アズモード宮脇の「現場視点のドメイン選択」
ちょっと待った! 「新gTLD」に潜む “飛びつくリスク”、認識していますか?

目新しいドメインに飛びつくリスクと、企業サイトのドメインのあり方について、現場視点から考える
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新サービスには必ず「飛びつくリスク」が存在します。
企業のドメイン名において大切なのは新奇性ではなく「安心感・信頼感」です。

「.cash」や「.tax」など新たなドメインが利用できるようになることから、業界の関心を集めている「新gTLD」。しかし、目新しいドメインに飛びつくのは果たして正しいWeb担当者のあり方なのか、一度立ち止まって考えてみよう。Web担の人気連載「企業ホームページ運営の心得」の著者、アズモード宮脇氏が、ドメインのあり方について考える。

次々に生まれ、ひっそり退場する新サービス

新gTLDってどんなものがあるの?
  • .xyz
  • .email
  • .link
  • .company
  • .bike
  • .cash
  • .tax
  • など

2014年上半期、もっともWeb業界で関心を集めているのが「新gTLD」

「TDL(東京ディズニーランド)」ではなく、「分野別トップレベルドメイン(generic TLD)」のことを指します。「.cash」や「.tax」などのドメインが利用できるようになることから、選択肢の拡がりを歓迎する声もあります。今回は、現場の視点から、ドメインのあり方について全3回の連載で考えてみます。

業界自体が若く技術革新が進むWebの特性から、新しいルールやサービスは次々と生まれてきます。

「グーグルのリスティング広告が、既存のビジネスを破壊する」と脅した伝道師がいたように、新しいサービスを実力以上に喧伝するWeb業界の風潮がそれらを煽ります。つき合わされる現場のWeb担当者はたまったものではありません。新サービスとほぼ同数が、ひっそりと退場している一方で、既存のビジネスは破壊などされず、法隆寺を創建した創業1400年を超える「金剛組」はいまだ存在します。現場レベルでWebに接するものとして、「新gTLD」にはいささか懐疑的です

仮想空間「セカンドライフ」が日本に上陸した際、猫も杓子もアカウントを作り、仮想空間の土地を買い占め、ユーザーの分身であるアバターが量産されました。また、「グルーポン」に代表される「フラッシュマーケティング」が、ネット広告界の業界地図を塗り替えると喧伝されていました。最近では「Facebook」の過剰礼賛。しかし、実際には「LINE」が国内SNSのトップに躍り出たように、Web業界において新しく登場したサービスには「飛びつくリスク」があるのです。

繰り返しになりますが「新gTLD」とはドメインです。ドメインとはなにか?と考えれば「飛びつくリスク」が顕在化します。

ドメインとは企業の「信用」であり「資産」

ドメイン名に目新しさは必要ですか?
一度取得したドメインを、企業が継続する限り、保有し続けることができますか?

ドメインとはウェブ上の「住所」ですが、企業にとっては「看板」の性格を持ちます。ビジネスで見れば「信用」のシンボルでもあり、ドメインそのものが商標のように流通すれば、すなわちそれは「資産」です。一時の話題性で飛びついた先に、何が待っているのでしょうか。

近年、徐々に表面化しているのが「放棄ドメイン」による「ブランド毀損問題」です。企業が、イベントやキャンペーンごとに取得したドメインを、更新せずに権利を放棄した場合、その権利放棄されたドメインを別の人間が取得し、アダルトサイトなどに転用するのです。イベント期間が過ぎても、口コミや雑誌のバックナンバーに掲載された広告を見てURLを入力するケースはありますし、SEOに力を入れていれば、残された効力が、アダルトサイトへの誘蛾灯になります。その結果、ブランドイメージの毀損が起こるのです。安易に「新gTLD」でドメインを作り、特設サイトを開いた末路のデジャヴを見る思いです。

一般論で考えれば、手放したドメインがどんな商売に使われようと、差し止めることは困難です。信用毀損という損失を含めれば、一度取得したドメインは、企業が継続する限り保有すべきです。これについての対応策は第2回で掘り下げる予定です。

「定番」は「信頼」につながる
信頼度の高いジャパンブランド

現場のWeb担当者、特に法人のサイトを管理するWeb担当者にとって、訪問者に「安心感」を与えるのは重要なミッションです。ユーザーの側に立って考えれば分かることです。ウィルス、フィッシングなど、サイトへの不安は数限りないからです。その視点からも「新gTLD」の積極的利用を奨めはしません。なぜなら「新」との対比で「旧」にあたる「.jp」へ寄せられる信頼は高く、JPRSの調査によると、「.jp」の法人登録者の4人に1人(24.9%)が

“安心感・信頼感”

を決定要因に掲げているのです。主要なTLDである「.com」の17.5%より、4割高い評価に属しています。

安心感・信頼感から選ばれる「.jp」 (※2013年JPRS調べ)
一般ユーザーにも人気 (※2013年JPRS調べ)

さらに、一般ユーザーに登録したいTLDを訊ねると、53.0%が「.jp」を選び、21.7%の「.com」の約2.5倍の支持率を誇ります。「.jp」を提供するJPRSは、フィッシング詐欺などへの悪用報告に対応しており、積み重ねた信頼が、一般ユーザーの支持につながっているのではないでしょうか。また、セキュリティ対策のリーディングカンパニー「マカフィー」は「.jp」を、世界一安全な国別ドメイン名と評価しています(出典:「危険なWebサイトの世界分布2010」)。

対する「新gTLD」の最大のアドバンテージは新奇性です。しかし、それは「旧」のデメリットにはなりません。新旧、善悪といった二抗対立により単純化する思考回路はWeb業界の悪弊です。「旧」が新奇性に欠けるのは、すでに「定番」となっているから。「定番」という評価が信頼を意味することは言うまでもありません。

そもそも新奇性で勝負すべきなのは「コンテンツ」です。珍しいドメインを競う姿は、キラキラネームのサイト版。現場のWeb担当者にとっての正しいベクトルではありません。

先のアンケートではくみ取れない「感覚的な安心感」も「.jp」にはあると睨んでいます。それは「国産野菜」や「国産米」などへの信頼と同じです。国産と有機農法は同義ではなく、国産に安全とルビが振られるわけでもありません。しかし、国産という文字には、それだけで安心感を覚えてしまうのが日本人です。「.jp」への高い信頼感にも通底するのではないでしょうか。そして調べたところ「仮説」が「確信」に変わります。「.jp」の指定事業者は国内に限定され、データも同じく国内で管理されていたからです。

現場のWeb担当者なら、この「安心感・信頼感」を利用しない手はありません。次回よりドメインの実戦的活用法について踏み込んでいきます。

協力:JPRS
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