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Facebook広告成功のカギは「リーチ」「クリエイティブ」「プレイスメント」、アジアパシフィックの広告効果測定チーム責任者に聞く

Facebook広告の最適化や効果測定方法をFacebookのChris Plambeck氏に聞いた

Facebookをマーケティングに利用する際に、重要な施策となるFacebook広告。一方、従来のディスプレイ広告やリスティング広告と比べて新しいメディアであるため、まだまだ効果的な運用方法を試行錯誤しているマーケッターは多いだろう。

どうすればFacebook広告を上手に活用できるのか、効果測定のコツはあるのか、Facebookのアジアパシフィック地区の広告効果測定チーム責任者であるChris Plambeck(クリス・プラムベック)氏に答えてもらった。主な質問は次の4つ、現在Facebook広告を利用している広告主やこれからFacebook広告を活用したいという広告主のマーケッターにお届けする。

Facebook広告を効果的に活用するためには?
  • Facebookユーザーや広告主にとってFacebook広告とはどんな役割や意義があるか
  • Facebook広告がうまくいく案件と失敗する案件の広告出稿のポイント
  • Facebook広告がうまくいったかどうかを判断する効果測定の方法
  • リスティング広告やディスプレイ広告ではなくFacebook広告を使った方がいい場合とは

Facebook広告を成功させる3つのポイントとは

――まずFacebookでは、どんな仕事をしていますか。それがFacebookのユーザーや広告主にとってどんな役割や意義があるのかを教えてください。

Chris Plambeck氏
Director, Monetization Analytics Facebook
Chris Plambeck(クリス・プラムベック氏)

Facebookのアジア太平洋地域における、マネタイゼーション・アナリティクスチームを統括しています。主な役割としては、プレミアム広告商品の価格決定や、広告商品の正しい効果測定方法を確立していくことです。

また、広告主や第三者機関と協力して、Facebook広告の効果測定を行い、利用者にとって有益な広告が配信できているかを確認しています。

Facebookでもっとも大切にしていることは、利用者にとって最適な広告が表示されているかということです。これは効果測定の側面からみても非常に大事なことです。というのも、利用者にとって無意味な広告を配信してもクリックされず、広告主にとっても結果的に不利益になるからです。

――Facebook広告がうまくいく案件と失敗する案件について、業種、広告出稿の目的、ターゲット層で違いがありますか。また、広告出稿のパターンやポイントがあれば教えてください。

Facebook上で成功を収めているキャンペーンには、「リーチ」「クリエイティブ」「プレイスメント」という3つの共通点があります。

  1. リーチ

    ターゲット層の中で、リーチが多ければ多いほど、良い結果が出る傾向があります。Facebook広告の機能の1つとしてターゲティングの精度が高いことがあげられます。しかし、ターゲットの母数を絞り込みすぎると、広告を見たことでファンになってくれる可能性があった潜在的なユーザーへのアプローチができなくなる危険性があります。そのため、マーケッターには、リーチの重要性を理解してもらって、Facebookのもつリーチ力を最大限有効活用してもらいたいと思います。

  2. クリエイティブ

    Facebookは、他のメディアと違うとよく言われますが、そんなことはありません。今まで他のメディアで学んできたことをFacebook上で活用できます

    たとえば、自社製品の認知度を向上させたいときは、自社のブランドが目立つように、製品に関連したテキストや画像を広告に掲載することで、広告効果を高めることができます。

    よくある失敗例は、多くのクリックを獲得したい、エンゲージメントを高めたい、という思いから自社ブランドとまったく関係のない写真を利用することがあります。しかしこれでは、自社のブランドに対するユーザーの認知を変えたり、製品の売上向上にはつながりません。

    またFacebookの特長として、利用者が1日を通して頻繁に利用することがあります。ですから、定期的に写真などのクリエイティブなものを最適化していないと、ユーザーは同じ広告を何度も見ることになり、反応しなくなります。利用者の体験を損なわずにビジネスを向上させていくには、定期的に広告画像を新しくしたり、調整したりすることが非常に重要になってきます。

  3. プレイスメント

    ここ最近、広告を掲載する場所が特に注目されるようになってきています。Facebookではニュースフィードと呼ばれるところが、一番ユーザーの滞在時間が長い場所です。このニュースフィード上で目立つことがマーケターの成否を決めます。というのも、ニュースフィードに広告を掲載すると、デスクトップPC、モバイル端末の両方で広告を見せることができるからです。

    日本では、モバイルからのアクセスが非常に多く、月間利用者の85%がモバイルからアクセスしています。そのため、モバイル端末でも、PCと同じように広告が見えるということがとても重要となってきます。

上記以外にも、Facebookの新しい広告商品である「カスタムオーディエンス」を使うことで成功を収めている広告主もいます。このカスタムオーディエンスを使って、自社のCRMシステムや顧客データベースから顧客データを読み込み、そのデータをFacebookの利用者とマッチングさせることで、よりターゲティングされたメッセージを利用者に届けることができます。

カスタムオーディエンスを使えば、企業内の顧客データを利用したターゲティング広告が可能

具体的な例を紹介すると、食品インターネット通販のオイシックスは、このカスタムオーディエンスを活用し、会員のメールアドレスと電話番号を使ってFacebookの利用者と照合し、会員の30%とマッチングできました。その中から1年以内に商品を購入した会員にFacebookページの存在を告知し、1年以上購入がない会員には、季節の商品を勧めました。会員ごとに適した広告を届けることで、広告費に対して5倍の売り上げを達成できました。

Facebookでは、常に広告商品の改良・改善を行っており、カスタムオーディエンスのような広告商品を活用して頂くことで、費用対効果の高い広告展開ができます。

消費者の購入ファネルの各ステージでFacebookはさまざまな役割を担う

――そもそもFacebook広告が「うまくいったかどうか」は、どうやって判断するのでしょうか。効果測定について、基本的なところから教えてください。

Facebookキャンペーンの成功の定義は、業界によってさまざまなので一概には言えません。そのため、私たちが抱える課題は、特定の業界に適したソリューションを提供することです。たとえば、通信業界向けに発表した効果測定ソリューションがあります。それによると、ある通信企業のキャンペーンでは、Facebook広告を見て購入した人々の90%がその広告をクリックしていないことが判明しました。

広告主には、Facebookがビジネスにおいて、成果をもたらす手段の1つであることを理解してもらいたいと思っています。今日、オンラインで取り組んでいることの多くは、通販サイトや、特定のランディングページに誘導することだと思います。そのため、広告主の多くがCPA(Cost Per Acquisition)に注力しています。

もちろんFacebookでもCPAを測定できますし、CPAだけを測定していたとしても、Facebookで顧客の獲得に貢献できます。たとえば、Facebookに訪れる利用者が、広告に興味を引かれて、広告をクリックし、ランディングサイトに飛んで、成約に至るというケースです。

しかし、Facebookのユニークな点は、消費者の購入ファネルの各ステージにおいて、さまざまな役割を担うことができるので、そこまでCPAに注力する必要がないということです。私たちは、広告主の方々に、マルチタッチ広告の特性というものを考えていただきたいと思っています。マーケティングソリューションのKenshooが実施した最近の調査によると、Facebookではマルチタッチ広告のほうがラストクリック広告を使った場合より、ROIが12%~30%高かったことが判明しました。

Facebook広告をさまざまなアトリビューションモデルで分析した結果。縦軸はラストクリックモデルと比較したときの貢献度増加率(Kenshoo発表のアトリビューションモデル分析より

――Facebook広告では、長期間に渡ったユーザー行動を含めて、広告効果測定をできるのでしょうか。たとえば、Facebook広告がきっかけで、企業のFacebookページを知ったユーザーが、その後どの程度Facebookページを訪れたり、投稿にエンゲージメントしてくれているのかを、広告クリエイティブごとに比較したり、きっかけが広告でないユーザーと比較したりできますか。

広告主は、活動の全体的な効果を確認できますし、ファンや投稿、インプレッションなど、部分的な分析も確認できます。

ファンに関しては、ファンとファンではない利用者に対して、広告がもたらす効果について調査を行いました。ほとんどのファンはブランドに対する好感が高く、商品の購入に結び付きやすいという考えには間違いがありません。

しかし、弊社の調査によると、ファンではない利用者の中にも購入者がいることがわかりました。したがって、広告はファンだけに向けるのではなく、より広くのターゲットにメッセージを届ける必要があります。ファンだけに注力している広告主は、購入する可能性を持つ多くの潜在顧客を逃していることになります。

次に投稿に関して説明すると、広告の活用でFacebookページに誘導することはできますが、ブランドイメージを強化するには、質が良く関係性の高いコンテンツが必須です。コンテンツの関連性が高いほどエンゲージメントも増え、ブランド信仰も強まります。

逆に、質の悪い投稿はファンの減少につながらなくても、ブランドに対する好感度が薄れ、エンゲージメントも減ってしまいます。こういう意味で、投稿は非常に大切なものであって、ファン数だけに集中していると、潜在しているブランド価値を上げる可能性を失ってしまうことになります。

――たとえば、B2B企業がリードナーチャリングのためのセミナーを開催し、その集客にFacebook広告を利用して、どの広告からセミナーに申し込んだ人が、その後案件化したかを把握したり、広告からの訪問情報を自社のCRMに統合したりできますか。

ベンダーによりますが、マルチタッチ広告の特性を考慮することで測定が可能になります。広告がクリックされなかったからといって、何も成果を出してないとは言えません。これはマルチタッチ広告による展開や、オフラインでの販売を促進するキャンペーンでも明らかになっています。インプレッションには価値があるということをマルチタッチ広告が教えてくれます。

モバイルユーザーにリーチしやすいFacebook広告

――リスティング広告やディスプレイ広告ではなくFacebook広告を使うほうがいいのは、どんな場合なのでしょうか。

モバイルのニュースフィード広告

モバイルに広告を出す場合です。消費者がいるところに広告を出す必要があります。日本では、Facebookのモバイル月間利用者1800万人(全体の月間利用者は2100万人)のうち、1300万人の利用者が毎日モバイル経由でFacebookにアクセスしています。

Facebook広告は、モバイル利用者の利用体験を損なわないやり方で、こうしたマスのモバイル利用者をターゲットにできます。Facebook広告の価値が高い点としては、それらがFacebookの普段の利用体験の中によく統合されていることです。

つまり、ポップアップ広告やバナー広告のように、利用者の体験を邪魔したり、利用者が押しつけがましく感じる広告ではないということです。Facebook広告は、利用者に関連性の高い広告であり、利用者の体験を損ないません。利用者にとって広告の価値と関連性が高くなればなるほど、広告主にとっての利用価値も高まります。

また、モバイルのニュースフィード広告は、利用者が見る画面の大半を占めるため、他のモバイル広告のように画面の端で表示されるような広告より、多くのアテンションを得ることができます。

世界規模で利用者はモバイルに向かっていて、特に日本ではモバイルの浸透率が高く、その傾向が顕著です。Facebookは、こうしたモバイルのトレンドを先取りした広告製品をもっており、広告主に大きな価値を提供できると思っています。

ユーザーを保護して、ベストなユーザー体験を提供する

――Facebookは広告に対するガイドラインが厳しいですよね。どの規約が重要なのでしょうか。またそもそもなぜそのような規約があるのでしょうか。

私たちの方針は利用者を保護し、ベストなユーザー体験をしていただくことです。まったく自分と関連性がなかったり、不適切な広告やコンテンツが散乱する場所にFacebookをしたくありません。ですので、最優先はより良いユーザー体験です。

広告主に対しては、関連性とメッセージが大切だというのが、我々のアドバイスです。良いユーザー体験には最初のページに適切なメッセージや画像があるということが重要です。

Facebook広告ガイドラインの詳細。

――これまでにご覧になったユニークかつ斬新で記憶に残るFacebook広告はなんでしょうか。

あるワイナリーで開かれる特別試飲会のFacebook広告を見ました。まったく聞いたことのない会社だったのですが、おもしろそうだったので、週末にワイナリーに出かけてみました。そこで、とてもよい経験を得られたので、すぐにメーリングリストにサインし、3年が経ちました。

メッセージもクリアでしたし、広告も関連性が高いものでした。このような広告に対するROIは無限だと思います。現に私も、過去1年にこの会社から多くのワインを購入しました。Facebookが良いプラットフォームである、ということの一例だと思います。

――すでにFacebookを使ったことがある日本の広告主と、これから使いたいという広告主両方に対してメッセージをお願いします。

Chris Plambeck氏

すでに使っていただいている方々にはお礼を申し上げます。良い体験をなさっていれば嬉しいです。広告主の方々にはぜひFacebookがビジネスに実際に役立つという点をご理解いただきたいと思います。我々はさらに多くの機能を増やし、規模を問わずさまざまなビジネスオーナーの方々にご利用いただきたいと思います。

まだこれから、という広告主の方々には、日本では特に重要なモバイルへのリーチ力があるところを知っていただきたいです。広告主の皆様がお客様に伝えたいメッセージは、Facebookから伝えることが可能です。多くの利用者がモバイルからFacebookを利用しています。消費者の動向としては重要だと思います。

Facebookは広告をより良いものとするように日夜努力を続けていますし、皆様にFacebookをお客様に対するマーケティングチャンネルとして考えていただきたいです。ぜひ、いろいろな機能を利用してみてください。広告のコンバージョンを高めたいのであれば、CPMを使い、広告主であればカスタムオーディエンスを使ってください。

Facebookは他のメディアが持っていないターゲティング機能を数多く持ち合わせていますので、みなさまの成功をサポートできると思います。

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