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グーグルのSSL検索――何が変わったのか、背後にあるグーグルの事情とは?(前編)

SSL検索で何が変わったのか、そして、グーグルの説明やその背後にある事情とは?
Moz(旧SEOmoz) 2012/4/9(月) 9:00 このエントリーをはてなブックマークに追加 印刷用
この記事を読むのにかかる時間: 約 8.5

今週と来週の2回にわたって、グーグルが日本でも本格的に導入したSSL検索に関して解説する。
オリジナルは動画だが、文章に起こして解説しているので安心してほしい。

SSL検索によってアクセス解析で検索キーワードを調べられなくなる状況「(not provided)現象」や、日本でもSSL検索がデフォルト導入された状況に関してご存じない方は、あらかじめそれぞれのリンク先をご覧いただきたい。

(not provided)
Wistia

やあ、SEOmozファンのみんな。特別編の「ホワイトボード・デー」へようこそ。残念なことに、グーグルは「SSL検索」によって、検索結果からキーワード参照データを提供する方法を大きく変更してしまった。これにより、ホワイトハット的SEOを実施し、ウェブを分析し、提供されるデータから学ぼうとしている僕ら全員は、嬉しくない影響を受けることになりそうだ。

今回は、なぜこういうことが起きたのか、グーグルが何をしているのか、それについてグーグルがどう説明しているのかを解説してから、こんなことをしている本当の理由を探り、今後データが入手しにくくなる可能性がある状況で、ウェブ解析やSEOに携わる人々が取りうる行動について具体的な情報を提供しようと思っている。

SSL検索で何が変わったのか?

それでは手始めに、今グーグルで検索をした場合に起こることを説明しよう。

たとえば、グーグルで「learn SEO」(SEOを学ぶ)を検索したとしよう。検索ボタンをクリックすると、検索結果が出てくる。

このように「Learn SEO | SEOmoz www.seomoz.org/learn-seo」 という素敵なサイトが表示され(下図の①)、右側には「Learn SEO from PayMeBucks.com」というリスティング広告もある(下図の②)。

そして、オーガニック検索結果(①)であっても、リスティング広告(②)であっても、出てきたものをクリックすると、リンク先のサイトに飛ぶ。

さて、以前なら、そうして検索結果からユーザーがたどり着いた先のサイトでは、そのサイトで使っているアクセス解析ツールが何であれ(Googleアナリティクス、SiteCatalyst、Webtrends、どんなものでも)、何らかの参照データが得られていた。どういうことかというと、アクセス解析のトラフィック関連のレポートを見れば、その訪問がどこから来たのか、どんなキーワードがその訪問につながったのかがわかるようになっていた。この例なら、Google.comから「learn SEO」というキーワードで僕のWebサイトに到着した、ということがアクセス解析データやアクセルログファイルからわかるわけだ。それが有料広告なのかオーガニック広告なのかを追跡することもできた。

これが変わることになる。ただし変わるのは、グーグルのアカウントにログインして検索を実行する人に関してだけだ。

  • グーグルで検索するときに、グーグルアカウントにログインしていると、サイトへの訪問に使用したキーワードが「(Not provided)」と表示されるようになった(下図の「A」)。Googleアナリティクスでは、今のところ「(not provided)」と括弧つきで表示されている(他のアクセス解析ツールでは「Keyword Unavailable」などそれぞれの表示になる)。

  • ところが、同じログインユーザーが同じ検索結果でリスティング広告のほうをクリックした場合は、アクセス解析ツールには「learn SEO」というキーワードが表示される(下図の「B」)。

  • ログアウトしていると、リファラーとして「learn SEO」というキーワードが常に得られる(下図の「C」)。

つまり、グーグルアカウントにログインしたユーザーの検索行動に関しては、オーガニック検索の結果からのアクセスではキーワードは「(not provided)」になる。しかし、グーグルにお金を払っていれば(リスティング広告を利用していれば)、そちらからのアクセスでは以前と同じように参照情報(キーワード)が見られる。

検索ユーザーのプライバシー保護のためというけれども……

グーグルは、これは「ユーザーのプライバシーを保護するための措置で、アカウントにログインしているユーザーに関しては、その検索行動を訪問先のウェブサイトに通知しないデフォルト設定にした」と主張している。

あいにく、検索に関わる仕事をしている人や観測筋の多くが述べている意見について、僕はもっともだと思う。つまり、もしグーグルがプライバシーを保護するつもりなら、そういった情報を知られたくない人のために、すでに「セキュアな検索」(https://encrypted.google.com/からの検索で、今回のSSL検索と同じ働きをする)を提供することにより、ある程度実現できている。だが、そういう形のグーグル検索、つまりプライバシーが保護された検索を利用する人の割合は、ごくわずかだ。

だから、プライバシーの保護はすでに可能な状態にあるわけだ。グーグルがこれをデフォルトにする理由については、怪しんでいる人も多いんじゃないかと思う。

ポーテント・インタラクティブ社のイアン・ルーリー氏が書いた素晴らしい記事にリンクしておこう。ルーリー氏は、グーグルがこんなことをした本当の理由について、次のように推測、というか断定している。

現在の広告ネットワークが訪問者から得た検索参照データを非常にうまく利用しており、複数のWebサイトにまたがってそのデータを利用できる。だからグーグルは彼らからその能力を奪い、自分たちだけがユーザーの検索行動を知りうる唯一の広告ネットワークになろうとしているんじゃないか。

そうすることでグーグルは、検索市場でほぼ独占状態にある地位を利用して他の広告ネットワーク提供者を締め出し、他の勢力がそうしたデータを使えないようにする、というわけだ。

これにはがっかりさせられる。悲しいことだし、戸惑いも感じる。僕らが知っているグーグルにふさわしくないのも確かだ。

けれど、これで何より残念なのは、アクセス解析やSEO業界にいる僕らはこれから、PRの観点から厳しい闘いを強いられる点だと思う。グーグルは、「これはプライバシー保護のためノー」という切り札を得て、それを言い訳に利用できるのだから。

そうだとしても、お金を払えば(リスティング広告を出稿すれば)、ログイン状態のユーザーであっても検索データを入手できるというのは、もちろん非常に奇妙な感じがする。

とはいえ、この件について僕の意見を言うのは控え、各人の判断に任せたいと思う。

実行できる対策を考えよう

さて、この状況で僕らはどうするべきなのだろうか。少なくとも、この出来事にただ戸惑っているのではなく、すぐに実行できる対策を考えるのがとても重要だとは確かに思う。

検索業界にせよソーシャル業界にせよインバウンド・マーケティング業界にせよ、そこの主要プレイヤーが何か大きな変化を起こしたときには、その変化はどんなものか、それにどううまく対応できるか、データをどう利用できるか、どうすれば優れたマーケターであり続けることができるかを、僕らは考える必要があるんだ。

この記事は、前後編の2回に分けてお届けする。後編となる次回は、グーグルのSSL検索に対してどのような対応をとるべきかを紹介する。

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