衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座

Googleアナリティクスの導入から、運用、活用まで、正式なサポートがない初めての人でもゼロから学んでいけるように、丁寧に解説していく。

Googleアナリティクスとは/衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座

具体的に、私は毎日、どのレポートをどのように分析しているか?(続き)

ページ

具体的に、私は毎日、どのレポートをどのように分析しているか?(続き)

前日の訪問数が普段より多ければ理由を探ってみる

図1赤枠部分のように、前日の訪問数が普段の倍くらいに跳ね上がっているような場合に、はじめてその理由を探る作業に入る(こういうことは頻繁にあるわけではない)。

確認するポイントは2つだけだ。時間はかからない。

  • どこからの利用(参照元)が増えたのかを確認する
  • それは新規なのかリピーターなのかを確認する

まずはどの参照元からの訪問が増えたのかを大雑把に把握するため、トラフィックを大分類に分けて見てみる。そのために利用するのが、[ユーザー]>[サマリー]レポートのアドバンス セグメントだ。

操作手順
  1. [アドバンス セグメント]のボタン(図1青枠部分、図2赤枠部分)をクリックする
  2. 「デフォルトのセグメント」から「検索トラフィック」「ノーリファラー」「参照トラフィック」の3つをチェック(図2青枠部分)する
  3. [適用]ボタン(図2緑枠部分)をクリックする
図2:デフォルトのセグメントから選択
図2:デフォルトのセグメントから選択

このセグメントを適用したレポートが図3だ。

図3:3つのセグメントを掛けた[ユーザー]>[サマリー]レポート上部
図3:3つのセグメントを掛けた[ユーザー]>[サマリー]レポート上部

見るべきは、この3セグメントのどれが前日の訪問を押し上げているかだ。図3赤枠部分を見ればわかるとおり、前日の訪問数増の要因は「参照トラフィック」からの利用増だと絞り込めた。

検索連動型広告などを実施している場合は、「検索トラフィック」の代わりに「有料の検索トラフィック」と「無料の検索トラフィック」を選択するなど、集客施策の実施状況に応じて臨機応変に対応してほしい。

訪問数急増の要因を探り当てる

次は、急上昇した「参照トラフィック」が何なのか、ピンポイントで探し出そう。前日と比較してどの参照元が急上昇したかを確認すればよい。

操作手順
  1. カレンダーで、前日を選択(図4赤枠部分)する
  2. 比較対象に前々日を指定(図4青枠部分)する
  3. [適用]ボタン(図4緑枠部分)をクリックする
図4:カレンダーの指定
図4:カレンダーの指定

集計対象期間を設定したら、次は[トラフィック]>[参照元]>[参照サイト]レポートを見よう。それが図5だ。

操作手順
  1. グローバルナビゲーションの[レポート]をクリックする
  2. 画面の左側にあるメニューで、[トラフィック]をクリックする
  3. メニューが開くので、[参照元]をクリックし、[参照サイト]をクリックする
図5:[トラフィック]>[参照元]>[参照サイト]レポート
図5:[トラフィック]>[参照元]>[参照サイト]レポート

訪問数が急上昇しているのはfacebookやTwitterから、つまりソーシャル系サイトからの流入であることがわかる。「t.co」はTwitterのリンクからリダイレクト経由で訪問があった場合の参照元だ。「参照元」ディメンションの項目(図5赤枠部分)はリンクが張ってあり、ここをクリックすると個々の参照元URLも見ることができる。

さらにプライマリ ディメンションで「ランディング ページ」(図5青枠部分)をクリックすれば、どのページが入口ページとして急上昇しているかも確認できる。つまりどの参照元からどのページへの訪問が急上昇したのかを簡単に見つけることができるだろう。

来訪したユーザーの、新規とリピーターの割合を確認しておく

これだけでもほぼ状況は理解できたのだが、もう1つだけどういう人の訪問が増えたのかだけ見ておきたい。それは「新規」「リピーター」の軸だ。

[ユーザー]>[サマリー]レポートに戻り、集計期間は過去1カ月にした上で、今度はアドバンス セグメント(図6赤枠部分)で「新規訪問」と「リピート訪問」にチェック(図6青枠部分)をしてレポートを表示しよう。

図6:デフォルトのセグメントから選択
図6:デフォルトのセグメントから選択

今回の場合では、新規もリピーターも同じように訪問数を伸ばしている(図7赤枠部分)ので、新規ユーザーも既存ユーザーもバランスよくソーシャルメディアから訪問を誘導しているといったことが理解できる。

図7:2つのセグメントを掛けた[ユーザー]>[サマリー]レポート上部
図7:2つのセグメントを掛けた[ユーザー]>[サマリー]レポート上部

このように、普段は[ユーザー]>[サマリー]レポートで前日の訪問数をチェックしておいて、異常値があった場合には、さらに5分程度データを深掘りすることで、ほぼ原因がわかる。ソーシャルメディアで炎上事件が起きていればすぐに何らかの対処が必要だと思うが、そうでない場合はせっかくなので調べてわかったことをメモに残しておこう。メモ機能の使い方はこちら↓を参照してほしい。

もちろん毎日のデータを見ているだけでは中期的にダウンしているということには気が付かないので、この場合も、最低でも2、3カ月に1度くらいは、月次の中期トレンドのデータは見ておく必要があるのは言うまでもない。

次回以降は、この定点観測に便利な機能をいくつか紹介していく予定だ。

筆者の『ユニバーサルアナリティクス版Googleアナリティクス完全マニュアル(PDF)』が発行されました。

筆者が講義を行うGoogle アナリティクス徹底講座も、定期的に開催しています。 → Google アナリティクス ゼミナール

ページ

この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

インデックス
検索エンジンがWebページをデータベースに保存しているデータベース。データベース ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]