初めての展示会出展で押さえておきたい10のポイント

リード獲得や認知向上などを目的として展示会に初めて出展する際に、最低限押さえておきたいポイント
リード獲得や認知向上などを目的として展示会に初めて出展する際に、最低限押さえておきたいポイントを、会社見学情報サイト「いるみる」管理人の福元 聖也 氏から寄稿いただいた。これから展示会に出展してみようという方は、参考にしてほしい。
この記事のオリジナルは「初めての展示会出展で抑えておきたい10のポイント」(2012年2月公開)です(掲載記事はオリジナルを加筆修正しています)。

はじめに

George Doyle/Stockbyte/Thinkstock

先日、とある展示会に足を運んだ。会場内は多くの人で溢れ、特に入口近くもしくは大手企業のブースに人が集まっていたのは他の展示会でも目にする光景だった。だが、奥に行くほど、そして知名度の低い企業のブースほどスタッフが暇を持て余している様子が見て取れ、これもよく目にする光景だった。

このような光景を目にして、そして会社見学情報サイト「いるみる」を運営し、数々の工場やショールームを見学した経験を活かして、初めて出展する企業が注意しておきたいポイントをまとめたい。

まず話を進めるために前提条件として次のものを設定しておく。

出展企業についての前提条件
  1. 地方の中小企業
  2. 過去の出展経験なし
  3. 業界知名度なし
  4. 出展目的はブース来場者の名刺獲得
  5. 予算は潤沢でない
展示会についての前提条件
  1. 都内の大型展示会場
  2. 展示場への来場者数は2万人/日で開催日は平日1日のみ
  3. 扱うのはB2B商品で来場者はビジネスマン
ブースについての前提条件
  1. 位置は入口から最も遠い
  2. 広さは一小間(3m×3m)

出店前の目的の明確化

展示会出展目的には、大きく分けて次のようなものがある。

出展目的

上図のとおり、数字が大きくなるほど来場者との接触密度が高く難易度も高い。

当ケースでの出展目的は、名刺獲得である(前提条件④)。大手企業など予算が潤沢にある企業は、キャンペーンガールやノベルティグッズを介して名刺を獲得している。しかし、当ケース企業は予算が潤沢でないために(前提条件⑤)、これら手法は用い(られ)ず、ブース来場者が展示内容などに関心を持った場合にスタッフもしくはブースにある名刺ボックスに名刺を置く方式を採るのが妥当だろう。

なお名刺獲得を目的とすると設定したが、名刺獲得はあくまでもその後の活動の「手段」である。その「手段」に確たる「目的」を設定しないと闇雲に名刺を集めることとなりかねない点は大変重要な注意点である。当ケースでは名刺獲得は「国内販路拡大」のため設定したものと仮定する。

前提条件⑦のとおり、1日の来場者数を2万人と設定した。ただし2万人の中にはコンサルタント・金融機関関係者など国内販路拡大に結びつきにくい来場者がいることは多々ある。したがって、見込み客は彼ら以外ということとなる。コンサルタント・金融機関関係者などを除くと直接的な見込み客は8割程度と仮定しよう。すると16,000人が対象だ。

ただし、16,000人すべてが会場の入り口から一番遠いところ(前提条件⑨)まで足を運ぶとは期待しないほうがいい。筆者の経験から、展示会場でくまなく回る人はおそらく来場者数の半数程度なのではないかとの印象を持っている。したがって、半数がブースの前を通り過ぎると仮定すると、8,000人との潜在的な接触機会があると理解できる。

出展者の知名度が低い(前提条件③)ため、8,000人が目の前を素通りしてしまう可能性が高い。ということは、その状況でどのようなアピールをして来場者に足を止めてもらうかを工夫する必要がある。

では、上記の前提条件などを踏まえて、初めての展示会への出展で注意したいポイントを、大きく「展示」と「スタッフ」の課題に分けて紹介しよう。

「展示」に関する注意ポイント

ポイント1パネル

どのブースにも自社の商品などを紹介するパネルが壁に掛けられている。だが、来場者を意識せずに作られたパネルを掲げているところは、立ち止まる人が少ない傾向にある。遠くからではパネルに書かれている内容が読み取れないなどの理由からだ。好奇心が相当に旺盛な来場者でない限りは、ブースの中に立ち入ってパネルを読み込むことをしてくれないと理解しておくべきだろう。

こうした機会損失を回避するためにも、最低限4メートル離れた場所からでも読めることが望ましい(奥行き3メートル+ブースからの距離1メートル)。またブースを隔てる壁は白であることが多いため、背景色は白以外のパネルを用意すると、遠くからでも視認性が向上するだろう。

遠くから足を運んでもらう、そして立ち止まってもらうためには、パネル制作は力を入れたいところ。もちろん、近づきたいと思わせるコピーや、さらに詳しく話が聞きたいと思わせるようなコンテンツを用意することは言うまでもない。

ポイント2映像活用

口下手なスタッフもいるだろう。また、他の来場者対応のために、ブース前で足を止めた見込み客に声をかけられない場合もあるだろう。そのようなときに役立つのが映像だ。主催者側の規定に音を出すことを禁じられている場合は制限がかかるが、できれば音声付きだと大いに役立つだろう。

上等な動画を撮影して流す必要はない。パワーポイントのようなスライドショーを繰り返し流しているだけでも、大いに役立ってくれるはずだし、これだと制作側の負担も小さくて済む。

ポイント3商品の展示

取扱商品のサイズによるので一概には言えないが、可能であれば商品は手にとって見ることができるほうが良い。商品を実際に展示するメリットは次のようなものが挙げられる。

  • 来場者とより具体的なポイントに関するコミュニケーションを図れる
  • 商品に対する生の声を収集できる

出展するからには、質の高いコミュニケーションを通じて目的たる販路拡大につながるような関係づくりをしたい。そのためにも、目の前に商品があるかないかでの効果は大きく異なってくる。ぜひ、来場者の五感に訴えたい。もし商品のサイズが大きくてブースに搬入できないのであれば、商品の中でウリにしているパーツ・モジュールを展示する策で代用したい。この案だけでも、商品がないよりは効果が期待できる。

後者のメリットも見逃せない。地方からの出展であれば(前提条件①)、大企業をはじめとした都内ユーザーのニーズ把握はしておきたい。商品の売り込みだけでなく今後の課題を拾い上げて帰ることは貴重なミッションである。出展の目的としてぜひスタッフと共有しておきたい。

ポイント4パンフレット

ブースを回っていると、パンフレットの置き方にもさまざまな違いがあることに気づく。ブースのテーブルに山積みにしているもの、ブースの端に置かれたラックに刺されたものなど。

どの置き方が良いかは一概に判断できないが、来場者が手軽に手に取ることができるようにするには、ブースの前面に置き、パンフレットの脇には「ご自由にお取りください」とのメッセージと名刺を入れるポストを用意しておくとよい。

手軽に手に取れる、そして他のブースのパンフレットも持つことを考えると、嵩張らずに済むような心遣いをすることも大切だ。お金をかけて立派なものを用意することを目的化しないよう注意したい。

ポイント5商談スペース

一小間しかスペースがないため(前提条件⑩)、ブース内に商談スペースを置くとたちまち他の展示物の露出が遮られるという問題が生じる。理想は展示会場に設置された商談スペースを利用することだが、いきなり商談スペースへ案内するのは相手に警戒心を抱かせてしまう可能性があるため避けたいところだ。

そこで、場所を取らずに話せるようにするために、バーカウンターの高さのテーブルを置き、立ち話形式で会話をするのはどうだろう。座っているスタッフ相手よりも常に立っているスタッフ相手のほうが声をかけやすいし、カウンター(足元が隠れるもの)であれば、立っているのか座っているのかもわかりにくいという利点がある。スタッフも一日中立ちっぱなしになることもないので笑顔で来場者を迎えられるはずだ。

「スタッフ」に関する注意ポイント

ポイント6スタッフ構成

一小間という限られたスペースである以上(前提条件⑩)、大勢のスタッフを配置することは難しい上に、大勢のスタッフがいることで見学者が声をかけにくい雰囲気を作り出してしまうこともある。衣類や家電を買い物に行ったときのことを思い出してほしい。

スペースの制約から感覚的には2名が最適だろう。また2名の構成については、B2B向けの展示との前提に立つと(前提条件⑧)、技術系と営業系の組み合わせが望ましい。年齢・性別については一概に言えないが、来場者層(特に意思決定者)に合わせた構成とするのが望ましい。中小企業の出展(前提条件①)だと、通常営業日との兼ね合いから若手などを送り出すことも多々あるが、せっかくの機会である以上、エース級で現場で意思決定できる人材をおいて、自社製品のアピールを存分にすることが理想的だ。

ポイント7役割分担

上記のように技術系と営業系の組み合わせでブースに立つと仮定した場合、営業系が積極的にブースに関心を示しそうな人に声を掛けて会話のきっかけを作り、商品の具体的な内容に踏み込む段階になって技術系のメンバーにバトンタッチするパターンを構築しておくと望ましい。

ポイント8受け入れ態勢

来場者の少ないブースのスタッフは気の毒なくらい退屈そうにしている。退屈からなのか、スマートフォンをいじっているスタッフも何人か目にした。

日常業務のメールをスマートフォンで閲覧できるようになっていれば、なおのことスマートフォンをいじる頻度も高くなるが、傍から見ていると好感が持てるとは言えないし、来場者からすれば声をかけにくい印象を持ってしまう。メールのチェックは1時間に1回としたり、交代で休憩を取ってその際にメールを確認するなどのルールを予め設定しておけば、ブースでスマートフォンをいじることを回避できる。スマートフォンの普及にともなって目立つようになった大きな特徴であることを加えておこう。

また上記で提示したように2人をブースに配置するのであれば、2人が話しすぎていないことも大切だ。見学していると、スタッフ同士でおしゃべりに夢中になっているところも目にした。来場者おかまいなしで、来場者が声をかけにくい雰囲気を醸し出している。これではなんのための出展なのだかがわからなくなってしまう。2人は適度な距離(たとえばブースの両端など)を保って、来場者とのアイコンタクトなどを図りながらブースへ誘導すると良い。

ポイント9ユニフォーム

足を運んだ展示会で、とある企業はお揃いのネクタイをして応対していた。彼らなりの工夫なのかもしれないが、残念ながら後ろ姿からでは彼らが該当企業のスタッフなのかは判断がつかない。

どこからでもスタッフなのか見学者なのかが判別できるように、ジャンパーかポロシャツなどお揃いのものを着てわかりやすくしておくと声をかけて貰える確率も上がるだろう。

ポイント10外国語対応

外国語への対応は出展目的によりけりであり、予算に制約がある以上は専任の通訳を置くことは難しいし、大手でも通訳を置いているケースはめったに目にしない。予算の関係や国内販路の拡大との目的に照らし合わせて、外国人からの対応については必要以上に立てる必要はないだろう。

もしブースで即座に答えられないようであれば、後日メールで回答すると言って、名刺交換をしておく程度に割り切ることは何ら問題はない。

まとめ

前提条件などによって検討する項目・内容が異なってくるだろうが、上記で紹介した内容は初出展の際にはいくらか参考になると自認している。また、上記ポイントは先日の展示会見学での体験に基づいて挙げており、他にも心がけておきたいポイントは個々の企業や展示会によって異なるので、各自で確認して備えてほしい。

筆者は冒頭でも記したとおり、これまでに多くの見学施設に足を運んできた。この経験からも、人が集まるブースとそうでないブースの違いについては感覚的につかめているつもりである。情報発信がネットに偏りがちな社会で、ぜひとも展示会という対面のコミュニケーションの機会を有効活用してもらいたい。

なお、もし、出展の経験がないのであれば、試しに地元のフリーマーケットを個人でやってみて感覚を掴んでみてはどうだろう。限られた面積で商品を並べ、目の前を通り過ぎていく人にどのようにすれば足を止めてもらえるか。予算が限られている場合の予行演習としてお勧めしておく。

「展示会のブースとは出張ショールームなのだ」との意識で、ぜひ出展してもらいたい。

この記事のオリジナルは「初めての展示会出展で抑えておきたい10のポイント」(2012年2月公開)です(掲載記事はオリジナルを加筆修正しています)。
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