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ソーシャルメディア・クチコミ分析ツール7種 徹底比較+ソーシャルリスニング入門

ソーシャルリスニングに取り組むための実践方法をツールとともに解説
五明素紀(電通レイザーフィッシュ) 2012/4/27(金) 14:00 tweet138このエントリーをはてなブックマークに追加 印刷用

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Twitter、Facebook、mixiなど、ソーシャルメディアをマーケティングに活用する企業が増えてくる中で、ソーシャルメディアのモニタリング、あるいはリスニング(傾聴)といった言葉をよく耳にするようになってきた。この記事では、企業がソーシャルメディア上で顧客の声を聴くこと、ソーシャルリスニングに取り組むための実践方法についてツールとともに解説する。

まず、ソーシャルリスニング活用のポイントを前半で解説し、ツール解説は記事の後半で行う。

ソーシャルリスニングで日常の声を聴く

ソーシャルメディアが登場する以前は、企業が顧客の声を聴く機会は限られており、アンケートやインタビューなどを通じて収集するのが一般的であった。しかし、ソーシャルメディアの普及によって顧客の日常の声を聴くことができるようになり、それを使わないのはもったいない、ということで注目されているのだ。

これまでの顧客の声を聴く手段
  • アンケート調査
  • グループインタビュー
  • お客様窓口への問い合わせ・クレームなど
顧客の声を聴く新たな手段
  • ソーシャルリスニング

アンケート調査やグループインタビューなどは、どうしても質問に誘導された答えになってしまったり、無意識に模範的な答えをしてしまう、といった問題がある。実施までの準備や調査をまとめるまでに時間がかかり、予算も大きくなりがちだ。

お客様窓口への問い合わせ・クレームは、そういう行為を面倒に思わない人たちの声は聴けるが、そうではない人たち(サイレントカスタマー)の声を聞くことはできず、クレームもせずに他社に鞍替えしている人たちの実態がつかめない、といった問題がある。

そうした中で、新たに顧客の声を聞く手段として注目を集めるようになったのがソーシャルリスニングだ。ソーシャルリスニングでは、ソーシャルメディア上で人々が日常的に語っている内容を分析するので、アンケートのように質問に影響されることがないこと、またお客様窓口に寄せられないような生の声も聴けることという2つのポイントで、これまでの手段にないメリットがあると言える。ソーシャルメディア上で日々語られている声を聴くため、短期間かつ低コストで実施できるのも特徴だ。

一方で、ソーシャルリスニングは注目されているものの、まだ新しい分野なので誤解も多い。よくある誤解は、自社のTwitterアカウントやFacebookページで顧客の声を聴き、そこでのエンゲージメント効果を測定することと、ソーシャルリスニングを混同してしまうことだ。

もちろん、自社アカウント上で顧客の声を聴くことも大切ではあるが、ソーシャルリスニングは広くソーシャルメディア上の世間の声を分析することであり、自社のTwitterアカウントや自社のFacebookページ上に限った話ではない

ソーシャルリスニングの効果は

ソーシャルリスニングは顧客の声を聴く手段として注目すべき手段だというのはいいとして、実際にそれで成功した事例があるのか、気になるところだ。少し脱線してしまうが、データマイニングの分野では、次のような話が成功事例としてよく引き合いにだされる。

スーパーでオムツとビールが一緒に買われる傾向がデータマイニングによってわかったので、オムツとビールの売り場を隣同士にしたらもっと売れるようになった

そういった話がソーシャルリスニングでもあるのなら、ソーシャルリスニングの効果がわかりやすい。

再発売されたチョコレートバー「Wispa」(c)Nick Burcher

筆者が注目している事例は、イギリスのキャドバリー社が発売するチョコレートバーの事例だ。ある日、キャドバリーの製品担当者は、販売中止していたチョコレートバーの復活を望むクチコミをソーシャルメディア上で見かけた。そこから、ソーシャルリスニングツールで顧客の声を分析し、そのデータで社内各方面を調整して再発売にこぎ着け、リバイバルヒットとなった例がある。

ツールによる分析によって、どこでどんなことがどういう人たちにクチコミされているのか、どれだけのクチコミの量があるのかを明らかにすることができたので、社内の説得材料として有効だったというのだ。この例では、ソーシャルリスニングでチャンスを発見したのではなく、確かなチャンスがあるという裏付けデータを得たことで、社内調整に成功したというのがポイントだ。

また、クチコミの内容やクチコミしている人たちの人物像からプロモーションの方向性のヒントを得ることができ、それを基にノスタルジーを刺激するプロモーションをFacebookページを中心として実施したところ、そのチョコレートバーはキャドバリーの主力商品となり、メーカーとしての年商30%増に貢献したという(詳しくはNick Burcher著『Paid, Owned, Earned』のChapter Two: Listening参照)。

ソーシャルリスニング5つの基本活用

ソーシャルリスニングの成功事例はわかったが、実際に取り組む際にはどういった目的でやればいいのだろうか。ソーシャルリスニングを実施する主な目的は、大きく分けて以下の5つに整理できる。

  1. ブランド言及状況の把握
    • ソーシャルメディアにおける自社ブランド言及数・センチメント(ポジネガ)を把握する
    • 競合他社とブランド言及状況を比較する
    • 自社活動(キャンペーン、イベント、商品発売など)のインパクトを把握する
  2. インフルエンサーの特定
    • インフルエンサーを発見し、ユーザー参加型のキャンペーンに招待する
    • インフルエンサーとの会話を活性化し、波及効果を高める
  3. 広報的リスクマネジメント
    • 風評や炎上の火元を把握する
    • 炎上を防止したり沈静化したりするための対策を行う
  4. 消費者インサイトの抽出
    • 消費者ニーズや批評から、商品開発やマーケティング活動のヒントを得る
  5. カスタマーサポートの強化
    • 製品やサービスのサポートに要望や不満を持つユーザーに企業側から接触し、ユーザーの問題を解決する(いわゆるアクティブサポート)

これらの目的は上から下に行くほどハードルが高くなるので、まずは「ブランド言及状況の把握」を目的としてソーシャルリスニングに取り組むことがおすすめだ。これは、ソーシャルリスニングの第一歩であり、それをベースにしてソーシャルメディア活用施策に取り組むこともできるし、キャドバリーの事例のように社内調整の説得材料に使うこともできる。

また、「インフルエンサーの特定」「広報的リスクマネジメント」「消費者インサイトの抽出」「カスタマーサポートの強化」といった目的にステップアップすることもできる。

実施にはツールが欠かせない

ソーシャルリスニングを行うにはソーシャルリスニングツールが必要になる。たとえば、Twitterでブランド名を検索して目視するだけでもソーシャルメディア上の顧客の声を垣間見ることはできるが、ソーシャルリスニングの真意はソーシャルメディア上の世間の声を把握することにある。それらを人の手で逐一調査し、分類して分析するというのは手間がかかるため、ツールが欠かせなくなる。

ツールを使ってソーシャルリスニングをやるには、いくつか方法がある。筆者はエージェンシー(広告会社)側の人間なのだが、あえて第三者視点に立ち、どういう場合にどの方法がおすすめかを考えてみた。

実施方法 おすすめケース 注意点
ツールを自社で導入して分析する
  • 自社に適任者がいてノウハウを蓄積したい場合
  • 予算は抑えられるが、社内の人的リソースを確保する必要がある
  • 自社内で試行錯誤するための時間を投資することになる
ツールベンダーの分析レポートサービスを使う
  • 自社で分析するにはハードルが高いが、ソーシャルリスニングの分析結果を見たい場合
  • 基本的には定型的なフォーマットのレポートが提供される
  • レポートを依頼するのに適切なベンダーを選定する必要がある
エージェンシーに分析を委託する
  • 目的に適したツール選定や分析に時間をかけたくない場合
  • リスニングを糸口にソーシャルメディア活用を多面的に支援してくれるパートナーが欲しい場合
  • 自社でのツール利用・分析と比較しコストが高くなる
  • コストを抑えるにはエージェンシーが使い慣れたツールでレポートしてもらうことになる

社内の知見やリソース、予算などを考慮しながら、自社にとってどういう方法でソーシャルリスニングを実施するとよいか、検討する際に参考にしていただきたい。

初めてのソーシャルリスニング、6つのポイント

当たり前のことだが、顧客の声を聴くだけで満足していては意味がない。大切なのは、ソーシャルメディア上で聴いた顧客の声を、改善や新たな施策へと活用していくことだ。そこで。ソーシャルリスニングに初めて取り組む際のポイントを6つ挙げる。

1. ツールの分析結果は完全ではない

センチメント(ポジネガ)分析の数値データは相対値として使い、絶対値を意識し過ぎないほうがよい。ツールのセンチメント自動判定は発展途上の技術で、まだ完璧ではないからだ。ツールのクセを解明するよりも顧客の声の大局をつかむほうが重要なので、時系列比較や競合比較といった相対比較のための数値として使うのがよい。

2. 平均を求めるよりも競合と比較する

センチメント分析で、一般的にポジネガの比率は普通どれくらいなのか気になるかもしれないが、業界をまたがった平均に意味はない。業界や商材によって違うので、競合他社と比較したほうがよい。

3. Twitterを分析対象に入れる

ソーシャルメディアの中でも、Twitterは書き込みを公開にしている人が多く、思ったことをすぐ気軽に書き込む傾向があるメディアなので、時系列でのピークがはっきり出やすく、センチメントがはっきり出やすいという点で、ソーシャルリスニングに向いたメディアだといえる。

4. Facebookは今のところ分析対象として重視しなくてよい

Facebookは書き込みを公開しているごく一部の人のしか分析対象にならないので、現時点では重視しなくてよい。「Facebookには国内に1000万人のユーザーがいるのだから分析しないといけない」のように考えなくてもよい。

5. 分析対象メディアは自社ブランドに合わせて検討する

ソーシャルリスニングでは、Twitterとブログが基本的な分析対象メディアとなるが、その他に何を分析対象としておくかは、自社ブランドの特徴に合わせて検討する。たとえば、Q&Aサイト(Yahoo!知恵袋など)、レビューサイト(カカクコムなど)、掲示板(2ちゃんねるなど)、Facebookといったところだ。よくわからなければ、まずTwitterとブログから始めるといいだろう。

6. 自社ブランドの全体的なバロメーターとして捉える

人々がソーシャルメディアで話題にするネタは幅広く、自社のソーシャルメディア施策の反響をチェックするだけではもったいない。新製品発表、山手線ジャックや路面店の店頭ディスプレイ、対応の良くない店員など、企業に対して話題にするネタは様々だ。ソーシャルメディア上の取り組み以外にも目を向けてチェックするのがよい。

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