インタラクティブマーケティング統計データ by ユニメディア
iPhoneのアクセスのうち8割は正しく効果測定ができていない? | インタラクティブマーケ統計2012年5月

iPhoneのトラッキングデータに注目して分析を行った

ユニメディアのマーケティングツール導入企業の各種KPIを統計データ化し、マーケティング担当者が業界水準のCVRとして参考とするためのレポートをお届けする。

インタラクティブマーケティング統計データ

サードパーティCookieがセットされないために正確な計測が難しいとされるiPhone。アクセスデータを見ると、1PV/1セッションのユーザーが8割を占めていたが、何らかのコンバージョンをしたユーザーは複数ページを見るはず。どこまで信頼できるのか実態を分析した。

目次

iPhoneのトラッキングは信頼できるか

アフィリエイト広告など、インターネット広告や広告効果測定サービスの多くは、広告を閲覧するユーザーのブラウザにひもづいたサードパーティCookie内の情報を利用したトラッキング技術により配信を実現しています。ただし現状、iPhoneに搭載されているブラウザ「Mobile Safari」では、デフォルトでサードパーティCookieがセットされず、Cookieタイプのアフィリエイトやアクセス解析は正確な計測ができないことで知られています。

巷でよく指摘される上記の内容が実際どのようになっているのか、弊社のマーケティングツール「UMAP」のデータを元に分析したところ、実態がよくわかる興味深い結果が表れたので、今回はこちらを紹介します。

まず、5月度のPCサイトにアクセスするスマートフォンのデータを分析したところ、全体のコンバージョン比率および流入元別のCVRではAndroidが活発でiPhoneが低調な流れが続いています。一方、流入比率はiPhoneがAndroidを上回る傾向にあります。この逆転現象は、Androidのシェアが優勢と言われるなかでどう考えるべきでしょうか。

図1 流入元効果指標スマートフォンOS別詳細
全流入からの比率 全CVからの比率 流入別CVR
スマートフォン総合 Android 30.21% 72.48% 1.23%
iPhone 40.24% 20.13% 0.26%
その他
デバイス
29.55% 7.38% 0.13%
※全流入及び全CVからの比率は、スマートフォン流入/CV単独の比率を表示しています。

上記を考察する一助として、デバイス別セッションあたりPVを見ると、iPhoneのアクセス数は1PV/1セッションのものが非常に多いことが伺えます。ユーザーがサイト閲覧をしていくなかで、サイト内を回遊すれば必ず1セッションで複数のPVが発生するはずです。その意味では、1PV/1セッションのものはユーザーがサイト内を遷移せず直帰したと考えられますが、iPhoneの場合はそのような直帰ユーザーが大半を占めるのでしょうか。

図2 デバイス別セッションあたりPV
セッションあたりPV PC 3.62
スマートフォン総合 1.53
Android 2.67
iPhone 1.04
その他
デバイス
1.04

ここで鍵になるのは、実際にコンバージョンが発生したデータです。先ほどの理屈で言えば、コンバージョンしたユーザーはサービスや商材のページ、あるいは申し込みフォームなどのページを移動しているため、複数のPVが必ず発生しているはずです。

ところがiPhoneの場合は、コンバージョンページのみ表示されたと思われる1PV/1セッションのCV通知が大半を占めています。つまりiPhoneではコンバージョン発生に至るセッションが断続的になってしまうことが多いといえ、先に述べた「iPhoneのMobile SafariはサードパーティCookieを取らず、Cookieタイプのアフィリエイトやアクセス解析は正確な計測ができない」という事象に対し、ある程度の証明になると考えられます。

図3 コンバージョンしたユーザーのPV割合
図3 コンバージョンしたユーザーのPV割合

このように難点のありそうなiPhoneのトラッキングですが、IPアドレス+ユーザーエージェントのつき合わせで問題なくトラッキングを行えるとするサービスも存在しています。アクセス元を示すIPアドレスと、機種情報などを含んだユーザーエージェントをつき合わせることで、Cookie内情報の代わりにユニークユーザーを特定できる、というのがこれらの根底となる考え方となります。

そこで、本レポートデータでもiPhoneセッションを同様の手法でまとめてみたところ、1セッション1PVの短時間での連続アクセスが多くを占めることが見えてきました。

これで見ると、iPhoneによるアクセスでは「IPアドレスあたりの平均PV」は2.55となり、現在計測されている「セッションあたりの平均PV」の1.04に比べ一気に倍になります。この状態から推測すれば流入比率は適正値にまとまり、一方でCVRは0.5~1%弱程度に上がるのではないか、ということが想定できます。

図4 セッション/ユニークIPアドレスあたりのPV比較
iPhone Android
セッションあたりの平均PV 1.04 2.67
IPアドレスあたりの平均PV 2.55 4.62

ただし、IPアドレス+ユーザーエージェントによる判別だけでは、正確なユニークユーザーの特定は厳しいと言えます。それはSB/auともIPアドレス帯域の数は数が限られているうえ、Wi-Fiスポットなどを使えば同一ユーザーエージェント・同一IPアドレスの別ユーザーが存在する可能性が高まると考えられるためです(比較参考のため、AndroidのアクセスデータもIPアドレスでまとめると1.5倍程度の数になりました。セッションあたりの平均PV:2.67→IPアドレスあたりの平均PV:4.62)。

また、たとえ同一ユーザーでも電車移動中にアクセス基地局が切り替わったり、普段は3G回線を使いながらホットスポットではWi-Fiを使うなどの利用シーンが考えられますが、この場合は同一端末でも別ユーザーとしてトラッキングされる恐れがあります。

サードパーティCookieをトラッキングに利用する際、Cookieに書き込んだブラウザID(CookieID)を用いればある程度の制度でユニークユーザーを取得することは可能であり、再来訪などを見極められます。しかし、サードパーティCookieがデフォルトで使えないiPhoneについては、このような計測方法を使うことが困難です。さらに、昨今ではユニークユーザーIDなど、ユーザー端末にひもづく情報を取得することが避けられる傾向にあり、ユニークカウントを取ることが厳しい状況となりつつあります。

つまり現時点では、iPhoneでリスティング広告を実施したり、純広告などで効果測定を行ったりする場合には、本来カウントされるべきコンバージョンが上がらず、逆に計上されるべきでないコンバージョンが反映されている可能性が十分にありえます。

このような状況下で、現状のCookieトラッキングで正確なiPhone計測は期待できないか。あるいは、より最適化された手法がありうるのか、ということが今後議論されるべきではないでしょうか。

調査概要

ユニメディアのマーケティングツール「UMAP」導入企業をサンプリング、企業の各種KPIを統計データ化して業界水準のCVRを数値化した

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