Moz - SEOとインバウンドマーケティングの実践情報

動画コンテンツによるリンクビルディング #1 SEO効果、テキストコンテンツなど

動画コンテンツがSEOにもたらすメリット、テキストコンテンツの必要性、動画投稿場所など

今回から3回にわたり、動画コンテンツによるリンクビルディングを解説していく。

この記事の内容はすべて筆者自身の見解であり(ありそうもないことだが、筆者が催眠状態にある場合を除く)、SEOmozの見解を反映しているとは限らない。

たとえば、こんな状態を想像してほしい。

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君は、インターネット史上例のない、最高にすばらしい動画を完成させた。それは、バイラル性と壮大さを兼ね備えた動画だ。つまり、レベッカ・ブラックの歌声のような何となく人に教えたくなるような要素と、『Game of Thrones Season 2』の予告編のような疑いようのない壮大さを併せ持っている。

すぐにみんなに電話して、この動画はきっとヒットすると教えなくては!

優れたコンテンツの中には、大した労力もなしに話題が広がっていくように見えるものもある(背後で何がしかのマーケティングが行われているにせよ)。

しかし、君は工数をかけた極上のコンテンツで賭けに出るようなタイプの人ではない。

そんな君が今、みんなに見てほしいと思える美しいHD動画コンテンツを作り上げて、それにふさしい評価を得たいと思っている……。

上に紹介したような状況を、僕自身がつい最近体験した。優れた動画を作ったはいいが、そこから相応の費用対効果(ROI)を得るにはどうするべきかがよくわからなかったのだ。

自作のかわいいコンテンツたちを世に送り出す前に、僕は、そのコンテンツたちがちゃんと進んでいけるようにしたかった。だから、スキルに磨きをかけるべき時に信頼できるSEO担当者なら誰でもすることを実施した――大がかりな調査だ。動画マーケティングへの進出を契機に僕が得た、すぐに使えるヒントのいくつかを、ここで披露してみようと思う。

動画コンテンツがSEOにもたらすメリット

グーグルがサイトをクロールする場合、実際には、ページの品質や関連性、含まれるキーワードといった指標を探している。マルチメディア・オブジェクトは、これら3つの指標すべてに価値を付加してくれる。

また動画は、ユーザーのページ滞在時間を増やしてもくれる。これはページ品質の重要な指標であり、その重要性は日々高まっているようだ。ケイシー・ヘンリー氏がSEOmozに投稿した「被リンクを集めやすい記事とは? タイトルや本文などを分析してみた(日本語記事)」という記事の中で示したように、コンテンツにマルチメディアが含まれていると、リンクされやすくなることは言うまでもない。

メディアの種類別に見た平均被リンク元ドメイン名数(ILD)
「ILD」はリンク元ドメイン名数(Inbound Linkking Domains)を表す

アパレルと靴の通販サイトZapposは、1年間に5万本の製品紹介動画を制作し、それによってリンクしてくれるルートドメイン名の数を2倍に増やした。

Eコマースサイトは、製品紹介ページなどの場所に動画を置くことを真剣に考えるべきだろう。製品紹介ページにユーザーを長く留める要素が加わってページ品質が向上するほかに、動画のサムネイルが加わることで検索結果表示ページ(SERP)で目立つのにも役立つ。

グーグルの検索結果に動画を表示させる方法については、こちらの記事を参照してほしい。

良いもののそばに良いものを

グーグルは、君のページをクロールするときに、与えられたクエリとコンテンツが関連することを示すシグナルを探す。

たとえページに動画を置いていても、h1要素と動画の埋め込み用コードしかページのHTMLになければ、そのページにすばらしくできた関連性の高いコンテンツがあるというメッセージをグーグルに送れない。実際問題として、グーグルは動画の内容をまったく読み取れないのだから、すばらしい動画の周辺には、同じくらいすばらしい画像やテキストを置くことで、グーグルに対して発するアルゴリズム的シグナルをもっと良いものにするべきだ。こうすることで、望ましいキーワードをターゲットにする機会も得られる。

また、そうすることでサイトを訪問してくれた人たちに、リンク先として選んだ見出しに関するさらに詳細な情報を得るためのリソースを提供できる――つまり、動画にリンクする理由をもっと多く与えるわけだ。動画の制作秘話や内容を要約するだけでも構わない。より多くを望むユーザーをできるだけ引き付けておくために、ほかの関連動画にもリンクしよう。ページを、いつでも閲覧できて将来的にも人々が引き続き参照するような、そして内容が豊富でリンクしたくなるような、そのトピックに関するオーソリティ・ページにしていこう。

どこに動画を投稿するか
―― YouTube? Wistia? Vimeo? 自社ドメイン名?

いつでもどこでも視聴できる点とあっという間にウェブ上に動画が広まっていく効果、そして傘下の動画配信サイトを恥ずかしげもなくひいきするグーグルの姿勢によって、多くの人が動画の投稿先としてYouTubeを選んでいる。

YouTubeを使うつもりなら、まずバディー・モーガン氏による手引きを読んで、これまでに自分がYouTubeにアップした動画から貴重なリンクジュースをまだ得るためにはどうすればいいか、ヒントを貰うといい。

サービス側のサーバーで動画をホスティングしながら、グーグルに対しては動画が君のドメイン名上にあるように見せかけてくれる有料サービスもある。たとえばWistiaは月額24ドルという低価格でそうしたパッケージを提供していて、動画のサイトマップまで生成して送信してくれる(詳しいことは後で説明しよう)。予算が気になるなら、年間199ドルというお手頃な値段で動画のホスティングをしてくれるVimeo Proもある。

自分のドメイン名から動画を提供するのに役立つ選択肢をいくつか紹介しておく。

もっと技術的なことや動画制作における留意点に関しては、先日Distilledがロンドンで開催した会議でフィル・ノッティンガムの発表したプレゼンテーションを見てほしい。

※Web担編注 日本語で読める動画制作やマーケティング利用の情報として、Web担のサイトでも「15万円でゼロから始める動画マーケティング」という記事(全5回)を掲載しているので参考にしてほしい。

動画の内容を全部文章に起こす

動画を含むページのコンテンツを充実させる方法の1つとして、動画の内容をすべて文章に起こして見せるというものがある。

Wistiaの文字起こしサービス(動画1本につき5ドル)のようなプログラムを使ってもいいし、誰かに実際に動画を見せ、手作業で書き起こしてもらってもいい。CaptionTubeを使えば、YouTubeにアップした動画の文字起こしができる。

そうして動画の内容をテキスト情報としてページに記載しておけば、何らかの理由で音声を聞くことができない人などにも有用だろう(職場にいる時やバスでの移動中、聴覚に障害がある場合、動画を見るのに特殊なデバイスを使っているときなど)。

この記事は、3回に分けてお届けする。次回以降も引き続き、動画コンテンツによるリンクビルディングのヒントをご紹介する。 →第2回を読む

用語集
HTML / ILD / SEO / SERP / SNS / meta description / クロール / ドメイン名 / バイラル / ヒット / リンク / リンクビルディング / 被リンク / 訪問
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