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本番サイトの更新ミスをなくす「テスト環境+本番公開+自動バックアップ」機能のSmartReleaseをレンサバに標準搭載/KDDIウェブコミュニケーションズ

Webページを修正するときに、本番サーバー上のHTMLファイルを間違って修正してしまった

Webページを修正するときに、本来ならば本番サーバーからもってきたファイルを修正しなければいけないのに、うっかりとローカルの古いバージョンを修正してアップロードしてしまった。

制作会社の人ならば、そんなミスを経験したことがある人は多いのではないでしょうか。

神森 勉 氏
神森 勉 氏
株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ
SMB事業本部
デザイン部
ゼネラルマネージャー

そう話すのは、KDDIウェブコミュニケーションズの神森 勉 氏。Webサイト制作会社でマークアップエンジニアやディレクタとして活躍していた神森氏によると、Webサイトのコンテンツを更新する際のフローがしっかりと構築されていない制作会社もいまだ多く、ミスに起因するコンテンツの先祖返りなどのトラブルがあるのだという。

そうした問題から制作会社のスタッフを解放するために、KDDIウェブコミュニケーションズでは、本番サーバーの更新時のミスを軽減できる「SmartRelease」の提供を、同社のレンタルサーバーサービスで6月7日より開始した。

確認用のテストサイト環境も作れて、さらにサイトのバックアップも自動でとれるこの機能。制作会社の仕事を「楽にする」ためのサービスをレンタルサーバー事業者が提供することとなったその背景とサービスの内容について聞いた。

サイトコンテンツの更新時には、やはり先祖返りなどのトラブルは避けられないものなのでしょうか。

●神森氏 ちゃんと仕組みを作っている制作会社ではバージョン管理システムを使うなどしてトラブルが起きないようにしていて、万が一ミスをしてもすぐに復旧できる仕組みをもっています。しかし、そうした仕組みを作るには技術的な知識が必要なこともあり、すべての制作会社がそうできるかというと、難しいのが現状です。

ですので、ページの内容を更新する際には、多くの場合、まずサーバーで公開されているHTMLと画像など一式をデザイナのローカル環境にダウンロードし、ファイルをバックアップしておいたうえで、ローカルでHTMLや画像を更新するという作業になります。作業が終わったら、できたファイルをテストサーバーにアップロードして確認し、問題なければ改めて公開サーバーにアップロードするという手順ですね。

しかし、そういうフローで作業をしていると、変更するための元ファイルを間違ってしまったり、クライアントから五月雨式にくる修正依頼を順次こなす間に入れ違いになってしまったり、テストサーバーにアップロードしたつもりが本番サーバーにアップロードしてしまったり、クライアントに確認してもらったものと違うファイルを本番サーバーにアップロードしてしまったりと、さまざまな要因から更新ミスが起きてしまいます。

図解 更新ミス

業務フローで改善できるかというと、常に人の手が入ってくるので、なかなか難しいものです。しかも、デザイナの作業環境と、制作会社の社内で確認するためのテスト環境と、クライアント側のテスト環境と、本番サイトとというように、さらに多くの環境がある場合は、なおさらミスが発生してしまう可能性が高くなります。

しかもこうしたワークフローでは、ミスに気づいても、元の状態に戻すにはどのファイルをアップロードし直せばいいのかわからなくなってしまっている場合もあります。

そういうトラブルを避けるためにサイトをCMS化できればいいのですが、古いサイトや小さな案件ではCMSも導入しづらいものなので、昔ながらのHTMLファイルと画像ファイルを使い、公開するファイルの一覧をExcelで作ったりという作業をすることも多いのです。そして、ミスが発生するか、そうならないために苦労して管理することになります。

そうした手間やトラブルから制作会社を楽にするという「SmartRelease」ということですが、どんなものなのでしょうか。

●神森氏 SmartReleaseの中心になるのは動作確認用のテストサーバーです。制作会社の人はこのテストサーバー上でサイトのページを更新していきます。

テストサーバーに対する更新は、別途設けられているWebサイトリポジトリにすべて自動的にバックアップされ、「更新履歴」としてバージョン管理されます。このため、何かミスがあっても、いつでもボタン1つで前のバージョンに戻せます。

テストサーバー上でページの更新と確認が済んだら、ボタン1つで公開用の本番サーバーにテストサーバーの内容が反映されるという仕組みです。

図解 SmartRelease
SmartReleaseの全体像

SmartReleaseは、ACEプランを契約されている方ならばだれでも無料で使えます。テストサーバーを設けて何バージョンでも自動的にバックアップする仕組みは、ディスク容量が無制限のACEプランだからこそ無料で実現できた機能です。

そういったミスはシステムを作ったり作業ルールを決めたりしていれば、大部分は避けられるものではないのでしょうか。

●神森氏 Webサイト制作において、コーディングやCSSデザインのような、手元で何かを「作る」作業に関しては、ツールの改善などで便利になってきています。しかし、更新ワークフローに関しては、なかなかツール面からの改善はされてきませんでした。

プログラマの人ならばGit(ギット)のようなバージョン管理システムを使うところでしょう。しかし、エンジニアにはなじみのあるそうしたツールでも、デザイナには難しいもので、なかなか浸透しません。開発スタッフがいて体制ができているような会社ならばエンジニアがシステムを構築してくれる場合もありますが、そういう人がいない制作会社も多いですからね。

ですので、やはり公開サーバーからダウンロードしてきて、ローカルでファイルを直接修正してアップロード、という作業になってしまいます。

管理に無駄な手間がかかりトラブルの原因ともなる、こうした作業フローなのですが、業界的には「そいういうもの・仕方ないよね」と思ってしまっている面もあるのが現状です。ですから、そうした問題に対してレンタルサーバー側が改善できることもあるのではないだろうかということで、今回のSmartReleaseの企画につながりました。

既存のレンタルサーバー事業者のサービスの枠組みでは出てこなかった機能ですね。

神森 勉 氏

●神森氏 私自身が制作サイドにいたこともあり、制作会社の現場の人が抱えている問題を少しでも解消できればという思いがこの機能の原点ですね。SmartReleaseのようなワークフローの基本を実現する仕組みをレンタルサーバー側で提供することで、現場の人がミスなく作業を進められる環境に大きく近づくのではないだろうか、と。

ACEプランを使って100サイト以上管理されているようなところは、おそらくちゃんと管理する仕組みがあるでしょうから、わざわざレンタルサーバーのSmartReleaseを使う必要はないでしょう。

しかし、「Gitって何?」というデザイナが中心となっている大部分の制作会社さんにとっては、学習コストのかからない便利なツールとしてバージョン管理やステージングの機能があれば、公開するファイルの一覧をパッと出力できたり、ミスがなくなったりと、管理の手間や問題を少し減らせるのではないかな、と。

このSmartReleaseがWeb現場の問題をすべて解決できるとは思っていませんが、多少なりとも制作会社の方が「楽に」なればとの思いから提供する機能です。

サービス提供側の思いとしては、単にツールを実装するだけでなく、そうしたツールを通じて、「こうすると便利ですよ」というフローや仕組みを提供していきたいと考えています。

KDDIウェブコミュニケーションズの主力はレンタルサーバー事業ですが、ハードディスクやサーバーを提供するだけがレンタルサーバー事業だとは思っていません。お客さまが実現したいことをスムーズに行えるようなサービスを全体として提供するのが役割です。ですから、企業サイトを作ったり、または作りたいというクライアントさんの要望を実現したりということを、いかにより良く実現できるかという方向でサービスを考えています。

今後は、ユーザーごとに権限を設定したり、承認ワークフローを設けたりといった、「制作会社の方がさらに便利になる」ようにACEプランを改善していければと思っています。そしてそれが、ACEプランのおおもとの思想である「手間がかからない・楽」ということをさらに一歩前に進めることになるのです。

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