企業ホームページ運営の心得

元祖SEO作文。指示語・エピソード・思い出話

コンテンツ作成のコツを「SEO作文」で解説
Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の323

ネット選挙におけるSEO実験

お盆前の特別号でも触れたようにネット選挙解禁前、政治もメディアもSEOについて「無知」といってよい状態でした。ネガティブキャンペーンを行う他サイトを抜き去り、「桐島ローランド 逮捕」(記事内容はSEOの無知に触れたもの)で検索結果の上位に表示させたときの大手報道機関の記者の驚きを思い出します。ちなみに本稿執筆時は2位に表示されます。

同時に彼らが本気を出したときの情報収集力と学習能力の高さも知りました。その記者の指摘によって、ある政治家はTwitterアカウントを凍結する羽目となり、日経新聞は8月5日の朝刊にて、「検索結果はコントロールできる」という前提の記事を掲載していました。

そしてこの事件は、私にとってもエポックメイキングでした。経験から編み出した「SEO作文」の優位性が証明されたからです。そこにペンギンアップデートの影を見つけます。そして今回はその「SEO作文」を「あいうえお作文」風に紹介してみます。

タイトルに元祖とつけたのは、たぶん、こんなくだらないことを考えているのは私ぐらいだろうという意図です。

お題は“S”(日本語読み)から

「あいうえお作文」とは、「お題」とされたキーワードが文頭に並ぶように文章を作る言葉遊び。2ちゃんねるで散見する「縦読み」と手順は反対ですが、仕上がりは同じです。今回でいえば「SEO」のそれぞれの文字からはじまる文章を作るというもの。それでは「SEOのS」から始めます。

S:指示語(Shijigo)をキーワードにする

キーワードを頻出させるのは古くからあるSEOですが、無理矢理キーワードを登場させる中身のないコンテンツはスパムとされ、全キーワードの内、何パーセント以内という俗説が今でもまことしやかに囁かれています。文章を簡潔に表現するために日本語では、「あれ、それ、これ」といった指示語を多用しますが、指示語は対象キーワードを指すことが多く、これを「対象キーワード」に置き換えることで、自然にキーワードを頻出させることを実現します。

同じく「彼、彼女、やつら、あいつら」といった三人称を用いずに、人名や団体名(固有名詞)を用いますが、すべてを置き換えてはくどくなるため、さじ加減も必要です。ちなみに「San-ninsho」とこちらもSです。

眠ったままのエピソードを掘り起こす

続いては、

E:エピソード(Episode)を盛り込む

今度は英語です。言葉遊びなので笑って見逃してください。

自社開発の商品なら、開発秘話やパッケージに込めたメッセージ、さらに開発主任の趣味や人柄までと、多様なエピソードを盛り込みます。仕入れて売る商品なら、体験談や利用者の声はもちろん、仕入れた理由をマーチャンダイザーに語らせてもいいでしょう。商品についての直接的な情報は、どこのサイトでも掲載します。しかし、商品の周辺に眠るエピソードを放置しているコンテンツはとても多いのです。

前述の桐島ローランド氏の場合は、女優と結婚していたことや、芸能一家という背景からエピソードに事欠かず、SEO効果が高まったのは皮肉な話しです。なぜなら、グーグルは情報の善悪を区別しないからです。

2つとないオリジナルコンテンツ

グーグルは内規におけるプライバシー侵害と認めない限り、ネガティブ情報を排除しません。誹謗中傷であっても、それを望むユーザーにとっては有意義な情報だとグーグルは考えるからです。グーグルは礼賛の声も、批判の叫びも区別しません。さらに批判と誹謗中傷を見分けることも第三者には困難であり、グーグルはどちらの情報も平等に扱います。

それではSEO作文の最後、「O]は

O:思い出話はオンリーワン

想い出とオンリーワンの2つにかけて和洋折衷。対象キーワードにまつわる自分の思い出話を織り交ぜる方法です。自身の体験談である「思い出話」は、2つとないオンリーワンのコンテンツです。エピソードとの違いは、主観のみでOKだというところ。

主観を止めることはできない

桐島ローランド氏と私に接点はなく、特筆すべきエピソードはありません。しかし、「思い出話」ならこういう方法が使えます。

桐島ローランド氏といえば、目黒区青葉台で行われていた某ブランドのセールに足を運んだときのこと。店へ向かう道中、モデルを使った撮影が行われていました。土地柄、撮影など珍しくもありませんが、すれ違いざま確認したモデルは有名女優であり、桐島ローランド氏の元奥様です。あまりの美しさと透明感に圧倒されました。桐島ローランド氏の名前を見るたびに思い出します。

婚姻時でもなければ、結婚に絡むエピソードでもありません。しかし、私が思い出すことを止める術はありません。

「E」におけるエピソードを、論拠や根拠、証言をともなう客観的なものとすれば、「O」はそれらを必要としない主観的なものと色分けすることができます。

長い文章は読まれる

基本情報は踏まえるのは言わずもがな。そして「S」でキーワードを増やし、「E」と「O」で情報の厚みを増し、検索結果の良い影響を期待するのが「SEO作文」。

二度にわたるペンギンアップデートによって、外部リンク(スパムリンク)によるアプローチの効果は激減したと報告されています。それに歩みを揃えるようにして、目に見えて効果を感じるようになりました。そして、コンテンツの質が検索結果の順位を左右するなら、それはまさしく、Web担当者の腕の見せ所です。

文章を長くすると、必ず反論として挙げられる理由が「長い文章は読まない」。何度も繰り返していますが、そんなことはありません。また、長い文章を読ませるための工夫や取り組みもあり、これについては次回以降に譲るとして、1つだけ確実に言えることは、

クローラは長い文章でも読む

ということ。クローラが活字離れしたという話は耳にせず、情報量の多さ=文章の長さに好意的であるのは、彼らの習性です。これは経験則に過ぎませんが、エピソードや思い出話を、「情報」と判断してくれる可能性は極めて高いと見ています。

今回のポイント

オリジナルコンテンツが重用される時代がやってきた

指示語(三人称)、エピソード、思い出話のSEO

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