スマートフォンレポート

O2O施策5タイプの効果を検証、サービスジャンルによって異なる利用率

2013年7月発表の調査レポートから「実店舗への顧客誘導サービス(O2O)利用動向調査」の内容を届ける

この記事は、ドコモ・ドットコムが発行するモバイルビジネス・マーケティング情報誌「スマートフォンレポート」の一部を、Web担当者Forum向けに特別公開したものです。

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今回は2013年7月に発表された「スマートフォンレポート vol.7」から、調査報告3「実店舗への顧客誘導サービス(O2O)利用動向調査」の調査レポートをお届けする。

5つの代表的O2O施策の効果を検証、10代~60代の利用状況を調査

「Amazon」や「楽天」に代表されるECサービスの利用は、内容の充実ぶりや手軽さ、安心感の高まりなどから、増加の一途を辿っている。またフィーチャーフォンからスマートフォンへの移行が進み、画面サイズが大きくなったことや、PCサービスにもアクセスしやすくなったことなどから、モバイルECサービスの利用も拡大傾向にある。

一方でその反動から、実店舗で買い物をするケースが減少している点が問題視されている。企業側は、如何にして実店舗へユーザーを誘導し、売上を確保するかといった手法を検討していると思われるが、その有効施策として注目されているのが「O2O」と呼ばれる、インターネットメディアから実店舗への誘導施策である。

「O2O」とは「オンライン・ツー・オフライン」の略称で、インターネットメディアにてセールなどのお得な情報や実店舗で利用出来るクーポンなどを発行し、実店舗へ顧客誘導する、などといった施策のことである。代表的なものとしては、

  1. デジタルクーポン

    お店で安く買い物が出来るデジタルクーポンを発行する

  2. 来店ポイントサービス

    店舗に行くとポイントが貯まり、買い物に利用出来る

  3. デジタルチラシサービス

    チラシ広告をデジタル化し、安価な商品をデジタルメディアで探すことが出来る

  4. エリア店舗情報サービス

    今いる地点に近い場所で、クーポン利用が可能な店舗を検索・利用することが出来る

  5. 公式アカウントサービス配信

    LINEなどで公式アカウントを保有し、登録者に対しクーポンやお得情報を配信する

等といった施策が挙げられるが、これらの施策がどの程度ユーザーに認知され、利用されているのかといった状況について、独自調査を実施した。この調査結果を基に、「O2O」サービスの利用実態について分析してみたい。

ユーザーは安く買い物をするためにO2Oサービスを使い分ける

まず、前述の5タイプについてその利用経験を見ると、下記図1のような結果となった(図1)。

図1 サービスジャンル別利用状況
図1 サービスジャンル別利用状況

「デジタルクーポン」の利用経験率が高く、「よく利用している」「たまに利用している」を合わせると約半数を占める。性年代別に見ると、男性10代及び女性10~30代の利用傾向が高く、「ファーストフード店」「飲食店/レストラン」といった飲食系ジャンルに集中している。各サービスの利用状況からもわかるが、「マクドナルド」などに代表されるディスカウントクーポンの高い浸透率がうかがえる(図2)。

図2 各サービス利用状況
図2 各サービス利用状況

「よく利用している」という利用頻度の高さを示す回答が最多だったのは、「来店ポイントサービス」であった。男性10代における利用の高さが目立つ同サービスだが、中でも「家電量販店」の利用が目立っている。「ヤマダ電機」などポイント配布に積極的な店舗が頻度高く利用されている模様である。

「デジタルチラシサービス」は、「来店ポイントサービス」と似た利用傾向を示したが、その内訳を見ると若干異なり、飲食系店舗、「ファッション/アパレル」「ドラッグストア」「家電量販店」「ホームセンター」など多岐に渡る利用が見られたのが特徴的である。

SNSや無料通話系サービスにおける「公式アカウントサービス配信」については、積極的とまではいかないものの、一定の利用傾向が感じられた。飲食系店舗や「コンビニエンスストア」など身近な店舗における利用の多さが特徴といえる。

位置情報を利用して現在地に近い店舗のお得情報・クーポンを入手し、活用することが出来るという「エリア店舗情報サービス」については、現時点での認知度が低いことも影響してか、他サービスに比べるとやや低い利用率となった。ただし極端に低いというわけではなく、飲食系店舗を中心に1/4のユーザーが利用している状況となっている。

これら各サービスの魅力は何といっても「安く買える/利用出来る」といった「お得感」に集約されるが、サービス毎にその内容を細かく見ると、支持されている魅力に若干違いのあることが分かる(図3)。

図3 各サービスジャンルの魅力
図3 各サービスジャンルの魅力
  • デジタルクーポン
    ⇒割引サービスが受けられるから
  • 来店ポイントサービス
    ⇒何も購入しなくてもポイントを貯めることが出来るから
  • デジタルチラシサービス
    ⇒セール情報がわかるから
  • エリア店舗情報サービス
    ⇒行きたいお店を見つけるのに便利だから
  • 公式アカウントサービス配信
    ⇒割引サービスが受けられるから

これらの特色から、各サービスをそれぞれ使い分けながら、安く買い物をしようとするユーザーの意識が感じられる。故に、お得情報・クーポンなどを配信する企業側としても、自社のサービス内容を鑑みつつ、自社店舗に誘導するにはどの提供形態が最適なのかを考慮した上で展開することが重要となる。

一方で、各サービスに対する不満点においては共通した傾向がうかがえた(図4)。

図4 各サービスジャンルの不満点
図4 各サービスジャンルの不満点

「対象となる店舗数が少ない」「クーポン割引率が小さい/お得感が感じられない」といった回答がやや目立っていることから、より多くの店舗でより大きな割引を期待するユーザーの多いことがわかる。但し、「不満点は特にない」という回答が各サービスで最多であることから、現利用ユーザーにおいては一定の満足感を得ている傾向も感じられる。

購入機会の多い店舗ジャンルはO2O施策と好相性

今回の調査を通じて最も特色が出たのは、各種お得サービスを利用する店舗ジャンルに偏りが出た点であろう。「飲食店/レストラン」「ファーストフード店」といった飲食系店舗や「コンビニエンスストア」、また「家電量販店」「ファッション・アパレル」「ドラッグストア」等の店舗利用に集中している傾向が強く出現しており、それ以外のジャンル店舗利用は極めて少ない。デジタルメディアを活用した実店舗への誘導施策を展開している業種自体に偏りがあることも影響しているだろうが、ユーザーが少しでも安く買い物をしたいと思うものが、支出機会の多い「飲食費」「日用品/生活用品」などに集中した結果であるといえよう。すなわち、購入機会の多い店舗ジャンルは「O2O」施策と相性が良く、かなり有効に作用すると想定される。

利用傾向の高いジャンルにおいては、「家電量販店」がやや性格が異なる印象を与えているが、これは長年展開してきたポイントサービス文化がしっかりと定着しており、いつか大きな買い物をする時のためにポイントを集めておこう、といったユーザーが数多く存在することが表れた結果であろう。購入機会がそれ程多くなく、単価が比較的高い商品を扱う店舗においては、このような「購入する時にディスカウント出来るようポイントをためておく」といった手法が適しているのではと想定される。

一方で、「美容室」「エステサロン」といった美容系、また「映画館」「テーマパーク」といった娯楽系など、飲食系や日用品等と比べると利用機会の少ないジャンルにおいては、デジタルメディアを使ったお得情報・クーポン配信サービスの利用もまだまだ少ない状況となっている。とはいえ、従来誌面などでのお得クーポン発行などが良く見られるジャンルも多数あることから、まだO2O施策の展開自体が少ないのではと想定される。今後サービス展開が増えた際に、どの程度その存在をユーザーに認識させることが出来るかが鍵になると思われる。

現時点におけるインターネットメディアを使ったお得情報・クーポン配信は、購入機会の多い店舗ジャンルで一定数利用され、実店舗への誘導にある程度成功している段階といえよう。今後は週一回、月一回程度利用機会のあるような店舗のジャンルに対し、より多くの顧客誘導が如何に展開させられるか、サービス自体の認知・利用向上が図れるかが鍵となる。

独自開発でのサービス提供は費用も大きくかかるなどリスクもあるため、まずは既に会員基盤を保有しているプラットフォームの活用、ソーシャルメディア公式アカウントの利用、またシステム部分にASPサービスを用いるなどといった、比較的参入ハードルの低い形から展開してみてはどうか。その後、認知経路として高い指数を示した「実店舗でのお知らせ」「お店のホームページ」「インターネット上でのニュース・広告」といった部分での告知を強化するなど、「O2O」サービス利用ユーザーを増加させ、結果的に実店舗への来店者数増加を達成したいところである(図5)。

図5 サービスジャンル別認知経路
図5 サービスジャンル別認知経路

スマートフォンになり、表現力や活用領域が更に広がったモバイルだが、従来備わる「いつでも・どこでも」といった携帯特性をより活かし、ECサービスの利用デバイスとしてのみならず、顧客誘導のツールとしてもぜひ活用したいところである。

調査対象 15歳以上59歳までの男女個人
調査地域 全国
有効回答数 600サンプル
※事前調査におけるスマートフォン保有者の性年代別出現割合を構成比として、下記の割り付けにて回収
10代 20代 30代 40代 50代 60代
男性 33 66 76 68 43 28 314
女性 33 73 72 55 34 19 286
66 139 148 123 77 47 600
調査実施期間 2013年6月14日(金)~6月17日(月)
調査方法 インターネット調査
調査実施機関 株式会社ドコモ・インサイトマーケティング

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「スマートフォンレポート」は、独自調査の分析レポートや、NTTドコモへのインタビュー、またモバイルビジネスを展開する上で鍵となるメールマーケティングや広告展開等についての記事を掲載する隔月発行のモバイルビジネス・マーケティング情報誌です。

※6/26をもってサービスの提供を終了致します。
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