企業担当者に聞くFacebook&Twitter運用の現場
Facebookの投稿ルール 4:4:2の法則とは? 利用者をファンに変えるワイモバイルのソーシャル活用

投稿内容の割合は4:4:2を意識しているという、ワイモバイルのFacebookページ活用を聞いた。
企業担当者に聞くFacebook&Twitter運用

投稿内容の割合は、企業に直接関係のない話題が4、少し関連する話題が4、サービスや事業のお知らせが2という4:4:2を意識しています。Facebookページの投稿を純粋に楽しんでもらい、ワイモバイルのことも好きになってもらえるような投稿を意識的に行っています。

こう話すのは、市岡勇気氏(ワイモバイル)。同社では、もともとイー・アクセス株式会社が運用していた「イー・モバイル(EMOBILE)」のFacebookページとTwitterを引き継ぐ形で運用している。今回はFacebookページの運用について、同社のマーケティング本部の加藤一郎氏と市岡勇気氏、広報・CSR室の飯田伸彦氏に話を伺った。

Y!mobile(ワイモバイル)

  • 運用開始時期:2011年9月
  • いいね!:326,642

イー・アクセス株式会社と株式会社ウィルコムは合併後、2014年7月よりワイモバイル株式会社となった。そして、同年8月1日より、新ブランド「Y!mobile」として、無線事業、固定通信事業を提供している。特にYahoo! JAPANとの提携により、従来の通信キャリアという枠組みを超えて、コンテンツを主役としそれを支える通信インフラとしての事業展開を目指す。

ソーシャルメディア活用の目的
投稿を通してファンを増やし、ロイヤルカスタマーを育成する

――ソーシャルメディアを運用するきっかけ、合併などによる変遷を教えて下さい。

飯田 伸彦氏
飯田 伸彦氏
ワイモバイル株式会社
広報・CSR室
市岡 勇気氏
市岡 勇気氏
ワイモバイル株式会社
マーケティング本部 マーケティング・コミュニケーション部 Webコミュニケーション課

飯田ソーシャルメディアの運用を開始したのは、2011年9月ごろです。現在はマーケティング本部が中心になって運用していますが、開始当初から2013年5月までは広報・CSR室が担当していました。

市岡 マーケティング本部という部署ができたのが2012年4月です。ソーシャルメディアを使ったユーザーとのコミュニケーションが本部署での重要施策として位置づけられ、2013年5月に広報・CSR室から運用を引き継ぐ形でマーケティング本部が運用することになりました。そのとき、ソーシャルメディアの担当を20代の若手中心のメンバー7名で構成しました。このチームは、マーケティング本部以外の各部署の担当者を2名程度ずつ加えて、毎月MTGを実施することで、社内横断的に運用できるようにしました。

その後、ウィルコムとの合併があったこともあり、現在はマーケティング・コミュニケーション部の3名が中心になって運用しています。公式SNSアカウントとしては、Facebook、Twitterの他に、LINE、YouTube、Google+があります。LINEは、ウィルコム時代に開始したものを引き継いで運用しています。

Facebook、Twitterは、ブランディングの浸透、ロイヤリティの向上を目的にしています。広報・CSR室が運用していた時代は、新サービスのお知らせなど、プレスリリース的な投稿が多かったのですが、今は会社が伝えたいことを投稿するだけでなく、ユーザーが投稿を楽しんで見てもらうこと、そこからファンになってもらうことを目指しています

――運用を引き継ぐにあたって、ルールの整備、ガイドラインの策定などは行いましたか。

市岡そうですね、投稿作成の流れ、投稿頻度、コメント返信などの運用ポリシーを整理しなおしました。現在は1営業日1投稿するルールで運用しています。

飯田広報・CSR室が運用していたときは、運用面というよりも、リスク管理の視点からガイドライン策定を行っていました。

運用体制
前月までに投稿内容を決め、投稿の1週前までに記事を完成させる

――Facebookページには、さまざまな話題を投稿されていますが、これらの投稿はどのように作成しているのですか。

市岡スケジュールは、翌月の投稿を前月の中旬までに決めておきます。たとえば、新サービスの発表などはタイミングを合わせてあらかじめ投稿するように決めておきます。その他、お知らせではない投稿も基本的な内容を決定しておきます。

毎月1回、投稿案を決めるための会議を開催して、マーケティング本部以外の担当者も出席してもらって、みんなでネタ出しをしていきます。このとき、投稿する担当者も決めておきます。

あとはスケジュールに従って投稿用の記事を作成します。担当者がメールベースで投稿案をメンバーに送り、メンバーでレビューして改善していきます。最終的に上長が承認して、投稿完了となります。投稿記事は、余裕を持って投稿する前週までに作成するというルールになっています。

また、テキストと一緒に投稿する写真素材も担当者が用意するので、担当者は大変ですね。情報や素材を集めるために、社内の人に話を聞いたり、家族やペットの写真を提供してもらったりと情報収集に努めています。

投稿内容は4:4:2の法則でバランスをとる

加藤 一郎氏
ワイモバイル株式会社
マーケティング本部 マーケティング・コミュニケーション部 Webコミュニケーション課 課長

加藤投稿ネタは、大きく分けると次の3パターンに分かれます。

  • 会社や事業に直結するもの
    新サービスや料金プランの紹介、新CMのお知らせなど。
  • 会社や事業に少し関係するもの
    社員の子どもの写真、観光地の紹介とエリア対応の話題を組み合わせたものなど。
  • 会社や事業にまったく関係しないもの
    今日は○○の日、名言など。

市岡投稿のカテゴリの話題の割合としては、4:4:2を意識しています。関係のない話題が4、少し関連する話題が4、サービスや事業のお知らせが2という割合ですね

お知らせの割合を低めにしているのは、お知らせが多いとユーザーからの反応が下がってしまい、結果としてお客様とのコミュニケーションをするという目的から外れてしまうからです。ワイモバイルからのFacebookページの投稿を純粋に楽しんでもらい、会社のことも好きになってもらえるような投稿を意識的に増やしています。

30万「いいね!」獲得のために継続的なキャンペーンを実施

――Facebookページは現在「いいね!」の数が32万を超えていますが、「いいね!」を獲得するためにどういった施策を行いましたか。

市岡広報・CSR室からFacebookページを引き継いだときは、「いいね!」の数は9,000ほどでした。これを7か月ほどで30万まで増やすことを目標にしました。30万を目指した理由は、国内のFacebookページのトップ30にランクインされるからです。「いいね!」増加のために、Facebook広告やキャンペーンを連続して実施しました。いままで行ったキャンペーンをいくつか紹介します。

100万円相当の純金プレゼントキャンペーン

まずは、「100万円相当の純金プレゼントキャンペーン」です。これはスマートフォン「STREAM X(GL07S)」がソフトバンクモバイルの3G通信「SoftBank 3G」に対応したことを記念しているのですが、純金の純度が99.9%であることがポイントです。SoftBank 3Gの全国人口カバー率が99.9%であることにかけているのです!

1名に現金110万円プレゼント・109名に110円分のAmazonギフト券プレゼントキャンペーン

他にも、「1名に現金110万円プレゼント・109名に110円分のAmazonギフト券プレゼント」というキャンペーンを実施しました。こちらは、下り速度最大110Mbpsのデータ通信が可能なPocket WiFiの発売記念です。

キャンペーンを実施するときは、サービスを知ってもらうことを意識した企画にしています。プレゼント以外のキャンペーンでは、Facebookのアプリで「自分が総理大臣になったら、どういう人事構成になるか」を診断するものを用意しました。大臣は自分のFacebookの友達が表示されます。これは、テレビCMで「矢沢総理大臣」を使っていたので、それと連動させた企画になっています。

インターネット代一生分無料プレゼントキャンペーン

こうしたキャンペーンの実施により、およそ数万人の「いいね!」を獲得できました。一番多くの「いいね!」を獲得したのが「インターネット代一生分無料」というキャンペーンで、7~8万「いいね!」が集まり、目標としていた30万「いいね!」を達成できました。

――キャンペーンを実施すると、キャンペーン終了後に「いいね!」の取り消しなどが発生するといわれていますが、実際はどうでしたか。

市岡一定の数の「いいね!」取り消しはキャンペーン終了後に発生しますが、一時的なもので、その後は獲得した数は維持されますね。キャンペーンを開催したとき、参加者のデータなどを分析すると、ほぼ新しく「いいね!」をしている人たちなので、新規のユーザー獲得という点では効果があります

Facebookページでのコメントは社内で共有

――ユーザーからのコメントには、投稿1つにつき1回まとめて返信するという運用ですね。この運用方法にした理由は。

加藤すべてのコメントに返信を行うのは難しいと判断しました。現在は、翌営業日中に、前日の投稿でいただいたコメント全体に、返信するという方針で運用しています。特に対応が必要なコメントについては、全体へのコメント返信で言及することもあります。

市岡もちろんすべてコメントはチェックしていますし、いただいたコメントに対して「いいね!」をしています。また、カスタマーサポートなどの関連する部署に週1回必ず、共有するようにしています。

効果測定
投稿への反応を評価し、次の企画に活かす

――Facebookの運用で効果を感じるところはどこでしょうか。

市岡ソーシャルメディアでさまざまな情報をユーザーに提供する、という活動への理解が社内で進んでいます。コミュニケーションの手段としてカジュアルに伝えていくということの意義が理解されてきていると思います。別の部署の担当者から投稿してもらいたい情報があると相談を受けることも増えてきました。

加藤先ほどお話した4:4:2の割合とも関連しますが、ニュースフィードに友達の投稿と同列で表示された時に、企業の投稿であっても親しみの持てる投稿であれば、受け入れてもらえると感じています。ファンになってくれた方の反応がダイレクトに数値で確認できるのもソーシャルメディアならではだと思います。

――効果測定としてはどういう数値を評価していますか。

市岡毎月、ページヘの「いいね!」数の推移を評価しています。今後もキャンペーン施策を実施して、「いいね!」数を増やせればと思います。投稿については、「いいね!」、コメント、シェアの数で評価しており、反応が良い投稿の企画は以降の企画にも反映させています。

ソーシャルメディアの使い分け
Facebookはファンの醸成の場所に

――ソーシャルメディアが実際の売上に結びついている実感はありますか。

市岡Facebookでは営業モード全開にしてしまうと、ユーザーが離れてしまうことがわかっているので、ユーザーの獲得といった売上に直結するような事柄はあえて避けています。

一方でLINE公式アカウントは、営業部門で立ち上げて運用していることもあって、LINE限定の加入キャンペーンなどを積極的に展開しており、新規のユーザー獲得につながっています。

Facebookで昔の機種を紹介したときに、コメントで「まだ使っています」、「よい機種だった」という反応をいただいたことがありました。ですので、すでにワイモバイルのお客様になっている方がファンになってくれていると感じています。コールセンターだけでは、聞くことができなかったユーザーの生の声を聞けるようになり、コミュニケーションを通して本当のファンになってもらうことが大切だと思っています。

加藤LINEとFacebookを比較すると、LINEはアルパカのキャラクターのスタンプ配布のキャンペーンを実施した効果もあり500万人の友だちがいて、若い世代の方が多いと感じています。Facebookは、実際の利用者層とも一致する30~40代の男性が多いと感じています。

――Twitterの運用は、どのようにしているのでしょうか。Facebookと同じ内容を投稿しているのでしょうか。

市岡選択と集中という考え方で、現状はFacebookのほうが情報を届けやすいということから、Facebookにより力を入れています。Twitterでは、周知するための情報を中心に配信しています。

運用支援ツール活用
ソーシャルリスニングでつぶやきデスクを採用

――運用ツールとしてつぶやきデスクを採用したのには、どんな理由があるのでしょうか。

飯田つぶやきデスクは、広報・CSR室で運用を開始したときに導入しました。導入するときに数社のツールを比較検討しました。つぶやきデスクは手頃な価格であることが決め手になりました。マルチアカウントでの運用が可能なので、他部署の担当者が増えた時でも柔軟に対応できるのも助かっています。

また、ユーザーの声をチェックするソーシャルリスニングのような活用方法もしています。つぶやきデスクはキーワードを設定しておけば、急に検索ボリュームが増えたときにアラートで通知してくれますし、発言の内容を確認できるので助かっています。

――他の運用担当者に伝えたいコツはありますか。

市岡4:4:2の法則でもお話しましたが、企業目線で伝えたい話題を選ぶのではなく、関連性の薄い話題も提供することで、ユーザーがコメントなどで交流してくれるようになります。周知したい、売上を上げたいというよりも、本物のファンを作っていきたいという考えで運用するといいと思います。

――今後のFacebookページでの企画はありますか。

加藤ワイモバイルとして生まれ変わったことで、通信キャリアというだけではなく、低料金のスマートフォンで市場を作っていきたいと思っています。またYahoo! JAPANとの提携でコンテンツが充実していくので、活用していきたいですね。もちろん、Facebook上でのキャンペーン企画やアプリ企画なども展開する予定です。

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