企業ホームページ運営の心得
政治家がネット専門家に依頼すべきたった1つの理由。ネット選挙に備えるWeb担の心得 前編

ネット選挙に向けた、政党・政治家向けWeb坦の心得
Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の310

焼き畑農業への危惧

昨年最終号で予言した通り「ネット選挙」が熱くなってきました。本サイトでもお馴染みのアイレップは選挙対策SEOを打ち出し、GMOは子会社を通じて電子認証の無償提供(国会議員のサイトに限る)を申し出ていて、あるセキュリティ会社はネット上の誹謗中傷を監視するサービスの提供を始めました。7月の参院選挙まで、より熱は高まり、一部に噂される「衆参ダブル選挙」ともなれば、ネット選挙バブルが起こるかもしれません。

こうした盛り上がりに、独自のスタンスでIT業界を切る中川淳一郎さんは、「お前らは今回のネット選挙を単なる金づるキターーとしか思ってねぇ。IT焼畑農業をするんじゃねぇ(一部抜粋)」とTwitterで手厳しく批判します。中川淳一郎さんの指摘に頷きながらも、現実からは逃れようもなく、私にできることは、といえば、

選挙対策Web担当者向け心得

を語ることぐらいでしょうと便乗します。

Web担当者としての素養

本稿で想定している「選挙対策Web担当者」とは、私設秘書や後援会のメンバーで、さしてWebに詳しいわけでもなく、「多少パソコンに詳しい」とか、「若い」という理由のみで任命されたWeb担当者です。

企業ではWeb戦略を担う担当者は内部に持つべきだ、という意見もあるでしょうが、政治家(政党)に対する私の結論は、

専門業者に依頼しなさい

です。これは私がホームページ制作会社を経営しているが故のポジショントーク(利益誘導)ではありません。

ネット選挙解禁に際して、Twitter議員、ネット議員、そしてすっかりWeb業界の第一人者の感の津田大介氏も異口同音に重視するのが、「政治家の発信能力」です。津田氏のインタビュー記事や著作を見る限り、主にTwitterを指すと思われ、短文での情報発信を政治家の至上命題かのように語ります。大阪市長の橋下徹氏を念頭に置いたものでしょう。

Twitterならだれでも無料で使える。すると専門業者への依頼は不用……とはなりません。

政治家の仕事とは

理由はシンプルであり、Webの真理です。

次の選挙までTwitterが存在する保証はない

Webサービスやツールの主役交代はいつでも起こります。音声や動画、あるいは別の方法での発信能力を求められるようになれば、短文は必須条件から外れます。企業にもいえることですが、栄枯盛衰の激しいWeb業界で1つの手法を絶対視するリスクは甚だしく、一方、常に最新のWeb情報をキャッチアップするのは政治家の仕事ではありません。政治家の仕事とは、官僚の動きを監視し、時に自ら法律を考え、庶民の声を国政に反映させることであり、つぶやきを拡散させることではありません。

もっとも、一度解禁された「ネット選挙」が、再び封印されることはないでしょう。そこでWeb最新情報・トレンドの「ブレーン」として、専門業者を手元に置いて活用するのです。

都心と地方の違いは明白

そもそも、議員が好き勝手にそれぞれ情報発信すれば、「党」として機能しなくなるのは、先の政権交代で経験したことです。政治家個人の情報発信力に期待する人々は、あの混迷から何も学んでいないか、カエサルがいうところの「見たい現実しか見ない」のでしょう。

それでは業者選びです。特段の理由がなければ、地元業者に発注します。理由の1つは「費用」です。地方業者の方が安い傾向にあるからです。あくまで一般論のため検討は必須ですが、両者の違いは「家賃と人件費」です。IT系企業における主要なランニングコストは、家賃と人件費で、これが費用に反映されます。

同じサービスならリーズナブルな方をチョイスしてください(まっとうな業者を選ぶための知識もある程度必要ですが)。デフレを煽るのではなく、政治家の支払い原資は「税金」だからです。Web業界と政治、そして国民の三者共栄のための提案です。

ネット=若者という思考停止

世間で語られる「ネット選挙論」には重大な誤謬(ごびゅう)があります。ネット選挙の解禁によって「新しい票」が掘り起こされるとするもので、投票率の増加を期待する声に代表されます。しかし、選挙当日までTwitterで情報発信ができても、

もともと選挙に興味がない人

にとっては、ヨハネスブルグの交通渋滞より価値のない情報です。つまり、ネットによる選挙活動と投票率の上下は異なる世界の出来事なのです。

ネット選挙が解禁されれば、若者が選挙へ行く

「ネット=若者」だとするのは思考停止です。日経新聞が2013年5月6日の記事で紹介した調査結果では、60才以上の95%がパソコンを毎日利用しているとあります。しかし、若者は「LINE」に代表される、仲間内で閉ざされたコミュニティに引きこもることで、ネット選挙が解禁されても、選挙情報に触れずに一日を過ごしているかもしれません。

買収ではなく人情

新聞やテレビでネット選挙を論じる人々は、選挙の本質を見落としており、ここも地元業者に依頼したときのメリットです。選挙の本質とは「過半数を取る」ことです。選挙区内の過半数、投票数の過半数を取れば当選です。

ネット=グローバルというイメージも「新しい票」という誤謬を助けますが、選挙区内の票は限られ、限られたなかの半数を押さえるための活動が「選挙」です。つまり、地元の制作業者を押さえるということは……と、これ以上は、察してください。もちろん、買収をしろということではありません。ただし、正当の取引活動により生まれる感情まで、公職選挙法は禁じてはいないとだけ添えておきます。選挙区の外にある都心の業者では得られないメリットです。もちろん、選挙区が都心ならば、地域を置き換えてお読みください。

業者も地元だから……と、ここで字数が尽きたので、次週に続きます。ネットに接続すれば地球の裏側にまで遊びに行けるウェブの世界で、地方と都心の情報差はありません。あるとすれば情報への感度と好奇心という個人差だけです。そして、IT系企業が都心の一等地の拠点を構えるのは、客の多さと人材確保という目的もあり、必ずしも実力を裏付けるものではありません。

今回のポイント

地域に顔が広い業者をいち早く押さえる

選挙はパイの奪い合いが原則

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