企業ホームページ運営の心得
アドワーズのランディング先がFlashなら要注意、進むスマホ包囲網

アドワーズのランディングページにFlashがある場合は広告掲載の再確認を。
Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の267

外堀が埋められつつある

一般的にiPhoneでFlashが閲覧できないこと(Adobe Flash Media Serverで一部対応)はWeb担当者ならご存じのことでしょう。Flashに対応しない理由として、故スティーブ・ジョブズはHTML5への対応などを挙げていましたが、私にはWindowsの席巻に辛酸を舐めていた過去と照らして、「プラットフォームの囲い込み」という下世話な解説のほうがしっくりきます。

しかし、すでにiPhoneでのFlash視聴を可能にするアプリも普及しており、利用者の求めはメーカーの思惑をやすやすと乗り越えていきます。ネットのダイナミズムさは頼もしい限りですが、ここに来て「脱Flash」のアップルへ援護射撃がありました。それは「グーグル」です。

先のジョブズが「水爆を使ってでも滅ぼす」とまで激怒していたとされるのは、グーグルが提供するモバイル端末用OS「Android」で、いわく「iPhoneを盗んだ」と、そのグーグルがアップルの援護射撃をするのですから皮肉なものです。そして「スマホ対応」の外堀が埋められつつあります。

数秒で締め出される

(iPhoneの)アドワーズで広告が表示されなくなりました

ある朝、グーグルのリスティング広告「アドワーズ」を利用するクライアントからメールが届きます。グーグルに問い合わせたところ、ランディングページに「Flash」があると「正常に表示されないコンテンツ」とみなされ表示が制限されるというのです。もちろん、iPhoneを念頭においてのこと。グーグル製品のAndroidなら問題なく表示されるのですが、シェアの高いiPhone、すなわち利用者のニーズに併せて「最適化」してくるロジックはさすがグーグルと唸りました。

実際に自社のアドワーズアカウントで試してみます。広告のランディングページにFlash付きのページを指定すると、早いものは数秒後、遅いものでも1分ほどで表示されなくなりました。うっかり、トップページにFlashを入れていたとすれば、iPhone系端末からのアクセスは見込めないということです。アドワーズとFlashを利用している場合は、すぐに確認してみてください。

スマホに対応する必然

アドワーズの「制限付き」というステータスで、iPhone系の端末からのアクセスにのみ適用され、PCからのアクセスには影響がないというアナウンスです。また、Flashを外すだけでも広告表示は再開されるので、それで対応してもよいでしょう。しかし、iPhoneからのアクセスを望むなら、Flashを外すだけではなく「スマホ対応」を検討してはいかがでしょうか、というのが前回から続く「スマホ化への道」です。

ドコモなどはこの夏の新機種をすべてスマホ(キッズ向け除く)にするなど、回線会社とメーカーのスマホ傾斜は明らかですので。ちなみに「制限付き」は遮断ではないようで、いくつかの条件を試したところ「iPhone」にもFlash付きページの広告が表示されることもありました。

せいぜい20ページほどの小規模なサイトなら、CMSやオーサリングソフトを使っていなくても、一気にスマホ化してもさしたる労力ではありません。サイトのフォルダを丸ごとコピーして、サブドメインで公開すれば、内部のリンクなどファイル構造はそのままで済ませることができますし、CSSで組んでいれば、大枠はスタイルシートを書き換えるだけで事足ります。PC用サイトをそのまま活かしてスマホ化したとき、いまさらながらスタイルシートの「意義」に感心したものです。

小さく始めるスマホ対応

しかし、少しずつ作り足したなどで、Web担当者自身がコンテンツを把握し切れていないサイトでは多大なコストとなりかねません。そんなときは前回と同様「Google Analytics」の出番です。

リスティング広告からの反響だけを見るなら「有料検索」を確認するだけでもいいのですが、今回はせっかくなので幅広く可能性の扉を開く意味から「オーガニック検索」を見てみます。Google Analyticsの左メニューから、[トラフィック]→[参照元]→[検索]→[オーガニック検索]の順に選びます。

次に、以下の手順で選択していきます。

  1. 訪問数の多い順に表示されたキーワードをクリック(※not providedはキーワード不明の訪問)
  2. 任意のキーワードを選択した状態で[セカンダリディメンション]のボタンをクリック
  3. [ユーザーの環境]から[オペレーティングシステム]を選択

ここで「Android」「iPhone」「iPad」「iOS」の合算した数字がスマホからの訪問者です。この比率が高い「キーワード」はスマホ化が急がれるということです。

効率の良いリニューアル

あるサイトでは、キーワードAではスマホからのアクセスが20%近くあり、キーワードBでは10%を割り込むといったようにバラツキがありました。偏りの規則性は断定できていませんが、「店舗名」「サービス名」「商品名」などでスマホからのアクセス比率が高まる傾向があるようです。

Web担当者は、サイトに来た人にすべてのコンテンツを見てほしいと願うものですが、タレントのオフィシャルサイトに集うファンでもない限り、訪問者がすべてのコンテンツに興味を持つことなどありません。訪問キーワードをもとにコンテンツを絞り込み、確実にメッセージを届けるのが合理的でしょう。これは「LPO」と同じ概念です。

ちなみに先ほどの「オーガニック検索」で「セカンダリディメンション」を[トラフィック]→[ランディングページ]にすると、どこのページに最初に到着しているかがわかります。

ゴールはまだ見えない

しかし、すべてのコンテンツを一気に「スマホ対応」するにはリスクも存在します。

大画面化は必然の流れだ

IT専門調査会社であるMM総研の横田英明アナリストは産経新聞の取材に答えます。

今夏のドコモの新作スマホの平均画面が4.3インチで、次期「iPhone」は5インチになると噂されるように大画面化が進んでいます。すでにサムスンの「GALAXY Note」は5.3インチで解像度は800×1280。一昔前のデスクトップなみです。

本当に大型化が進んだとすればコンパクトに作り込んだ「スマホ用サイト」では「物足りない」と感じるようになるかもしれません。単一ページからフレーム型、そして3カラムへと拡大してきたWebサイトの歴史が脳裏をよぎります。こうしたトレンドからも、「いまの基準」で全面スマホ化を急ぐよりも、コンテンツごとにキャッチアップしていったほうがいいと考えるのです。

ちなみに「GALAXY Note」の端末サイズは147×83mm。ほぼ「文庫本」と同じ大きさで、すなわちポケットに収まる限界ですが、2つ折りやスライドなど「大型化」する方法は数しれません。

今回のポイント

アドワーズがFlashを拒否した

今後の変化を見据えてコンテンツごとのスマホ対応を

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