは、ケルト人における「元旦」といってよいでしょう。

「米国」の風俗として輸入された当時、「奇祭」の類として紹介され、昭和時代にはカボチャのお化け「ジャック・オー・ランタン」が虚しく笑うだけでした。知名度が急上昇したのは、日本人留学生の悲劇によります。1992年の米国で、ハロウィンパーティーの会場を間違えた日本人留学生が、不審者として間違われ射殺されました。この事件により「銃社会」の問題点とともに、ハロウィンがクローズアップされたのです。

果たして定着したのか

六本木では港区が共催し、東京都が後援する「ROPPONGI HALLOWEEN」と題したパレードが行われていますが、主催者は「六本木商店街振興組合」で、いわば豪華な盆踊り。繁華街の事例が一般論になり得ないのは、サッカー日本代表のユニフォームを着た集団による、渋谷スクランブル交差点での騒動が、日本のサッカー人口の増加を意味しないことからも明らかです。

社会学者の開沼博氏は読売新聞で、

この盛り上がりは最近のもののような気がする

として、ハロウィンの普及はバイラルメディアの手柄と紹介する書籍を礼賛しますが、社会学者にしては世間知らずです。10年以上前から街ではハロウィンが量産され、供給されていたからです。

大人の事情はどこにでも

神奈川県川崎市で行われている「カワサキ ハロウィン」は1997年から始まり、今年で18回目を数えます。東京ディズニーランドのハロウィンイベントも、この年に始まりました。今20歳前後の若者なら、すでに幼稚園でハロウィンを経験しています。バイラルが閾値を超えてブレイクしたのではありません。普及の背景には「大人の事情」があるのです。

毎月、毎週発行を迫られるチラシを手がけていた街角の広告代理店勤務時代。「秋」は苦しい季節でした。「実りの秋」と呼ばれ、スポーツ、読書、芸術、そして食欲と、秋の代名詞は数多いものの、それぞれターゲットが「限定」されてしまいます。

また、9月から11月までと秋は長く、「○○の秋」はすぐに消費します。そのときすがったイベントが、「なんでもあり」のハロウィンでした。そして、秋が訪れるたびに便乗する企業が増えていきます。そう、イベントのネタに困ったときに便利なのがハロウィンで、10年以上前から普及活動が続いていたのです。

とっても乗りやすいイベント

ハロウィンの市場規模が、バレンタインやホワイトデーより大きく算出される理由は「なんでもあり」です。

近年「友チョコ」など、市場拡大を目指す「バレンタイン」は「女性から男性へ」のイメージが強く、消費ターゲットは「女性」と人口の半分に限定されます。さらに「ホワイトデー」は「バレンタイン」でチョコを与えられた男性(とは限りませんが)にしか参加資格は与えられず、必然的に市場は限定されます。

一方のハロウィンは「なんでもあり」。その「便乗」しやすさが、市場規模を大きくさせます(本件の問い合わせに、日本記念日協会は詳細なデータを非公表としながらも、調査範囲に違いがあると回答)。

早々に幼稚園や保育園で「定着」した理由も同じです。宗教性が薄く、決まり事もないので準備は「簡単」です。オレンジ、紫、黒を組み合わせた装飾をするだけで「それっぽく」なりますし、カボチャを描き、お面を作るぐらいなら幼稚園児でも難しくありません。

ハレの日、ケの日

繰り返しますが「なんでもあり」です。イベント内容は自由自在、むしろ飾り付けだけして「何もしない」という選択肢もあるのです。

論より証拠。お近くのショッピングモールを歩いてみてください。「ペットショップ」「花屋」「洋服屋」「ドーナッツショップ」と、ハロウィンのデコレーションがありながら、具体的なイベント施策を打ち出していない、つまり「何もしていない」店舗も少なくありません。

ハロウィンに便乗しなければならない理由は、「もったいない」という言葉に代表されるように、日本人が浪費を戒める文化を持つ点にあります。浪費を消費に変換する鍵が「イベント」です。それは「ハレの日」と「ケの日(日常)」の区分といってよいでしょう。具体的な施策を実施していなくても「ハレの日の空気感」を出すために取り組むべきなのです。ハロウィンとは、大人の事情で生み出された国民的イベント。お盆休みからクリスマスまでに存在しなかった「国民的イベント=浪費(消費)免罪符」なのです。

ただし、文化としての「定着」は意味しません。郊外のベッドタウンの街角で、ハロウィンの「コスプレ」を見ることは滅多になく、近所の見知らぬ子どもが「Trick or Treat」と玄関をノックすることはないようにです。

今回のポイント

文化としては定着していないハロウィン

しかし、浪費に罪悪を感じる日本人への免罪符になる

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