【レポート】Web担当者Forumミーティング 2014 Spring

59万人動員の「コミケ」Webサイトの集中アクセスを支えるクラウドプラットフォーム/日本マイクロソフト

クラウドプラットフォーム、「Microsoft Azure」の事例が示された講演をレポート
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どんなに優れたWebサイトでも、アクセス集中によってWebサイトがなかなか表示されない、クリックしても反応がないとなれば、ユーザーの満足度が下がることは避けられない。サービスの成長や繁忙期のアクセス増加に柔軟に対応し、応答の遅延を改善しつつ、さらにコストを最適化するにはどうしたらよいのだろうか。年2回のイベントに合わせ負荷ピークが来る「コミケ」Webサイトなど、クラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」の活用事例が示された講演をレポートする。

クリックするとセミナー動画が別ウィンドウで開きます(動画制作:株式会社ヒューマンセントリック)

柔軟かつ迅速なリソース利用でコストメリットの高いAzure

日本マイクロソフト株式会社
Developer Experience and Evangelism
Partner Business Evangelist
増渕 大輔氏
株式会社FIXER
代表取締役社長
松岡 清一氏

最初に登壇した増渕氏は、「ネイティブなインターネット事業者ではない、物販の領域のお客様がどのように大規模かつ高負荷なサイトを運営しているのかを紹介したい」と話す。

マイクロソフトが提供する「Microsoft Azure(マイクロソフト・アジュール)」は、必要に応じてサーバーのリソースを柔軟にスケールできるクラウドプラットフォームだ。企業サイト、Webサービス・アプリのほか、後述のコミックマーケットのWebサイトなどでも利用されている。もともと、マイクロソフトが自社サービスのために利用していたメガデータセンターを活用して始めたクラウドサービスであり、増渕氏は「世界中に16拠点のデータセンターがあり、2014年2月には日本国内の東西に2つのデータセンターが設立された」と説明する。

Microsoft Azureは、10万の仮想マシンを利用するオンラインゲームやオリンピックの動画配信などでも使われているという。「マイクロソフトはソフトウェアの販社というイメージが強いが、グローバルではインターネットやデータセンタービジネスの会社に変わってきている」と話す増渕氏は、Microsoft Azureの活用事例として、マイクロソフトのパートナー企業でもあるFIXER社の松岡氏を紹介する。

まず松岡氏は、Microsoft Azureの紹介動画で概要を説明した。

動画で概要を説明した松岡氏は、Microsoft Azureを使えば、制作者がエンジニアに設定を依頼しなくても簡単にWebサイトを構築できると特長を紹介する。また、パブリッククラウドサービスであるMicrosoft Azureは、必要なときにだけサーバーの公開・停止を設定することで無駄な料金が発生しないため、急速な成長や予測不可能なアクセス増加、周期的なアクセス増加にも、柔軟かつ迅速に必要なだけのリソースを割り当てることができる。

常に負荷のピークに合わせて運用するのではなく、そのときに必要なリソース分のコストだけで運用できることは、クラウドサービスならではの特長だ。

Microsoft Azureの適用シナリオ

短期キャンペーンやサービス成長にも柔軟に対応

実際の企業事例として、大手飲料メーカーの動画配信サイトを紹介した松岡氏は、Microsoft Azureではワンソースの動画からPCだけでなく、スマートフォンなどのデバイス別の動画を自動的にエンコードできるとし、画面サイズや帯域などに合わせた運用が非常に楽になると説明する。

岡山県では、ホームページの自然災害対策として、Microsoft Azureの海外のデータセンターを利用し、無料利用できる1GBのディスクサイズにホームページのバックアップを取っているという。災害の際には、約30分以内で有償領域に切り替えて公開する。

mixiのクリスマスキャンペーン「mixi Xmas 2011」では、1か月の登録者数は270万人、約1億8,000万回のアプリ操作が行われ、数百台のサーバーが使われたという。

1か月の短期間キャンペーンのために数百台のサーバーを購入してセットアップすることは、コストと手間を考えると現実的ではない。Microsoft Azureを使えば、1か月の間だけ利用でき、イベント終了後は小さな領域にバックアップしておいて、翌年のイベントで利用して立ち上げ直すことができる(松岡氏)

松岡氏はこの他にも、多数のユーザーが参加するオンラインゲームや、申込開始のタイミングでアクセスが集中しがちなマラソン大会の公式サイトなど、さまざまなWebサービスやアプリがMicrosoft Azure上で稼働していることを紹介し、「みなさんの生活のなかにも、Microsoft Azureが使われていることが増えてきている」と締めくくった。

スピード開発とスケールアウト運用を実現

再び登壇した増渕氏は、日本マイクロソフトが2012年冬にコミックマーケット(コミケ)に出店したことを明かし、コンシューマに近い企業であることをアピールしたことでさまざまな媒体に取り上げられ、広告の費用対効果が高かったことを示した。また、コミケにはIT業界と親和性の高い入場者が多いとし、新しいテクノロジーを啓蒙する場所としても適しているという。そして、このコミケに参加するキッカケとなったのが、コミケ側がAzureを利用して「コミケカタログ on the Web」や「コミケ コスプレコミュニティ」などのサイトを立ち上げたことだったという。

コミケに限らず、さまざまなWebサイトがアプリやデータのビジネスを行い始めていると話す増渕氏は、万人に受けるディレクトリ化された情報ではなく、特定のセグメントに満足度の高いサービスを提供することがトレンドとなっていると説明する。その背景には、CMSをキッカケとし、鮮度の高い社内情報と連携しながら、Webサイトを通じて新たなアプリやデータなどのサービスを提供できるようになるなど、システム化が進んできているからだと増渕氏は言う。

顧客提供価値を上げるためにPDCAサイクルを回すサービス指向のWeb担当者には、スピード開発とスケールアウト運用が必要になってくる」と話す増渕氏は、年2回の集中アクセスを乗り切るコミケがよい事例となると説明し、コミケを運営するCircle.msの堀口氏にマイクを譲った。

夏と冬のイベント開催に合わせてアクセスが急増

Circle.ms
開発統括
堀口 政史氏

コミケカタログ on the Web(コミケWebカタログ)は出展者の情報や会場マップを収めた冊子版のコミケカタログをWeb化したもので、単なるカタログに留まらずコミケにおける情報がつながりあうサービスを目指していると、堀口氏は説明する。また、今後はコミケを世界に広めるためのインターフェースの役割を担うようにコンテンツを充実していくことも明かした。

コミケの出展サークル数は約3万5,000で、イベントの参加者は延べ60万人ほど。夏と冬のイベント開催に合わせてアクセスが集中するWebサイトには、3つの課題があったと堀口氏は話す。

  1. 時期によってアクセス負荷のピークが極端である
  2. オンライン申込の締切り直前にアクセスが集中する
  3. 今後の展開のためにもさまざまなマルチメディアフォーマットに対応する必要がある

Circle.msがオンプレミス(自社運用)でサイトを立ち上げたときには、リリース後に予想以上のアクセスがあり、すぐにサービスの維持が困難となったという。このため、Microsoft Azureを採用することになったと堀口氏は話す。

Microsoft Azureを採用していなければ、運用を維持しつつコストを抑えてインフラ基盤から再設計することは困難だった。オンプレミスでは、予想の数倍のアクセスに対する設計変更やマシンの増強は難しく、機材の調達、場所の確保、ネットワークの確保を考えれば、短期間の解決は不可能だった(堀口氏)

結果的にMicrosoft Azureを採用したことで、2週間程度でサイトを再構成することができたという。負荷の状況に応じてサービスパフォーマンスを調整し、最小限のランニングコストでの運用を実現したことで、Circle.msでは、オンプレミスで構築した場合と比較して約3分の1にまでコスト圧縮に成功している。

また、検証環境の構築でもMicrosoft Azureは大きなメリットがあると堀口氏は話を続ける。たとえば、20台のサーバーに応じて検証環境を構築する場合は、構成が同一の最小構成の4台程度で検証環境を用意し、手間やランニングコストを抑えることが考えられる。しかし、Microsoft Azureでは、必要なタイミングだけコストがかかる方式でシステムを構築でき、システム構成を容易にコピーできる。

講演の最後は、マイクロソフトの増渕氏が再度登壇し、Microsoft Azureをはじめ、SQL Server BIやWebMatrix、AdvertisingなどのWeb業務の課題を解決するソリューションをそろえていること、「Microsoft Azureでスピード開発とスケールアウトを実現し、Web担当者の業務を応援したい」と話した。

日本マイクロソフト株式会社
http://www.microsoft.com/ja-jp/

Microsoft Azure
http://azure.microsoft.com/ja-jp/

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