カスタマー・エクスペリエンス特集

Eコマースサイトでロイヤル顧客を増やすためのインタラクティブなカスタマー・エクスペリエンス

Eコマースサイトにおいてカスタマー・エクスペリエンスを向上させる施策を事例とともに解説
島田英紀(日本オラクル) 2013/2/5(火) 9:00 |
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ここでは特にEコマースサイトにおいてカスタマー・エクスペリエンスを向上させ、顧客にとって望ましい形で購買に進ませ、ロイヤルティを向上させるための手法を、サービス販売とアパレルのEコマースサイトの事例を紹介しながら解説します。

Eコマースで成果を伸ばすための3つのポイント

Eコマースサイトにおけるゴールは売上向上です。しかしその成果は、ただ新規顧客を獲得して販売促進を行えば達成できるわけではなく、顧客にファンになってもらい、ロイヤルティの高い顧客による売上を継続的に生み出すことが重要になります。そこで大切になるのがカスタマー・エクスペリエンスなのです。

オンラインチャネルでより良い成果を上げるための重要な要素として、以下の3点に注目すべきであると考えています。

  1. 広告に頼らず、集客力の強化を図る仕組み
  2. サイト上でのユーザーアクションを促す仕組み
  3. 企業戦略を反映できるマーケティングプラットフォームとしての仕組み

この記事では、カスタマー・エクスペリエンスに関するものとして②と③のポイントにおける成功事例をもとに、具体的な方法論を紹介します。

真の「インタラクティブ」なコミュニケーション

従来Eコマースの世界におけるカスタマー・エクスペリエンスの提供は、長らく一方通行の情報提供という形で行われてきました。

たとえば、Webサイトをわかりやすく、使いやすくするユーザビリティの向上は成されてきていますが、多くの場合は画一的なデザインの改善でした。サイト全体として平均的に使いやすくはなりますが、利用者それぞれの状態に応じて使いやすくするところまで突き詰められることは多くはありませんでした。

ユーザーごとの使いやすさ改善という面では、レコメンデーションの利用が進められてきました。ユーザー自身が認知していない新たな視点を提供し、購買に結びつけることを目的としたものです。近年では、「ソーシャルレコメンデーション」と呼ばれる、自分に似通ったユーザーの嗜好や購買閲覧履歴を元にお勧め情報配信するものが出てきたり、スマートフォンの登場によりさまざまなデータを用いるようになったりと、その幅や深さが進化しています。

しかし、これらの情報提供はあくまでも商品やサービスを提供する企業側からの単一方向のコミュ二ケーションの域を越えませんでした。

さまざまなデータをもとに行うレコメンデーションであっても基本はルールベースであり、個々の顧客に対して最適な形で企業の販売戦略やマーケティング戦略を反映できるものではありません。ロイヤルティの高い優良カスタマーを継続的に獲得していくという点においては、まだまだ改善の余地があります。

顧客のロイヤルティ獲得という意味では、よりインタラクティブなコミュ二ケーションを行い、「楽しさ」「わかりやすさ」「気づき」を企業戦略に基づいて提供することが効果的なのです。

ここでいう「インタラクティブ」とは、顧客との双方向のやりとりを示す場合もありますし、企業が一方的に指定する内容ではなく顧客のさまざまな属性や状態に応じてコミュニケーションの内容を変えることを示す場合もあります。

マーケティング戦略を反映させた行動ターゲティングで
成果を伸ばしたディレクTV

顧客の行動に応じたコンテンツの配信を行うことでカスタマー・エクスペリエンスを向上している例として、米国DirecTV(ディレクTV)を取り上げてみます。

ディレクTVは衛星放送サービスで、膨大なコンテンツのなかから気に入ったチャンネルを見つけてもらい、契約してもらうことで売上を向上させる必要がありました。

そこで、契約者それぞれの嗜好に応じたコンテンツを提供しつつも、キャンペーン情報も適切に届けられる仕組みを作りました。

手法としては従来の行動ターゲティングに近いものですが、より動的に、リアルタイム性を持った提案を実施することで、顧客がお得なクーポン情報を逃すことなく活用できる、より円滑に自分の趣味嗜好にあったコンテンツに辿りつける仕組みとしているが大きな特徴です。

たとえば、「特定のプロファイルを持った顧客があるページを訪れた際に、その顧客向けに期間限定セールのクーポンを特定の期間中に配信したい」というサイト側のプロモーション戦略があったとします。

そのセグメントの顧客がディレクTVのサイトを訪れたら、ページ内にクーポンが表示されます。そこまでは通常のレコメンデーションと同様です。しかし、顧客は必ずしもそのクーポン情報に気づくとは限らず、そのページから離れてしまう場合があります。

ディレクTVは、こうした顧客が再度ページを訪れた際には、同様のクーポンまたは別のクーポンを、さらに大きく表示することで、顧客にとってお得な情報を気づきやすいような環境を提供しているのです。

ここでポイントとなるのは、従来のデータをもと定式化かつ自動化されたレコメンドとは異なり、サイト運営者側による「誰に」「いつ」「何を」オファーするか、という明確な営業マーケティング戦略が反映されていることです。

これらの戦略に基づいた情報配信を動的かつリアルタイムに配信することで、次のような効果が得られます。

  • 顧客視点
    • よりお得な情報に気付く機会が多くなる
    • その結果、メリットの高いサイトとして満足度が上がる
  • 企業視点
    • より効果の高いオファリングを確実に実行することで、プロモーションを売り上げに結びつけることができるようになる

上記の事例では、以下の3つの要素を起点としてオファリングを行っています。

  1. 「あるプロファイルを持った顧客」というターゲット
  2. 「特定ページを離脱したとき」というイベント
  3. 「特定の期間中」という時間指定

これらすべてを条件の要素として、「クーポン表示」という最終的なアクションを行うようにルールを設定しています。

ディレクTVでは、このようなルールベースのプロモーションを複数同時に実行することで、それ以前と比較して20%以上も売上を伸ばすことに成功しています。

またディレクTVでの大切なポイントとして、これらのルール設定を、システム部門に依頼するのではなく、マーケティング担当者自らがほぼマウス操作のみで設定できるようにしている点があります。その結果、プロモーション展開までのリードタイムを劇的に短縮し、かつ数多くのプロモーションを同時に展開することが可能になっているのです。

サイトで悩んでいる顧客にチャットで話しかけるアパレルサイト

次に、米国Chico'sの例を見てみましょう。Chico'sは女性向けのアパレルEコマースサイトで、ディレクTVと同様に、個々の顧客の嗜好や属性に合ったプロモーションを実行するために必要なルール設定を行い、よりよいエクスペリエンスを提供しています。

さらに同社では、よりインタラクティブなコミュニケーションを実現する仕組みとしてライブチャットをEコマースサイトに組み込んでいます。

サイトを訪れた顧客が商品を選定する際には、微妙なサイズの違いや、商品同士の組み合わせ、あるいはライフスタイルに応じてより適切な商品は何か、などについて考慮することがあるでしょう。

リアル店舗であれば販売員に話しかければ済むことでも、Eコマースの世界では、サイトに掲載されている情報がすべてです。場合によっては顧客は他サイトの口コミ情報を参照するなどすることで、知らないうちにビジネスチャンスを失っている可能性があります。

この点を重要視したChico'sでは、たとえば商品ページで一定時間以上滞留した顧客に対してライブチャットの画面を自動で立ち上げ、スタイリストと呼ばれるスタッフと直接会話可能な仕組みを確立しています。ここでさまざまなやりとりを可能にすることで、リアル店舗で受けるサービス水準に近いエクスペリエンスを提供し、購買率の向上とロイヤリティ獲得につなげているのです。

◇◇◇

これら2社の、ここで紹介した施策はいずれも一度自社のサイトへ訪れた顧客に対して提供しているにすぎません。Eコマースサイトでの売上を増やすためには、サイトへの誘導や購入後のカスタマー・サービスなど、企業戦略に合致したマーケティングプラットフォームとして全体を最適化することが理想です。ただし、大規模な投資が難しい昨今、その一部分である潜在顧客獲得から成約や購買においての改善を施すだけでも、顕著に効果を出すことができます。

上記2社だけでなく、Eコマースサイトのカスタマー・エクスペリエンス向上に取り組み、具体的な成果を出している企業が欧米では多数あります。他社と差別化できる大きな要素としてカスタマー・エクスペリエンスの向上に取り組んだ結果、上記のような効果をあげている企業を参考に、ぜひ一度、今後の企業戦略の一部として検討してみてはいかがでしょうか。

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