事例
大切なのはコンバージョン最適化ではなく全体最適化。CVRを40%アップさせた「HOME'S」のマーケ統合事例

積極的なコンバージョン最適化を進めることで生まれた新しい課題と、その解決方法とは?
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アクセス解析を活用してコンバージョン最適化を進めると、CPAが下がるのと引き替えに、全体効率に関する新たな課題が生まれることもある。不動産ポータルサイト「「HOME'S」」では、そうした「アクセス解析の次のステップ」をどうやって進めたのだろうか。

積極的なコンバージョン最適化を進めることで生まれた新しい課題

「HOME'S」

「「HOME'S」」は、株式会社ネクストが運営している不動産ポータルサイトだ。

同サイトには賃貸物件から売買物件まで、不動産会社から提供された約約326万件(2011年9月時点)もの物件情報が掲載されており、住まいを探しているユーザーとのマッチングを行っている。

同サイトにおける最終的なコンバージョンは、訪問したユーザーが掲載物件への問い合わせをすることだ。不動産会社から「問い合せ課金」形式の利用料を受け取る形である同サイトは、コンバージョン≒売上なので、ECサイトに近いビジネスモデルだといえるだろう。

株式会社ネクストでは、従来からアクセス解析にAdobe SiteCatalystを導入し、オンラインビジネスの最適化を進めてきた。アクセス解析で得たデータを元に仮説を立て、テストで検証してサイトを改善していくというPDCAサイクルを回してきたのである。

しかし、サイトの最適化が進んだ結果、従来の方法論では行き詰まりが見えてきた。

その課題とは大きく次の3つに分けられる。

「HOME'S」が抱えていた3つの課題
  1. 活動報告が硬直化してきたこと ―― 単純に訪問やCVR(コンバージョン率)が増えた、あるいは減ったという報告に終始するようになってしまっていた。一口に「コンバージョン」といっても、新規訪問なのかリピート訪問なのか、どこからサイトに来たのかなど、さまざまなセグメントがあるはずだ。こうしたデータをクロス分析して、新たなファクトを発見する必要に迫られた。

  2. サービス開発力とスピードの向上 ―― ビジネス環境の変化にいち早く対応し顧客に価値を提供していくためには、新しいサービスを迅速に開発していく必要がある。その一方で、既存サービスも継続的に改善していかなければならない。既存サービス改善に割くリソースを減らして、新しいサービス開発にリソースを割くことが急務となっていた。

  3. プロモーション効率の停滞 ―― 制作したクリエイティブのうち、クリックやコンバージョンの成績が低かったものを落としていくと、CPA(コンバージョンあたりの集客コスト)は下げることができる。しかし、そうして個別最適化していったところ、打つ手が少なくなり、結果的にCPAは下がったものの、全体としてのコンバージョン数が減少してしまっていた。プロモーションからコンバージョンの導線(ストーリー)を再設計してメディアを評価する必要があった。

さらなる全体最適化のPDCAを進めるために
統合マーケティングスイートを導入

これまではアクセス解析を中心にコンバージョンにフォーカスした最適化を行ってきた株式会社ネクストだが、こうした課題を解決するためにどんな対策を検討したのだろうか。

渡邉 雄三 氏
渡邉 雄三 氏
株式会社ネクスト
「HOME'S」 事業本部
プロモーションユニット
チャネル戦略グループ長

さまざまな対策を検討しました。たとえば、社内研修やセミナーによって組織の分析力を向上するやり方や、組織を見直して専門の分析・最適化チームを設立するやり方や、または、コンサルタントなど外部の力を利用して施策をいちから見直すやり方など、ですね」(株式会社ネクスト 渡邉雄三氏)

しかし、最終的には同社が至った結論は、「全体最適化を進めるためのPDCA体制を構築しなければいけない」というものだった。

その手段として同社が導入したのが、これまで利用していたアクセス解析ツールSiteCatalystを含むアドビ システムズ社の統合マーケティングプラットフォーム「Adobe Digital Marketing Suite(アドビ デジタル マーケティング スイート)」だ。

Digital Marketing Suiteは、アクセス解析や最適化のさまざまなツールを組み合わせて使うことで、オンラインマーケティング全体を分析・最適化するための統合プラットフォーム。

  • Adobe SiteCatalyst(アクセス解析)
  • Adobe Discover(データ分析)
  • Adobe Test&Target(A/Bテストやパーソナライゼーション)
  • Adobe SearchCenter+(リスティング広告の自動最適化)
  • Adobe Reccomendations(レコメンデーション)
  • Adobe Scene7(マルチメディア素材の最適化配信)

といったツールを中心に構成されており、ツールどうしでデータを連携したり、Genesisというデータ統合ツールを使ってサードパーティツールのデータを取り込んだりすることで、オンライン・オフラインを通じたマーケティング全体を管理する。

全体最適化が目的ですから、集客からコンバージョンまで、一連の流れでユーザー行動をとらえて最適化しなければいけません。そうしたことを実現できるツールはさほど多くありませんでした。これまでもSiteCatalystを社内の共通ツールとして利用していたことから、Adobe Online Marketing Suiteならば、ツールの利用トレーニングも含めて導入コストを抑えられると判断しました」(渡邉氏)

では、株式会社ネクストはこの統合マーケティングプラットフォームのどのツールをどのように使って前述の課題を解決したのだろうか。

データの深掘りとテスト効率の向上を実現

1つ目の課題「活動報告の硬直化」に対しては、Discoverを使ってデータをクロス分析することが解となった。

この課題に対する取り組みの1つが、リピートユーザーデータの深掘りである。特定キーワードで訪問したリピートユーザーのうち、コンバージョン(問い合わせ)につながったユーザーが前回訪問時に閲覧していたエリアを取得し、コンバージョン率の高くなるランディングページを選定した。さらに曖昧キーワードで再訪問した際には、ランディングページを出し分けるようにしたことで、コンバージョン率は42.76%向上した。

こうした深掘り分析ができることになったことで、単なる結果としての全体数値だけを報告するのでなく、さまざまな切り口や粒度でデータを分析して傾向や改善案を報告するようになっていった。

2つ目の課題「サービス開発力とスピードの向上」については、Test&Targetによる自動テストが解となった。

A/Bテストを利用した改善は以前から行っていたが、従来はテストのたびに何らかの開発を必要として、技術部門のリソースを消費していた。しかし、Test&Target導入後は、企画部門だけでテストを進められる体制が整い、隔週で3つのテストを回せるようになった。

A/Bテストや多変量テストを行い改善していくサイクルをツールを使って自動化することで、より良いサイトを短期間で実現できるようにしていったのだ。

3つ目の課題「プロモーション効率の停滞」に対しては、前述のSiteCatalyst、Discover、Test&Targetに加えてSearchCenter+を連携させて検証と改善のサイクルを回すことにした。

たとえば、この課題に対して行った施策の1つに、「ビッグワード検索者の囲い込み」がある。

不動産業界におけるビッグワードというと、たとえば「賃貸」がある、しかし、ビッグワードで検索してくるユーザーといってもさまざまだ。同じ「賃貸」という検索でも、たとえば「前回訪問時に東急東横線など路線を軸に家探しを行ったユーザー」と「高額な新築分譲物件を見て賃貸物件も検討しているユーザー」では、訴求するべき内容がまったく異なってくる。

そこで、SearchCenter+でテスト設定した対象に対して、Discoverを用いて相性のよいランディングページとセグメントの組み合わせを探り、さらにTest&Targetで広告のキャッチコピーのテストを行った。SearchCenter+でテスト設定した対象は、Online Marketing Suiteの他のソリューションでも自動的にターゲティングされるため、シームレスに分析できる。

こうした施策によって最適化のプロセスを進めることでメディアを再評価でき、単純なキーワードを自動入札ではなく、効果を上げるための予算の最適化を進めることができた。これにより、既存メディアへの追加投資も可能になった。

Adobe Online Marketing Suite を使うと、これまでとは違う切り口が見えてきました。以前の分析方法では効果がないとして捨てていたクリエイティブや、投資対効果が見合わないと思っていたメディアも、あるセグメントのユーザーに対しては効果的だということがわかり、ターゲティングと併せて有効に活用できるようになりました。さまざまなテストの結果、年間で5000件以上のコンバージョンが見込める結果となり、非常に満足しています」(渡邉氏)

今後同社では、コンバージョンへの貢献度評価を指標に加えた、アトリビューション分析によって面の拡大を図る予定だという。

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