企業ホームページ運営の心得
あまちゃんから学ぶ共感力。語るべきはガンダムでも斉藤由貴でもない

共感する仕掛けを生みだすコツを人気テレビ「あまちゃん」に学びます
Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の319

あまちゃんに支配される1週間

いわゆる「オヤジ週刊誌」でも特集が組まれるほど大人気、NHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」。オヤジの私もハマっています。朝昼2回に加えて、日曜日のダイジェスト版まで見ており、あまちゃんに支配された1週間を過ごしております。もちろん、人気はオジサンだけのものではなく、共感する仕掛けが随所に詰め込まれているのも大きな理由ではないでしょうか。

共感とは視聴者や読者の心を掴むための必要条件。今回は簡単に共感を得る方法を「あまちゃん」から学びます。メルマガ、ブログ、コンテンツのすべてで通じる方法です。

脚本家の狙い

物語の主人公は17才の女子高生。母の実家を訪ねたことから海女となり、ご当地アイドルを経て、本物のアイドルの階段を駆け上がるなかで大震災がやってくる……のは、今後の予定も含めた「あまちゃん」のあらすじで、本稿執筆時はドラマ内のアイドルグループ「GMT47」の序列を決める「国民投票前夜」です。

「アイドル物語」にまったく興味のなかった私がチャンネルを合わせた理由は「キョンキョン」です。脚本を手がけるのは、いわずとしれた人気脚本家の宮藤官九郎氏。彼とわたしは同学年。「アイドル」が「虚像」と呼ばれはじめた時代に「わたしはアイドル」と歌いきったキョンキョンが、アイドルを目指す主人公の母親役。このシニカルな仕掛けにやられます。

母親の青春時代であった1980年代の「思い出話」が物語のバックボーンとなり、それだけで共感してしまうのです。

“一番好き”は捨てる

簡単に共感を得る方法とは思い出話です。共感とは互いに理解できる価値観のことで、ドラマなら脚本家と視聴者、コンテンツなら著者と読者が理解できる思い出話を用意するのです。

しかし、一番好きなもの、ハマった記憶は避けるのが無難です。どちらも思い入れが強すぎで、空回りするからです。冷静に書いているつもりでも、論点がずれて暴走してしまうのです。「あまちゃん」にはトシちゃんやチェッカーズといった当時のアイドルが、何人も実名で登場しますが、脚本家の宮藤官九郎氏が一番好きだったアイドルは「斉藤由貴」。しかし、作品のなかでは余談的に登場するだけに留めています。奇遇ながら私も斉藤由貴さんのファンです。今でも。

すべてが共通とは限らない

私が斉藤由貴さんの存在を知ったのは、「青春という名のラーメン」がキャッチコピーのインスタントラーメンのCMで、ブラウン管の向こう側から呼びかける声に時間が止まったことを鮮烈に覚えています。

今のようにインターネットがあるわけではありません。明星、平凡といったアイドル雑誌を追い掛け、古本屋で彼女が登場したグラビア雑誌を買い漁り、そういえば「あまちゃん」でキョンキョンの旦那(劇中離婚し、元旦那となる)を演じる尾美としのりさんは、彼女の主演映画『雪の断章』と同時上映された『姉妹坂』に出演していたなあ……と。このように一番好きなものを語り始めると、読者にとってはどうでもよいトリビアを紹介してしまうものだからです。それは第三者の目で見ると、ほぼ100%「蛇足」です。

ハマった記憶も同じです。たとえば、アラフォー男子にとって「ガンダム」は共通体験ではあります。しかし、だれもがそのままズブズブとはまったわけではありません。

リアルタイムが当たり前の時代

小学生から中学生に進むと、日向小次郎のタイガーシュートの再現を試みていた同級生はサッカー部に入り、おもに夕方から放送されていたロボットアニメを見ている暇がなくなりました。ハードディスクレコーダーどころか、ビデオデッキも普及していない時代、アニメは自宅でリアルタイムに見るものだったのです。

80年代の小学生も今や30過ぎのオヤジ世代、テレビの視聴形態は大きく変わったことでしょう。こうした当時を振り返るのも共通体験です。

ポイントは対比

ロボットアニメが全盛期を迎えていたころ、パソコンの前史時代である「マイコン」が登場しブームになっております。経済評論家の勝間和代氏は、当時このマイコンを買い与えられており、ITコンサルタントの梅田望夫氏は、すでに大学にあったパンチレコーダー式のコンピュータを使っていたと著書に記しています。

当時は、コンピュータに熱中した一般人がはじめて登場した時代です。私の近所に話を戻すと、とっぽい連中はヒロシとトオルに憧れ、ベストヒットUSAで洋楽に目覚めた連中もいました。同じ時代といっても、ガンダムだけではなく「キャプテン翼」から「PC6001-mk2(マイコンの機種名)」まで幅広く、ハマっていたものが存在するのです。すなわち、1つのことに熱中し過ぎていた時期の記憶は、同世代とずれていることがあるのです。

さて、お気づきでしょうか。共感を得るコツとは斉藤由貴を控え、ガンダムに口を閉ざすことではありません。もちろんだらだらと思い出話を語ることでもありません。

現在との対比

を織りこむことです。斉藤由貴では「インターネットがなかった時代」。ガンダムでは「アニメはリアルタイムでみた時代」という、対比によって同世代の共感を得ることを試みているのです。そしてもう1つ。ずるいといわれる共感を呼ぶための方法をネタばらし。

人気作品に便乗

これだけで「共感指数」が高いのです。本稿においてそれは斉藤由貴……ではなく「あまちゃん」です。

今回のポイント

対比により当時を再現する技術

思い出話は共感を呼ぶキラーコンテンツ

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