予算200万円から始めるOne to Oneマーケティング

スモールスタートからめざす究極のOne to Oneマーケティング

3つのスモールスタート式One to Oneマーケティングとそれを足がかりに究極の姿を実現する方法とは
[Sponsored]
[PR]
200万円から始めるOne to Oneマーケティング 連載アイコン

予算200万円からトライアルとして実行できるOne to Oneマーケティングのアイデアを紹介し、スモールスタートの可能性を探っていく本連載。最終回となる今回は、これまで紹介してきた3つのマーケティング手法を振り返りつつ、最終ゴールとして目指すべき究極について解説する。

最終的にめざすOne to Oneとは、
企業が持続的な売上や顧客ロイヤリティを得るために、
顧客一人ひとりに合ったカスタマーエクスペリエンス(CX)を、
時と場所を問わず、提供し続けること

これこそ、One to Oneマーケティングの究極の姿であろう。

しかしながら、あるべき姿の実現にはスモールスタートも重要との観点から、“予算200万円からでも実現可能”なOne to Oneマーケティングのアイデアをこれまで3つ紹介してきた。

スモールスタートのOne to Oneマーケティング

ここでは、第1回~第3回までに紹介してきたOne to Oneマーケティングのアイデアを振り返りながら、その有効性を整理してみよう。

アイデア1 Facebookクーポンを使ったターゲティング

Facebookクーポン

Facebookというと、ソーシャルメディアマーケティングを連想するが、One to Oneマーケティングの手段としても活用できる。

Facebookクーポンは、「自社が狙っているターゲット顧客にピンポイントでクーポンを届けたい!」と考える企業であれば、試してみる意義は大きい。その理由は「配信対象を設定できる」からだ。

対象者を年齢層・性別・居住地域等の項目で細かく設定したうえで、顧客一人ひとりの嗜好に合わせたクーポンを配信すれば、自社のターゲット顧客を効率的に店舗・ECサイトへ誘導できる。

たとえば、「エステが趣味で誕生日が1週間以内の東京在住の20代女性」に対して、「誕生日に自分へのご褒美エステ割引クーポン」といったクーポンを効率よく配布できるのだ。しかもクーポンを配布した顧客に対し、リマインドを兼ねて再度Facebook広告を打つことも可能である。

アイデア2 Webサイト上の行動履歴を活用したレコメンド

デルのサイトでは閲覧履歴をもとに個人向けと法人向けのページを出し分けている

当然のことだが、コーポレートサイトであれ、ECサイトであれ、そのサイトに来訪するユーザーの目的はそれぞれ異なっている。さらに同じユーザーであっても、来訪の時期によって目的が変化することは容易に想像できる。

しかし、多くのWebサイトでは依然としてマスマーケティング同様すべての顧客に同じ情報の提供を行っている。そこで、ユーザー登録やログイン機能のないサイトでも、過去の閲覧履歴を活用し、個々のユーザーに合わせて適切なコンテンツを提示する「パーソナライズ」を予算200万円以内で始める方法について解説した。

たとえば、過去に訪問したことのあるユーザーならば、ページの閲覧履歴から個人か法人かを判別することは簡単だ。このやり方なら、再訪問のユーザーに対して個人なのか法人なのかを推測し、2度目以降はトップページでどちらかのコンテンツを優先して表示させるといった施策が可能になる。その結果、ユーザーは1クリック分の手間を省けることになる。

パーソナライズを「ユーザーへのおもてなし」と考えれば、顧客の望むことに先んじて対応することもその1つだ。わかりきっていることなら、わざわざ選んでもらわずにこちらから提示することで、ユーザーの手間は減り、満足度は高まるはずだ。

アイデア3 リアルチャネルとスマホを連動させたOne to One施策

iBeacon

iBeacon(アイビーコン)は、スマートフォンなどに搭載されているBluetoothを使った近距離通信の仕組み。店舗内などに対応端末を設置しておくことで、来店した顧客にクーポンや商品情報などをプッシュ配信できる。O2Oを実現するための仕組みとしても注目されている。

複数のチャネルをシームレスにつなぐオムニチャネルOne to Oneマーケティングが前回のテーマだった。

たとえば、リアル店舗内の位置データを把握し、顧客のスマホアプリ上や店内貸出タブレット上で商品・サービスを自動レコメンドして「ついで買い」を促進したり、「商品情報」「クーポン」「ポイント」を配布したりするといった施策は、iBeacon等の小型センサリング端末とスマホアプリを組み合わせることで実現可能である。

実際、米国のメジャーリーグ「ニューヨークメッツ」の本拠地であるシティーフィールドでは、このiBeaconが導入されている。顧客がスタジアムに近づくと今日の対戦情報がプッシュ通知で送られ、球場に入ると位置情報で判定されてポイントが貯まり、スタジアム内のお店に近づくとクーポンが送られるというような施策は現実のものとなっている。

究めるための鍵は「シナリオ」と「プラットフォーム」

これまで紹介したアイデアは、スモールスタートの一例であるが、究極のOne to Oneマーケティングに照らすと、まだまだ「限定的」であることは否めない。

Facebookクーポン、Webサイト上のレコメンド、リアルチャネルとスマホを連動させた施策は、シーンやチャネルが限定されており、結果として購買ファネルの一部を満たす位置づけにとどまる。

めざすべき究極の姿とは、以下に示すような購買ファネル全体を見据えたオムニチャネルのOne to Oneマーケティングである。

One to Oneマーケティングの究極の姿

顧客一人ひとりが生涯に渡って、自社の商品・サービスが関わるあらゆるシーン・チャネルで、パーソナライズ化されたエクスペリエンスが、高度なデータ分析に基づいて、ほぼ自動的に提供される状態。

この状態を実現するには、「シナリオ」と「プラットフォーム」が重要だ。

「シナリオ」については、購買ファネルを見据えたカスタマージャーニーマップを描き、関連する施策をプロットし、パーソナライズによる効果が期待される施策を特定し、実行・更新することが求められる。

カスタマージャーニーマップの例
「定年退職者に向けた投資信託セミナー誘導までのシナリオ」

「プラットフォーム」については、顧客データ収集・加工・分析/解析・チャネル連携機能を備えたマーケティングプラットフォームが求められる。

広告配信データ
アクセスログ
CRM
顧客データ
ソーシャルメディア
他のDMPなど
マーケティングプラットフォーム
広告配信
顧客分析
One to One
必要な機能が統合されたプラットフォームならマーケティング施策を一元化できる

One to Oneマーケティングにより、中長期的に数千万円~数億円のインパクトが期待できる事業であれば、部分最適で個別のOne to One施策・ツール・システムを導入するよりも、すべての機能が統合された高性能CMSを導入するほうが有効な可能性もある。また昨今では、キャンペーンマネジメントシステムやマーケティングオートメーションツールなども高度に進化してきている。こうしたソリューションとのシナジーも考えられるだろう。

まずはスモールスタートでOne to Oneマーケティングの実践感覚と成果をつかみつつ、次なるステージを見据えた自社なりの構想を精緻化する。低予算で始められて、段階を踏んでステップアップもできるこのアプローチは、有効な選択肢の1つといえるだろう。

[Sponsored]
この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

Python
「Python」(パイソン)は、プログラミング言語の1つ。プログラマのグイド・ヴ ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]